【12月6日予想】イタリア首相辞意表明で売り広がる。今日注目の業種は?= フェアトレード 田村祐一

著者:田村祐一
投稿:2016/12/05 19:15

一時的に売り優勢が続く可能性

*前日の値動き*
12月5日の日経平均は前日比151円9銭安となり、1日を終えました。
4日に行われたイタリア国民投票で改憲反対派が勝利し、改憲派のレンツィ首相が辞意を表明しましたが、政府主導で再建を進めてきた大手銀行の不良債権問題が停滞するうえ、反EUの潮流が欧州各国に飛び火しかねないとの懸念から、リスク回避を目的とした売りが広がったもようです。


*為替相場の動き

一方、5日大引け後の為替は15時15分時点では1ドル=113円41~42銭と、前日17時時点に比べ52銭の円高・ドル安水準で推移しています。
欧州の政治情勢の先行きを警戒した円買いが先行し、円は7時10分ごろに一時1ドル=112円87銭近辺まで上昇しましたが、その後国内輸入企業による円売り・ドル買いも出て、円は上げ幅を縮小しました。
前日比で円高に向かっているため、日本市場にとっては逆風の流れです。
従って、6日以降の日本株は上昇圧力が弱まってもおかしくない状況と言えるでしょう。



*為替を受けての相場の展望

為替が円高方向に進んでいることから、円高の進行を受けて外需株を中心に下落するおそれがあります。
日本市場全体としては、軟調な推移となる可能性があるでしょう。

ただし、利益のチャンスが無いかといわれると、そうとも言えません。
このような状況では、過去の統計上、円高時に株価上昇しやすかった銘柄に注目したいところです。

【円高メリット業種】
○石油・石炭(前週比+6.40%)
○ガラス・土石製品(同+1.21%)
○建設(同-0.58%)
○鉄鋼(同-1.21%)

※上記は、2003~2005年の円高進行時において特に上昇傾向が強かった業種です。

中でも、鉄鋼業はここ1週間で下落しており、出遅れ感があります。
そう考えると、これから人気化する兆しがあっても、おかしくないと考えます。



*結論*
これらの内容を踏まえ、12月6日のスタンスは【大幅安になる】と予測します。
中でも、直近下落している鉄鋼業は、統計的に見ても上昇傾向が強いことが分かっています。
ぜひ、注目してみてください。
田村祐一
フェアトレード(株)所属
配信元: 達人の予想