こういう時こそ、しっかりとチャートと向き合うことが大事

著者:比嘉洋
投稿:2016/05/11 18:44

チャートと向き合う

ボリンジャーバンドと標準偏差ボラティリティ
GW期間中は日銀のゼロ回答による影響、豪RBAのまさかの利下げ、さらにはトルコの政局不安と各イベントで相場に動きが出たものの、GW明けからは日経平均株価の上昇、要人発言で株高・円売りの流れに一変、ドル/円は気がつけば109円台を回復しています。

ただ、今回の動きをマーケット関係者と話していても、返ってくる答えは「良くわからない」が圧倒的に多くなっています。

株高によるリスクオンなのでしょうか?では、なぜその株高が進んでいるのでしょう。麻生財務相による介入示唆発言に伴いそれまでのポジションの巻き戻し→円安ゆえの株高ということなのでしょうか?日本の介入を牽制したとされるルー財務長官はその後音なしの構え。日米両国で何らかの取り決めがなされたということなのでしょうか。

今一つ、しっくりくる説明が見当たらないというのが本音です。

だからと言って手をこまねいているわけにもいきません。こういう時は、チャートとしっかり向き合うことが大事だと思います。

ドル/円の26日標準偏差ボラティリティの形状を見ると、それまでの売りトレンドが終わりレンジ相場への形状へと切り替わっていますし、週足でも売りトレンドが終息しつつあります(週足に関して言うと、今週末の終値で21週ボリンジャーバンドの-シグマである109.30円を抜けるのか否かの確認が必要)。

仮に今回のドル/円上昇が介入警戒感に伴う円ロングポジションの解消フローが主要因であるとするならば、ポジションがこなれてくればドル円相場上昇の勢いは減じてくるものと思われ、105~110円のレンジで落ち着くことになるのでは?というのが個人的な見立てです。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想