日経平均の下落以上に投資家を弱気に傾ける展開 慎重姿勢が続きそう

著者:市原義明
投稿:2017/04/04 19:22

◆騰落レシオはそれほど下がっていない

5日(水)の日経平均は、軟調な展開で年初来安値が意識される想定です。

4日(火)の日経平均は、米国株安と1ドル=110円台の円高で大幅反落になりました。

前場は下げ渋ったものの、後場に入ってから下げが加速する展開になり、一時、18700円割れ目前まで下落する場面がありました。

また、後場に入ってから新興市場を中心に投げ売りとも見られる動きが散見されたため、日経平均の動き以上に投資家心理を弱気に傾ける展開だったと考えられます。

今日の流れを引き継いで、明日も軟調な展開が想定されそうです。米国株や為替の大幅な戻りがあれば反発の可能性もありますが、自律反発の範囲になりそうです。

一方、日経平均はなんとか年初来安値を割れずに保ちましたが、TOPIXは年初来安値とほぼ同値まで下がる場面があり、終値ベースでは1月24日の安値をわずかに割り込みました。

また、東証1部の規模別株価指数の大型株指数は、年初来安値を明確に割り込みました。メガバンクなどの金融株や景気に敏感な大型株の下げが止まらない状況を示していると考えられます。

さらに本日は新興市場が急落したため、大型株を避けて物色されていた小型株市場にも見切売りが加速したと考えられます。

ただし、日経平均は3月13日に19656円の高値をつけてから本日の安値18703円まで下落したので、日柄で約3週間、値幅で1000円弱の調整になっています。

日柄、値幅ともに年初の調整以上になってきたので、値ごろ感が出やすくなるかもしれません。

しかしながら、上昇トレンド中の調整では見られなかった調整になってきたので、本格的にトレンドが転換してしまった可能性もあります。

過去の本格的な調整局面は、ある程度下がって値ごろ感が出た水準からさらに下げが加速していることがよく見られています。

また、日経平均がかなり下がったといっても、騰落レシオは90%以上を保っているので、一般的に底値シグナルといわれる数字にはまだ足りない状況です。

ただし、日銀がETFを買い入れているので、日経平均は19000円を中心にした上下500円程度の横ばい相場に留まる可能性が考えられます。

しかしながら、個別株ではトヨタがトランプラリーのスタート地点まで戻るなど、個別株の水準と日経平均の水準で印象がかなり違っていますから、本格的な底打ち反転まではまだ日柄がかかるのではないかと思われます。

市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想