■今週の見通しについて
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■先週までのレビュー
先週末は、注目されていた米雇用統計の発表があり、予想を上回る21.1万人増、失業率も10年ぶりの低水準4.4%となりました。また、平均賃金の伸びに関しては、予想を下回ったことが若干気がかりな内容でした。
しかし、FRB高官からバランスシート縮小についてコメントが数多く出たことが、リスクオンに傾き、株式や原油の上昇も好感され、ドル円も112円後半まで値を伸ばす格好となりました。
■今週の見通しについて
先週の雇用統計の結果や、バランスシート縮小に伴い、6月の米追加利上げはほぼ織り込んだ状況となっています。
そんな中、トランプ政策の最優先課題とされてきたオバマケア代替法案を下院で可決したことで、これまでの不透明感が若干、払拭されたことで、上値は軽くなっている状況とみています。
しかし、上記の理由を裏付けるためには、以下の点に注意したいです。
1:米国の利上げ路線を見る上では、今週発表される小売売上高、生産者物価指数、消費者物価指数が予想を大きく上回れるのか?
2:オバマケア代替法案が下院で可決したものの、上院での可決はハードルが高く、難航が予想されています。下院可決も僅差だっただけに、一筋縄ではいかないと予想しています。
そんなリスクオンの状況下でも、対日貿易赤字が増加していることも、忘れてはいけない材料だとみています。
■チャート上では・・・
チャート的にも完全なアップトレンドに転換したとは言い切れないのが、先月21日と24日の日足上のギャップです。未だに埋めきれないまま上昇しています。
また、今年1月3日の高値118.60円と3月10日高値115.50円に対するレジスタンスラインが今回の抵抗ポイントになっていることです。
しかし、日足の平均足(改良版)が陽線継続下で、週足の平均足改良版も陰線から陽線に転換したことで、中期も押し目を探る展開となっています。
目先は「買われ過ぎ感」が台頭しているものの、上記の不安要素を考慮しつつ、下げたところは買いスタンスとみています。
その他、注意点としては、ドル買い円売り材料が出揃っているにもかかわらず、週末からの上昇値幅が小さいことに、上昇の継続期間が少ないのかもしれません・・・。