■サミットは市場にプラスで終わった
サミットでは、大した成果がなかったかのように、報道はおとなしい。たいして紛糾することもなく、サプライズな成果もなかった。
特に経済政策面では、目新しい成果は無く、どちらかといえば、オバマ大統領の広島訪問に注目が行ったイベントとなったように感じられる。
しかし、日本政府の経済政策は、以下の点でサミットを無事に終了したと言えるだろう。
「円安政策への批判をかわす」
「消費税増税回避の理論的背景の構築」
「中国経済圏の膨張牽制」
この3点について、政府は比較的うまく立ち回った。
サミットでは、
為替について、「切り下げ競争をやめよう」という合意はなされたが、日本が特に批判される事態は避けられた。
その代わりに、日本が誘導し、各国の財政政策の積極化による協調、という約束をとりつけることはできなかった。
このプラスとマイナスを差し引けば、プラスの方がはるかに大きかった、と総括することができる。
為替の円安政策が封印されることは、すなわち、日銀の緩和政策を封印されることに等しい。現在、唯一の有効な政策と言われる黒田政策にストップをかけることになれば、円は切り上がり、株式市場は大きく下がるだろう。
一方で、日本が各国の財政政策で協調のリード役をしよう、という狙いは、空振りに終わった。
日本が、各国に財政政策の積極化を求めた背景は、ふたつあった。
一つは、西側諸国が財政出動することで中国による投資の影響力を削ぐこと。
もう一つは、消費税増税の見送りを後押しするためだ。もちろんその背景には、参院選挙がある。
各国は、それぞれの事情で、財政出動を約束するようなことはなかったが、金融・財政のバランスをとった政策の重要性には同意している。
いまの政権にとっては、それで十分だったということもできる。
中国に対して間接的に強気な姿勢を見せ、財政政策の重要性を各国にも同意させることで、消費税増税を回避する後押しにすることもできるだろう。
これによって、景気の腰折れと、参院選の敗北、という二つの心配事に対して、手をうったことになる。
とりあえず、急激な円高、株式市場の急落、という事態は避けられた。
■注目される銘柄に売買が集中
こういった状況から、選挙までの間には、政治家同士の足の引っ張り合いが無ければ、強気の観測を維持することができる。
2部、新興市場の銘柄が引き続きテーマで物色されるだろうが、1部銘柄でも、話題で注目される銘柄が、もし下に振れれば、大チャンスが訪れる。
特に6月後半の株主総会に向けては、色々な話が出やすい。
一つは、セブンアンドアイホールディングス(3382)。
4月以来の御家騒動で、鈴木会長が退き、今後の経営に不安を漏らす声もある。月刊誌でも、この騒ぎを大きく特集するところが多い。
しかし、下値の買い注文は厚い。
下落した場面は、買いだろう。
もう一つには、セコム(9735)が挙げられる。
パナマ文書関連銘柄でもあるが、その対応を巡って?社長と会長の辞任が伝えられている。
こういった銘柄は、株主総会が近づくにつれ、何かといじられやすい。
会社側もそれがわかっているだけに、新体制による事業計画の作成とIR活動に余念がないことだろう。
1年ほど経つと、新経営陣の評価が分かれ、徐々に出来高が減っていくだろうが、今の時点では、期待感が強く出る可能性がある。
特に経済政策面では、目新しい成果は無く、どちらかといえば、オバマ大統領の広島訪問に注目が行ったイベントとなったように感じられる。
しかし、日本政府の経済政策は、以下の点でサミットを無事に終了したと言えるだろう。
「円安政策への批判をかわす」
「消費税増税回避の理論的背景の構築」
「中国経済圏の膨張牽制」
この3点について、政府は比較的うまく立ち回った。
サミットでは、
為替について、「切り下げ競争をやめよう」という合意はなされたが、日本が特に批判される事態は避けられた。
その代わりに、日本が誘導し、各国の財政政策の積極化による協調、という約束をとりつけることはできなかった。
このプラスとマイナスを差し引けば、プラスの方がはるかに大きかった、と総括することができる。
為替の円安政策が封印されることは、すなわち、日銀の緩和政策を封印されることに等しい。現在、唯一の有効な政策と言われる黒田政策にストップをかけることになれば、円は切り上がり、株式市場は大きく下がるだろう。
一方で、日本が各国の財政政策で協調のリード役をしよう、という狙いは、空振りに終わった。
日本が、各国に財政政策の積極化を求めた背景は、ふたつあった。
一つは、西側諸国が財政出動することで中国による投資の影響力を削ぐこと。
もう一つは、消費税増税の見送りを後押しするためだ。もちろんその背景には、参院選挙がある。
各国は、それぞれの事情で、財政出動を約束するようなことはなかったが、金融・財政のバランスをとった政策の重要性には同意している。
いまの政権にとっては、それで十分だったということもできる。
中国に対して間接的に強気な姿勢を見せ、財政政策の重要性を各国にも同意させることで、消費税増税を回避する後押しにすることもできるだろう。
これによって、景気の腰折れと、参院選の敗北、という二つの心配事に対して、手をうったことになる。
とりあえず、急激な円高、株式市場の急落、という事態は避けられた。
■注目される銘柄に売買が集中
こういった状況から、選挙までの間には、政治家同士の足の引っ張り合いが無ければ、強気の観測を維持することができる。
2部、新興市場の銘柄が引き続きテーマで物色されるだろうが、1部銘柄でも、話題で注目される銘柄が、もし下に振れれば、大チャンスが訪れる。
特に6月後半の株主総会に向けては、色々な話が出やすい。
一つは、セブンアンドアイホールディングス(3382)。
4月以来の御家騒動で、鈴木会長が退き、今後の経営に不安を漏らす声もある。月刊誌でも、この騒ぎを大きく特集するところが多い。
しかし、下値の買い注文は厚い。
下落した場面は、買いだろう。
もう一つには、セコム(9735)が挙げられる。
パナマ文書関連銘柄でもあるが、その対応を巡って?社長と会長の辞任が伝えられている。
こういった銘柄は、株主総会が近づくにつれ、何かといじられやすい。
会社側もそれがわかっているだけに、新体制による事業計画の作成とIR活動に余念がないことだろう。
1年ほど経つと、新経営陣の評価が分かれ、徐々に出来高が減っていくだろうが、今の時点では、期待感が強く出る可能性がある。