38.2%の目標値到達と安倍首相との会談等で一旦「押し待ち」の展開 トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2016/11/16 11:31

■FRBイエレン議長の議会証言にも注目


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■昨日は、好調な米経済指標や株高、そして長期金利上昇からドル買い優勢の展開となりました。そして複数の連銀総裁発言から12月利上げ観測も材料視され、5ヶ月半ぶりの高値となる109円台となりました。


■ここまで急ピッチで上昇してきたドル円は、テクニカルでみれば109円前半は、38.2%の戻り価格の水準で、達成感も出始めるのではないかとみています。

また、これまで積み上げてきた日本円のロングがほぼ解消されたのではないかとみています。

確かに、半値戻り(50.0%)というと112円ミドルという見方もありますが、新トランプ大統領になってたった1週間で10%のドル高は、どのように受け止めているのか?
少なくても、米製造業のテコ入れをしたいことからすれば、ドル高は嬉しくないはずです。

また、明日に控える安倍首相との会談やFRBイエレン議長の議会証言もあるので、一旦は調整が入りやすいとみています。


■また、ユーロドルの動きにも注目しています。

ドル高の背景は対ユーロもあるからです。新トランプ大統領誕生以降、ユーロドルも売られています。今年の安値が年初の1.0709ドルとなっているので意識されやすい水準になってきました。

来月4日にはイタリアでの国民投票があり、ブレクジットをイメージしやすい環境もあるので注意は必要です。それ次第ではユーロ圏からのリスク回避も想定したポジション構築を考える必要が出てきそうです。

来年はトランプ新政権に対する期待感の裏側でユーロ不安が台頭しやすい年ではないかとみています。
その意味でも現在のリスク選好と言われる相場も意外と短命に終わる可能性もあるのではないかとみています。

最後にドル円の押目ポイントをお伝えします。

4時間足ベースボリンジャーバンド

・+1σ…108.55円
・センター…107.65円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想