押し目のポイントとは?
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■先週末は、中国の過度な景気減速懸念は予想を上回る消費者物価指数の結果によって回避され、一時的な悲観論は後退、また週末に発表があった米小売売上高や生産者物価指数が予想以上の上昇から更にドル買いが加速しました。
しかし、その後は1年ぶりに低下したミシガン大学消費者信頼感指数速報値やイエレン議長講演で利上げ示唆がなかったことを背景に一旦、103円台に突入しましたが、押し目拾いが散見され、結局104円台で終了しました。
■まず、ここまで押し上げた背景は言うまでもなく、年内利上げ観測が浮上してきたことです。労働環境をはじめ様々な経済指標が強さを見せ始めていることは確かです。
また、原油価格の50ドル回復したことで、株式市場も割と落ち着いてきています。
今後は、市場環境が好転したことから継続、またはリスク選好に変われるかがポイントになります。ドル円においては年初から継続的に下降基調をたどっていました。そして最近になって短期的にトレンド転換したことは言うまでもなく変わりました。
■しかし、V字でトレンド転換できるほど市場は強くなったのか‥?と聞かれれば大半の人は「No」です。
米経済の強さは明白ですが、その強さと利上げスピードはイコールにならないからです。それは、世界経済がいまだ不透明だからです。英離脱問題から西側諸国における不況がにわかに見え始めていることをはじめ、中国経済の不安定さ、一方通行のドル高による新興国の資金流出問題と様々あります。
■特に、ドル高においてはドルインデックスを見れば今年3月以来の高値水準になっており、更に高値が出るようであれば、商品市況や資源国、新興国に影響が出始めると思います。
つまり、ドル独歩高は、世界経済を悪くさせる元凶になりかねないのです。
その意味でも世界最高峰のFRB指揮官は時間稼ぎせざるを得なかったのだと思います。
年8回の利上げ予定がいつの間にか年内利上げと話がすり替わりすぎているのも何かドル安誘導における茶番劇を見ているようにおもえます。
つまり、利上げを行えば世界経済や資金の流れがどのようになるのかがわかるからこそ「世界経済に配慮」という言葉で逃げるしかなかったのだと思います。
■今週は、ドル独歩高の影響がどの程度出るのか、また20日のECB定例理事会でQEプログラム縮小観測が出るのかに注目したいです。その意味では、ユーロドルやポンドドルの動きが重要です。
■最後に、本日は、ユーロ圏の消費者物価指数次第で変化するとみています。特にユーロドル1.10ドル割れで終了しているのでチャート的にもブレクジット時の安値1.0909ドルを割り込むのかに注目したいです。
ドル円のポイントとしては、押し目買いを狙ったトレード戦略で挑みたいと思います。下記は押し目ポイントです。
4時間足ベース
・ボリンジャーバンドセンター(103.83円)
・ボリンジャーバンド-1σ(103.53円)
・ボリンジャーバンド-2σ(103.21円)