横ばいの想定の想定 日経平均の下値を支えるEPSの変化とは?

著者:市原義明
投稿:2017/02/08 19:00

◆EPSは着実に2015年水準に近づいている

9日(木)の日経平均は、横ばいの想定です。

8日(水)は米国株高や円高一服で反発し、2月1日以来、およそ1週間ぶりに19000円台を回復しました。

「水曜日は高いアノマリー」が続いたわけですが、今日の上昇で7営業日ぶりに終値で5日線奪回しましたから、調整一巡感につながる動きでした。

ただし、今週に入って売買代金が連日で減少し、今日は2兆円を割り込みました。反発してもエネルギーが付いてこないのでは、方向感が出たとはいいにくい印象です。

仮に5日線超えから続伸しても19100円台に25日線が控えていますから、エネルギー不足では25日線超えは難しそうです。

したがって、日経平均は続伸しても小幅で方向感は出そうにないので、横ばい程度の想定です。引き続き、個別企業の決算を手がかりにした物色が中心と考えています。

一方、ドル円が節目の1ドル=112円を割り込む動きになったにもかかわらず、日経平均が思ったほど下がらないと感じている方がいると思います。

日経平均が19000円水準を保っているのは、1株あたりの利益(EPS)の変化が支えになっていると考えられます。

昨日(7日)時点の日経平均のEPSは1213円で、今年最高水準になりました。第3四半期の決算発表が始まる前の1月中旬は1170円程度だったので、決算発表を通過して着実に増加しています。

そして1200円台のEPSは、日経平均が2万円台をつけていた2015年の水準に近いことがわかります。

2015年に日経平均が急落して2万円を割り込む直前の2015年8月10日のEPSは1250円で、この日の日経平均は20808円でした

また、現在とほぼ同水準の2015年末は終値が19033円、EPSは1222円です。

昨日のEPS1213円が2015年の水準に近いとわかりますから、株価も19000円水準を保っていておかしくないと考えられます。

日米首脳会談のイベントリスクや円高が重しになっていますが、EPSが支えになって下値が限定的なのだと思います。

決算発表を通過してファンダメンタルが追いついてきたので、あとは投資家に先高期待が芽生えれば、重苦しい日柄調整が終わるのかもしれません。
市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想