今週は、米長期金利上昇下での住宅関連指標とGDPに注目

著者:平野朋之
投稿:2016/12/19 11:15

■上昇に対する伸びしろは、まだ残っている展開


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■先週は、今年最後のイベントFOMCの動向が注目されました。結果としては、予想通りの0.25%の追加利上げ、そして来年における利上げペースに関しては3回への変更がなされ、為替市場はドル円が急上昇し、株式市場は若干押される展開となりました。
しかし、週末は欧米株式市場の底堅さや経済指標を手掛かりにプラス圏での取引となっています。


■さて、今週は海外ではクリスマス休暇、日本では祝日もあり、参加者不在のため方向感が出にくいと思われます。
そんな中でも、株式市場はNYダウが20,000ドル、日経平均20,000円、ドル円は120円が射程圏に入っています。


■注目材料としては、19-20日の日銀の金融政策決定会合となります。為替相場にとっては唯一の材料となりそうですが、予想としては現状維持が大方の予想となっています。
米国の長期金利が新トランプ政権の影響で急上昇する中、世界的にも金利上昇に拍車がかかっています。日本サイドとしても長期金利が上昇しやすい背景にあるものの、経済や物価が今一つであるため、コントロールすることで金融緩和を助長する狙いです。


■米大統領選以降の日本の株式市場は、トランプラリーが完全にハマった印象です。特に円安を背景に輸出関連や金融関連の急上昇が目立ちます。
また、8年ぶりのOPEC減産効果も原油価格上昇で物価上昇圧力が高まりつつあり、市場としてはリスク選好に入りやすい環境になりました。今年の「負の連鎖」から完全に株式市場は取り戻しています。その意味では、上昇に対する伸びしろは、まだ残っていると思っています。


■そして、今週の見通しとしては、ドル円が120円と目指す足がかりが出来るか?ということです。

現状では年初来高値更新や9連騰もあって、利益確定売りも出やすい背景もあります。アジアタイムでは円買い優勢となったとしても、NYタイムでは、ドル買い優勢の流れは引き続き継続、トレンドは上昇示唆に変化なしとなっていますので、現時点では「押し目」は買われやすい地合いを予想しています。


チャートをみれば、日足・週間足ともに買い優勢のチャート展開となっています。
今週に関してはドル円主導というより、ユーロドル次第とみています。
特に、1.05ドルを回復して終わらなかったことでパリティ(1ユーロ=1ドル)がイメージされやすい環境となっています。その意味でも、ユーロが投げられるようであれば、ドル円の120円も射程圏に入る可能性もあるので注目したいです。


今週は、ドル買い材料の1つの要因である長期金利の動向が気になりますが、重要なポイントは住宅関連の指数で、長期金利の上昇がどこまで影響が出ているかで、目先のドルの動きに影響を与えそうです。


平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想