■買われやすくなる水準は?&原油相場をみるとより大きな局面もみえる?

著者:平野朋之
投稿:2016/09/09 11:47

レンジ相場で、戻り待ちの売り、押し目での買い


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■昨日は、注目されていたECB定例理事会で緩和政策の据え置きが決定したことによる失望感でドルが買い戻され、その影響でドル円も102円ミドルを超えました。

ただ、新規失業保険申請件数は市場予想よりも少なかったのですが、材料視はされませんでした。

■本日は、少し視点を変えて相場を点検したいと思います。
昨日、NY原油価格が5%弱の大幅高となりました。週間原油在庫が大幅に減少したことで1バレル47.62ドルと8月26日以来の水準に到達しました。

50ドルの大台が視野に入った原油ですが、ファンドの残玉状況(オプション含める)をみると、今年の5月をピークになだらかに建玉を減少していたのですが、8月だけの1ヶ月間で14万枚強の買い越しとなっています。


■今のファンドの考えは、このまま原油価格が上昇し続けるとみているのか‥?

8月を振り返ると、複数のFRB高官やジャクソンホールでのイエレン議長講演を背景に、追加緩和策に対して言及し始めたことは確かです。
それを裏付けるように米経済指標は強さを見せ始めています。特に労働市場においては完全に回復し、あとは物価上昇の回復と安定を待つばかりといったところです。

少なくとも、この原油価格が上昇することで、物価上昇圧力はかかり、FRBが懸念する脆弱さは解消され、その意味では利上げしやすくなるとなるのは通常のセオリーです。


■そう考えると、利上げ時期は年内にあると想像し、ファンドポジションはロングを採るのはわかる気がします。

しかし、今の世界情勢を見渡す限り、50ドルを超えて大幅に上昇し続けるとは少々ナンセンスのような気がします。

むしろ、ファンドの考えは、年末に向けて「高くなる原油の売る場所」や「先安見通しの続くドルの底値を拾う」準備をしているのではないかとみています。

この様な面からも、為替市場だけでなく、他の市場をも確認をすることで、相場観を養うこともできます。

つまり、利上げを実施する可能性はあるものの、その後継続をしてドル高が続くという流れにはならない可能性もあるという認識が必要です。



■本日は、特に注目する材料も無く動きは緩慢になるとみているので、利幅を小さめにしたカウンタートレードで回転を効かせたトレードを考えています。

※※平均足(改良)での目標レンジは・・・、

・102.75レベルは、→ 上値が重くなる水準

・102.14、101.72レベルは、→ 買いも入りやすい水準
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想