手控えで方向感見いだせず、外部要因に左右される展開
明日の東京株式市場見通し
24日の東京株式市場は、引き続き手掛かり材料不足の地合いが想定されることから、売り買いともに極端に手控え姿勢が強まり、
日経平均株価はもみあい商状となりそうだ。外国為替市場での円相場が、1ドル=109円台後半や同110円台で推移していれば、相場が大崩れする懸念は限定的だ。半面、政策が具体化するまでは買い進むことも難しいのが現状といえる。
市場関係者からは「伊勢志摩サミット開催までは、日本国内から全体相場に影響を与えるような材料が出ることは想定しにくい。海外市場での円相場の変動や原油価格の推移といった外部要因に左右されることになりそうだ」との見方が出ていた。
23日の東京株式市場は物色意欲に欠けるなか、
日経平均株価は下値を模索する展開となった。ただ、売り圧力も限定的であり、一時、前週末比300円を超える下落幅となる場面があったものの、前場後半から下げ渋り、終値は前週末比81円75銭安の1万6654円60銭と反落した。東証1部の売買代金は、1兆7092億円と今年最低を更新した。
23日の動意株
日本メディカルネットコミュニケーションズ
<3645>=後場に入り急伸。
前引け後に16年5月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の13億1000万円から14億8000万円(前期比17.6%増)へ、営業利益を5000万円から1億6500万円(同63.4%増)へ、最終利益を1300万円から9300万円(同2.0倍)へ上方修正したことが好感されている。ポータルサイト運営事業、SEM事業で新たなサービスの販売が堅調に推移しているほか、保証事業、医療BtoB事業、販売代理事業では既存のサービスの販売が堅調に推移していることが要因。
日本ラッド<4736>=後場一段高。
前引け後に、16年3月期末から3期ぶりに配当を復活させると発表しており、これを好材料視した買いが入っている。16年3月期末の株主に対して1株当たり5円の配当を復活させ、今後これを安定配当として継続するという。さらに、最終利益の状況に応じて配当額の増加に努めるとしており、増配にも含みを持たせている。
アクロディア
<3823>=後場にストップ高。
同社は20日にインターホン向けIoTシステムを戸建て住宅向けに販売を開始したと発表し、この日の朝方から物色人気を集めていた。加えて、きょう不動産会社向け帯替え自動化ソフトウエア「らくオビ」が、
イオンモール<8905>の不動産仲介事業「イオンハウジング」の6店舗に採用されたと発表。新たな買い手掛かりとなっているようだ。 なお、不動産会社では元付け業者から送られてきた図面の帯情報(図面下に記載されている不動産会社名や連絡先など)を、紹介した不動産会社の帯に変更するのが慣例となっている。
トレイダーズホールディングス<8704>=ストップ高。
同社は、前週末20日の取引終了後、資本業務提携先のLiquid(東京都千代田区)と共同開発を行った生体認証を利用した金融機関向けのインターネットログイン管理サービスについて、Liquidが20日に販売を開始し、また、トレイダーズ証券でも同サービスをもとにカスタマイズした指紋認証によるログインツールの実証実験を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。
アクロディア
<3823>=急騰。
同社はコンテンツ配信やモバイルアプリの開発を手掛けるが、前週末20日に今期の戦略商品として注目された集合住宅用「インターホン向けIoTシステム」を戸建て住宅向けに販売開始したことを発表、これが買い人気を誘っている。個別玄関対応で民泊ビジネスでの鍵の管理にも活用できることから幅広く需要の取り込みが期待される。
平田機工<6258>=大幅高で3連騰。
同社は自動車業界向けにエンジンやトランスミッションのほか、車載電子部品用自動組立ラインなどの生産エンジニアリングを手掛けるが、業績は絶好調に推移している。特定有機ELディスプレー製造装置メーカー向けに真空チャンバーの受託製造を展開していることで有機EL関連としても注目されており、「前期第4四半期(1~3月期)から本格的な受注拡大局面に入っている」(国内中堅証券)と指摘される。
配信元: