「メジャーSQ通過、改めて上値を試す」

著者:黒岩泰
投稿:2016/09/10 08:55

「北朝鮮の放射能情報は要チェック」

 金曜日の日経平均は6.99円高の16965.76円で取引を終了した。SQ算出後は多少上下に振れる場面もあったが、概ね前日終値近辺での値動き。株価の方向性は乏しく、投資家の様子見ムードは強い。

 注目のSQ値は17011.77円で決定した。SQ算出直後はこのSQ値が抵抗線となり、上値の重い展開。一時的にそれを上回る場面もあったが、買い一巡後は早々に上値を抑えられた。それでも日銀が7日以来のETF買いを入れ、それが心理的なサポート要因に。再びインデックス型を733億円購入しており、結果的に買い安心感につながった。

 日経平均の日足チャートでは、かろうじて強気形状をキープ。前回の窓下限(16946.49円)を終値ベースで上回っており、一連の上昇相場が継続していることを示唆している。週明けにも直近高値を更新する流れが期待でき、投資家は積極的に個別銘柄を物色する局面であると思われる。最近はバイオ、IoT、AR・VR、炭素繊維、リチウムイオン電池などを材料に急伸する銘柄が続出しており、幅広いテーマでの物色が続いている。投資家はテーマを選り好みすることなく、素直に強い銘柄につくようにしたい。足元の値動きは鈍くても、いきなり「イナゴ投資家」たちによって、株価がブチ上がるケースも期待できるからだ。どうしても今、上昇している銘柄に目が向かいがちだが、基本的には健全な循環物色の流れ。ちょっと前に急騰した銘柄の押し目を丹念に拾っておきたいところだ。個人的には来週は、7000番台のジャスダック銘柄に火柱が立つと勝手に思っている。

 なお、ちょっと気になるのが、北朝鮮の核実験。比較的浅い場所で爆発したとの観測があり、放射能漏れの懸念がある。偏西風に乗って一両日中にも日本に飛来する可能性があり、関連情報には注意をしておきたい。
黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想