売られ過ぎから反発を試す展開が期待されるが、チャートは戻り売りを示している

著者:市原義明
投稿:2017/04/08 16:40

◆典型的なトレンド転換の動きになっている

週明け10日(月)の日経平均は、リバウンド継続の想定です。

週末の米国市場では、注目の3月雇用統計が発表されました。非農業部門の雇用者数が+9.8万人となり、事前予想の+18万人を大きく下回りました。

気になって発表をチェックしていた方は、数字を見て「ヒヤッ」とされたのではないかと思います。

発表直後は1ドル=110円割れ目前までドル安、円高になり、シカゴ日経先物18505円まで下がる場面がありましたから、数字に瞬間的に反応したのでしょう。

昨年5月以来の低い伸びだったために失望につながる数字だったのですが、失業率は2007年以来の4.5%に低下していたため、一時的な落ち込みと解釈されたようです。

その後、NY連銀ダドリー総裁のFRBのバランスシート縮小が利上げに影響することはないと発言したため、米国債利回りが上昇に転じて1ドル=111円台を回復、シカゴ日経先物も+75円の18785円で終了しました。

神経質な展開でしたが、週末の米国市場の結果から、週明けはリバウンド継続になりそうです。

シカゴ日経先物の終値はわずかに届いていませんが、週明けに18800円を付けると先週末の高値を超えるとともに5日線を上回るため、3月中旬から始まった一本調子の下げから反発に向かいそうです。

そこで戻り目処を想定すると、日経平均は3月13日の19656円から先週末の18517円まで約3週間で1139円の下落になっていますから、この値幅に対して計算すると、1/3戻しが18896円、1/2(半値)戻りが19086円です。

大きく下がったときの戻り目処として1/3戻しや半値戻しが目安になるので、通常のリバウンドで19000円程度までは戻る可能性があります。

ただし、今回の大幅下落によって、25日線を大きく割り込み、25日線と75日線のデッドクロスと両方の移動平均線が下向きに変化しています。

このため、19000円程度まで戻ると、下向きの25日線が上値を抑えてしまう状況です。

今まで下値をサポートしていた25日線や75日線が上値抵抗に変わるというのは、典型的なトレンド転換の動きです。

ファンダメンタルをもとに株価が大きく下がったときに中長期スタンスで安値を買う考え方はあると思いますが、数日から数週間の売買を狙うのであればトレンドに沿って戦略を立てた方がよいと考えています。

25日線、75日線を売買するときのトレンド基準で考えれば、戻り売りが基本スタンスと考えられます。買いは移動平均線まで短期リバウンド狙いが中心になりそうです。
市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想