手がかり不足で横ばい想定 新年度に向かった上昇トレンドは始まっている?

著者:市原義明
投稿:2017/03/04 16:16

◆3線上昇型に変化する動きに注目したい

6日(月)の日経平均は、手がかり不足で横ばいの想定です。

週末の米国市場は小幅上昇となり、NYダウは21000ドル台を保って終了しました。

イエレンFRB議長が講演で3月利上げの実施を強いトーンで語ったため、利上げ観測が金融株の買い手がかりになりました。

一方、為替市場は一進一退で、ドル高、円安は進みませんでした。先週に3月利上げ確率が急上昇していたので、さらに押し上げるまでにはいたらなかったようです。

週末のシカゴ日経先物は、円安が伸びなかったために-10円の19460円で終了しました。週末の日経平均終値が19469円なので、ほぼ同水準です。

週明けは手がかりが少なそうなので、基本的には横ばいの想定です。ただし、東京市場のドル円相場に神経質に反応しそうなので、1ドル=114円を割れるようだと、続落の可能性がありそうです。

ただし、5日線が上向きに変化しているため、下値をサポートしやすいと考えられます。安値は19400円程度と考えられるため、週末のローソク足にはらむ足が出現するのではないかと考えています。

一方、先週は19615円を抜ける場面がありました。ようやく高値を抜けて上昇がスタートしたと思ったら、高値抜けの当日は伸び悩み、翌日にすぐ反落してしまったので「またダメか」と思える動きになっています。

しかしながら、チャートは着実に上昇トレンド型に変化し始めています。

最も強い上昇トレンド型は、移動平均線3本が巡航して右肩上がりになっている状態(3線上昇型)と考えています。

そして、きれいな3線上昇型になるときには、3本の移動平均線が同水準に収束してから動き出す傾向があります。

一般的な日足チャートの移動平均線は5日、25日、75日を使いますが、日経平均は12月中旬から約3ヶ月のもみ合いが続いたため、3本の移動平均線が収束しています。

先週の大幅上昇したタイミングは、移動平均線の収束から上昇に転じる気配になったと考えています。

もちろん高値を抜けずに横ばいが続く可能性もあるのですが、ここから上昇が始まると3線上昇型へ移行する可能性が高いタイミングですから、3線上昇を保っている間は、過度に弱気になる必要はないと考えています。
市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想