新年度入りは反発スタートか?海外勢の売りを日銀が吸収する横ばい相場が続いている

著者:市原義明
投稿:2017/04/01 16:01

◆日足チャートは悪化しているが、週足チャートは上昇傾向を保っている

週明け3日(月)の日経平均は、先週末の大幅下落の反動高の想定です。

週末(31日)の米国株式市場は、NYダウは反落、ナスダック指数は6日ぶりの反落でした。また、ドル円相場は1ドル=111.38円程度で、円高に押し返される結果でした。

米国株は小幅安で円高傾向でもありましたが、シカゴ日経先物は+50円の18960円で終了しました。日経平均が週末の2日で300円程度の急落になったので、リバウンドの動きの方が強かったのだと思われます。

週明けはリバウンドで始まりそうですが、日足チャートが下向きに変化していますから、戻り売りの圧力が強くなりそうです。

3月中旬までは5日線、25日線、75日線が巡航する3線上昇型でしたが、3月22日の急落で25日線と75日線を割り込み、移動平均線の傾向が大きく変化しました。

その後の戻りが鈍く、週末に25日線と75日線が下向きに変化し始めており、早期に19300円程度まで戻らないと、25日線と75日線がデッドクロスしてしまいます。

そうなると、5日線、25日線、75日線の順番が逆転し、3線下降型に変化してしまいます。本格的な下降トレンド型になるため、調整が長引く可能性を示すと考えられます。

一方、先週に発表された投資主体別売買動向では、外国人投資家が約1兆円(9533億円・先物と現物の合計)の売り越しで1年ぶりの大きさになりました。

売り越しは6週連続で、今年に入ってからの売り越しが2兆円に迫っています。通常、外国人投資家がこれだけ売ってくれば、日経平均が年初の高値水準を保てるとは考えにくいのですが、日銀の買い越しは1.7兆円程度との観測があるため、日銀のETF買いが外国人投資家の売りを吸収していると考えられます。

ただし、外国人投資家は上値を買いますが、日銀は上値を買うわけではないと考えると、日経平均は上がらないけれども、大きくは下がらない現在の動きに合致します。

日経平均は上昇トレンドは崩れてかけていますが、日銀の買い支えがあるため、下値も限定的なのではないかと思われます。

また、日経平均の1株あたり利益は1200円程度を保っているため、PER15倍が18000円と考えると、18000円台はPERから割安圏にもなりそうです。

日足チャートは下降トレンド型に変化しつつありますが、週足の26週線や52週線が上向きを保っているので、19000円を中心にした上下500円程度の横ばい相場に留まるのではないかと考えられます。
市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想