中国とどう付き合っていくかが日米の最大の課題
トランプ新大統領が初めての記者会見に臨みました。1月20日に就任式を控えているので、ここでさらに株式市場や為替市場に影響を与えるようなリップサービスをする必要はなく、マーケットでは「目新しいことが何もなかった」として高値を買い上げるエネルギーこそそがれましたが、小休止程度にとどまり、まずは無事、イベント消化と受け止めるべきでしょう。
さて、トランプ氏ですが、「トランプは何をするかわからない」というのはイメージ戦略であると私は思っています。そんな乱暴な人物が不動産王にととどまっていられるほどアメリカのビジネスは甘くないはずですし、そんな人物が共和党のトップになり、大統領に選ばれるほどアメリカの大統領選挙はばかばかしいものではないはずです。
それよりも興味深いのはオバマ大統領後期政権と連動する形で日本の安倍政権誕生の際に為替が一転ドル高円安に振れ、日本株がその後の日銀ETF買い等の政策、オリンピック招致で暴騰するのを見越してでもしていたかのように為替ストラテジーと日本株式を買いあさった外国人投資家の筆頭、ヘッジ・フアンド運営者のジョージ・ソロス氏が今度は一転、トランプ氏当選後のトランプ・ラリーで大損したとの報道です。
ソロス氏はトランプ氏が大統領選で勝利した場合、株式市場は大きく値下がりするだろうし、ヒラリーが当選したとしても議会が共和党優勢であることから、手詰まりとなり、どちらに転んでも株式市場は値下がりすると考えていたらしいのです。
もっとも表向きの理由はそうであっても、オバマ大統領の後期政権のあまりにも鮮やかなアベノミクス円安・株高シナリオを事前に知っていたかのような大儲けぶりにソロス氏には情報源として後期政権のストラテジーを知りえる筋からの事前示唆があったのではないか、と、当時、思ったことを思い出します。ということは民主党主導の政治運営を封じ込めるべく今回は別筋が動き、オバマ氏→ソロス氏の読み筋が無力化したのだろうと思います。
ヒラリー氏はウオール街からの献金額が多かったことで知られますが、今回はそのヒラリー氏と昵懇ではない筋の流れが主線を描いていくものと思われます。
であれば、注目すべきはトランプ氏と会談した人たちの選挙後の動きです。
9月にヒラリー氏と会談し、「次期大統領はこの人であるはず」とも受け取れる並んで握手した写真を外務省ホームページ等に掲載していた安倍首相はトランプ氏当選の第一報に「話が違うじゃないか!」とおっしゃったとか?
そこで、すぐさま50万円のゴルフクラブを握りしめて、トランプ氏との会談にこぎつけた安倍首相が帰国後、まるで突貫工事のように通した法案はカジノIR法でした。トランプ氏のスポンサーといわれるラスベガスサンズはカジノIR法成立に「大変よいチャンスであると考えます」と満面の笑顔で経営陣がコメントしていました。
その安倍首相は正月明け早々の12日、オーストラリア、フィリピン、インドネシア、ベトナムに飛んでいます。
もちろん、トランプ氏当選後、中米歴訪を果たした際にトランジット先としてアメリカ滞留をした台湾の蔡英文総統と共和党議員の接触と旋律は同じだとみなせます。
もうすでに始まっている世紀の大戦略「強いアメリカを取り戻せ作戦」。
私たち日本人もこの大きな流れの中にあります。
考えられるのは
●日本・フィリピン・インドネシア・オーストラリア・ベトナム連携での南シナ海での合同軍事演習
→その際に中国の空母等の動き
→小競り合い勃発?
●台湾の動向
→中国の台湾締め付け
→香港・モンゴルの反体制運動の動向
→中国版「アラブの春」運動?
等々。諸外国もトランプ陣営がどの程度、統率のとれた陣なのかを試したいはずです。試すためには何かが起こる、とみなせます。
私たち生活者、個人投資家はこうした国際情勢の中で自分たちの生活、仕事、家族との暮らしを守っていかなくてはなりません。しっかり大波小波を上手に微笑みを忘れずに乗り越えていきたいものです。
講演やコラムではこのテーマにちなんだ研究成果をお話ししていく予定です。
今年もヤフーファイナンス投稿記事をお楽しみくださいね。よろしくお願いいたします。
さて、トランプ氏ですが、「トランプは何をするかわからない」というのはイメージ戦略であると私は思っています。そんな乱暴な人物が不動産王にととどまっていられるほどアメリカのビジネスは甘くないはずですし、そんな人物が共和党のトップになり、大統領に選ばれるほどアメリカの大統領選挙はばかばかしいものではないはずです。
それよりも興味深いのはオバマ大統領後期政権と連動する形で日本の安倍政権誕生の際に為替が一転ドル高円安に振れ、日本株がその後の日銀ETF買い等の政策、オリンピック招致で暴騰するのを見越してでもしていたかのように為替ストラテジーと日本株式を買いあさった外国人投資家の筆頭、ヘッジ・フアンド運営者のジョージ・ソロス氏が今度は一転、トランプ氏当選後のトランプ・ラリーで大損したとの報道です。
ソロス氏はトランプ氏が大統領選で勝利した場合、株式市場は大きく値下がりするだろうし、ヒラリーが当選したとしても議会が共和党優勢であることから、手詰まりとなり、どちらに転んでも株式市場は値下がりすると考えていたらしいのです。
もっとも表向きの理由はそうであっても、オバマ大統領の後期政権のあまりにも鮮やかなアベノミクス円安・株高シナリオを事前に知っていたかのような大儲けぶりにソロス氏には情報源として後期政権のストラテジーを知りえる筋からの事前示唆があったのではないか、と、当時、思ったことを思い出します。ということは民主党主導の政治運営を封じ込めるべく今回は別筋が動き、オバマ氏→ソロス氏の読み筋が無力化したのだろうと思います。
ヒラリー氏はウオール街からの献金額が多かったことで知られますが、今回はそのヒラリー氏と昵懇ではない筋の流れが主線を描いていくものと思われます。
であれば、注目すべきはトランプ氏と会談した人たちの選挙後の動きです。
9月にヒラリー氏と会談し、「次期大統領はこの人であるはず」とも受け取れる並んで握手した写真を外務省ホームページ等に掲載していた安倍首相はトランプ氏当選の第一報に「話が違うじゃないか!」とおっしゃったとか?
そこで、すぐさま50万円のゴルフクラブを握りしめて、トランプ氏との会談にこぎつけた安倍首相が帰国後、まるで突貫工事のように通した法案はカジノIR法でした。トランプ氏のスポンサーといわれるラスベガスサンズはカジノIR法成立に「大変よいチャンスであると考えます」と満面の笑顔で経営陣がコメントしていました。
その安倍首相は正月明け早々の12日、オーストラリア、フィリピン、インドネシア、ベトナムに飛んでいます。
もちろん、トランプ氏当選後、中米歴訪を果たした際にトランジット先としてアメリカ滞留をした台湾の蔡英文総統と共和党議員の接触と旋律は同じだとみなせます。
もうすでに始まっている世紀の大戦略「強いアメリカを取り戻せ作戦」。
私たち日本人もこの大きな流れの中にあります。
考えられるのは
●日本・フィリピン・インドネシア・オーストラリア・ベトナム連携での南シナ海での合同軍事演習
→その際に中国の空母等の動き
→小競り合い勃発?
●台湾の動向
→中国の台湾締め付け
→香港・モンゴルの反体制運動の動向
→中国版「アラブの春」運動?
等々。諸外国もトランプ陣営がどの程度、統率のとれた陣なのかを試したいはずです。試すためには何かが起こる、とみなせます。
私たち生活者、個人投資家はこうした国際情勢の中で自分たちの生活、仕事、家族との暮らしを守っていかなくてはなりません。しっかり大波小波を上手に微笑みを忘れずに乗り越えていきたいものです。
講演やコラムではこのテーマにちなんだ研究成果をお話ししていく予定です。
今年もヤフーファイナンス投稿記事をお楽しみくださいね。よろしくお願いいたします。