天底をつけやすい6月相場

著者:比嘉洋
投稿:2016/06/01 18:54

今回も債券市場のアノマリーが機能するのか注目

本日より6月相場が始まりました。一般的に6月は米債券市場で天底をつけやすいと言われています。今月に関しては、中旬に各国の金融政策会合(日本時間16日にFOMC、日銀政策決定会合、BOE政策会合)が予定されており、今回も債券市場のアノマリーが機能するのか注目されます。

さて、その中旬のイベント前の動きについて考えてみたいと思います。本日、衆議院の会期末、安倍首相が消費増税2年半延期、さらには、財政出動に関する発表を行うのでは?との期待感もあり、このところの日経平均株価、ドル/円はこじっかりの様相。ただこのネタについて市場はそろそろ食傷気味であり、発表後には材料出尽くしとなりそう。一時的には利食いの売りが持ち込まれることが予想されますが、その先16日の日銀政策会合での追加緩和期待が意識され、その動きも限定的か。

OPEC総会の行方は?

<資料>原油価格の推移
そして、明日2日のOPEC総会。原油価格は50ドルを付けるなど、このところ上昇基調を辿っています。ただ明日の総会で生産方針が見直される公算は小さく、増産凍結合意には至らないとの見方が市場コンセンサスとなっており、仮にそうなった場合には、原油価格下落→リスクオフの動きに繋がるものの、翌日に米雇用統計の発表を控えていることもあり、こちらの値動きも一時的なものにとどまるのでは?と考えています。

米雇用統計の値動きも一時的?!

オオトリを迎える3日の米雇用統計。残念ながらこちらの数字については出てみるまで分からないというのが本音(ブレが大きい)。強い結果となれば、利上げ観測浮上に伴うドル買いが持ち込まれると思いますが、市場の利上げ確率は7月が本命となっている(6/23の英EU離脱の是非を問う国民投票の結果を見極めたい。昨日も世論調査で離脱が優勢との結果)こと、さらには、来週6日にイエレン議長による講演(その後はFOMCまでブラックアウト期間に突入するため、今回の講演内容で市場は利上げ時期を探ろうとする)が控えていることもあり、やはり、この講演を確認するまで新たなポジション構築に動き出しにくい、つまり、雇用統計の動きもあくまで一時的なものにとどまるのではないかと見ています。

以上をまとめてみますと、個々の材料で瞬間的な値動きは出るものの、新たなトレンドを形成することには至らず、冒頭でお伝えした中旬のイベントまでは値幅を伴ったレンジ相場の展開となりそうというのが私のシナリオです。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想