■目先は自律反発も、利上げ材料では買いにくい展開

著者:平野朋之
投稿:2016/06/07 11:39

■FRBは、安定的且つ持続的な金利上昇を望んでいるのか?

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■昨日は、注目されていたFRBイエレン議長のスピーチは時間をかけて緩やかに上昇する必要性については言及したものの、その時期については何も発言がありませんでした・・・。

しかし、ハト派寄りでなかったことからドルの底値は下支えられ、また欧州株式市場が堅調だったことも材料視され、107円ミドルまで買い戻されています。

■昨夜の講演は、当たり障りないスピーチの印象に思えました。
このイメージからすると6月追加利上げは完全になくなり、米利上げ材料から、来週の日本の金融政策、23日の英国民投票に目線は移っていくことからポジションは傾けづらくなっている感じにみえます。

■その点を考慮すると、株式や原油を横目にしながら戻りどころを模索する展開をイメージしています。
その戻りどころのポイントとしては、週末下げた分の50%戻り(107.74円)ないし61.8%(108.07円)を想定しています。

また、昨日の5月の米労働市場情勢指数は予想を大幅に下回ったことは、先週末発表の雇用統計を裏付ける内容となっていることも少々気がかりです。

というのもこの指数自体、今年に入ってから下り坂になっていることからも、平均時給と併せてインフレ率2%を安定させるには時間がかかるとみています。

■NYダウの視点からみれば、最近の上値18,000ドルを大幅に上回り且つ安定的に推移することで、景気や時給、そしてインフレ率上昇につながるとみています。
そのためには、今すぐに利上げの必要性もなく、安定的且つ持続的な上昇にはやはり、ドル安は必要不可欠なのです。

そういったことを全て考慮すると、なるべく利上げする時間軸を伸ばすことが必要だとみています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想