5日線超えで続伸が期待されるが、主力株の二極化が気がかり

著者:市原義明
投稿:2017/03/29 18:45

◆今年は5日線の上向き期間が短い傾向が続いている

30日(木)の日経平均は、手がかり不足で横ばい程度の想定です。

29日(水)の日経平均は、米国株高と1ドル=111円台を回復した円安を受けて小幅続伸になりました。ただし、配当落ち分は130円程度と観測されているので、実質は+140円程度の続伸と考えられます。

今日の続伸によって日経平均の5日線が上向きに変化したので短期的な転換になりそうですが、今年は5日線の上向きを保つ期間が4営業日程度しか続かない傾向があります。

◆年初以降に日経平均が5日線の上向きを保った日数

1月25日から1月30日まで 4営業日

2月10日から2月16日まで 5営業日

3月10日から3月16日まで 5営業日

前日に5日線を超えて今日の上昇で5日線が上向きに変化していますから、あと2、3日程度はしっかりした展開が続く可能性が考えられます。

しかしながら、現在の水準は25日線と75日線が上値を圧迫しそうな状況です。今日の上昇の手がかりになった米国株高や円安のサポートがないと、一気に続伸とはなりにくそうです。

一方、今日の相場で目だったのは、ソニーが昨年来高値を更新する動きでした。ソニー以外にも、東京エレクトロンなどの半導体関連株が前日から上昇傾向になっていました。

反対にトヨタは終値ベースの今年の安値圏になっており、メガバンクなどの金融株も弱い動きが目立っていますから、主力株に強い銘柄と弱い銘柄の二極化が目立っている印象です。

主力株の二極化が目立つ背景は、トランプ政策の警戒感と世界的な景気回復期待が交錯しているからなのだと考えられます。

主力株の足並みがそろわないので、日経平均の横ばい傾向が続いているのだと思われます。
市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想