「ポケモン狂想曲」も水曜まで?

著者:小野山功
投稿:2016/07/22 19:34

~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~

★【企業決算が本格化】来週は米FOMCと日銀の金融政策決定会合も

今週も、「ポケモン」一極集中の相場展開が続きました。

22日に国内でも「ポケモンGO」の配信が開始されたことで、朝方安く始まった(7974)任天堂が切り返したほか、提携する(2702)日本マクドナルドホールディングスの株価が一時9%高と急伸しました。

マクド株は前日におよそ15年ぶりの高値を付けており、高値更新とまではなりませんでしたが、売買代金は500億円超とトヨタを抜いて全市場2位と大活況でした。(首位はもちろん任天堂です。)

先週から賑わっている「ポケモン」関連の(7022)サノヤスホールディングスは、22日に前日比100円(14.5%)高の787円まで買われ、この2週間で株価はなんと4.8倍にも跳ね上がっています。

■国内でも配信開始となった22日は?

10時過ぎに配信が開始されたことが伝わると、本丸・任天堂の株価は一時3万円に迫る場面があったものの、後場は利益確定売りに押され、終値は1%未満の上昇にとどまっています。

世界的に爆発的なヒットを見せているとはいえ、ゲーム配信からすでに同社の時価総額はおよそ2兆円も増加しています。

「ポケモンGO」は任天堂の単独開発ではなく、米ゲームベンチャーNianticとポケモンの3社による共同開発です。

収益がすべて任天堂の手元に入るわけではないため、ゲーム一つで2兆円はやり過ぎでは?と過熱感を指摘する向きもあります。

ポケモン狂想曲は来週も続くのでしょうか?任天堂で利食った資金が次の銘柄に向かう。循環物色によるボトムアップがみられるようになれば、いいのですが…。

■今週決算の反応は良好

さて、今週発表された決算に対して、市場の反応は良好なものとなりました。4~6月期の最終利益が41%減少したと20日に発表した(6506)安川電機は、翌日の株価が3%超上昇しました。

また、21日の日本経済新聞で、「4~6月期の営業利益がおよそ4割減ったようだ」と報じられた(6479)ミネベアが一時15%高と急反発しています。

今年4~6月のに円は1ドル108円程度で推移しており、前年から12円ほど円高に振れているため、輸出企業の業績悪化はすでに織り込まれていた面があります。

■来週は決算と日銀会合に警戒を

来週は、(6954)ファナック(7201)日産自動車(7974)任天堂など主要企業の決算発表が続々と始まります。27日(水)に任天堂の決算発表が予定されていることから、ポケモン熱が一旦冷める可能性があります。

決算発表のほかにも、26~27日には米FOMC、28~29日は日銀の金融政策決定会合と日米の金融政策会合が控えています。

日銀会合は今年5回目となりますが、「マイナス金利」の導入を決めた1月会合を除き、直近4回は開催後に株価が急落しています。

今回も一部では追加緩和を予想する向きがあり、会合後の失望売りには警戒しておく必要があります。

小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想