■月間足も下値を模索:今後重要な5つのポイントとは?

著者:平野朋之
投稿:2016/05/02 09:45

■月間足:5ヶ月線と25ヶ月線がデットクロスに



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■先週、最後の砦であった日銀の追加緩和が期待はずれとなり、
市場心理は株式市場をはじめ総崩れになっています。

今週も引き続きこの展開を引き継ぐと思われます。

以下、今週を含め中長期的なポイントを記載したいと思います。



1.ドルインデックスはレンジ底抜けでドル売り優勢に。

先週のドル円の影響で引値ベースでは、2015年1月以来の水準に
落ち込み、これまでレンジと見られてきた94~100もあっさりと
下抜け、テクニカル的にもドル売り圧力が強まりやすいとみています。

つまり、これまで対ドルに対しての相場はすべて、中期的にみて
逆転する可能性があるとみています。「
ドル円は買い⇒売り」「ユーロドルは売り⇒買い」

2.原油価格は月間足ベースで移動平均25ヶ月線(60ドル)を
目指す?

原油価格に関しては、1バレル50ドルを目指して、ここ最近堅調な
動きをしています。特に、今年は、原油安=株安のパターン売りから
ドル円もリスク回避の円買いが優勢ではじまったこともあり、
このパターンも最近は薄れつつあります。

また、日米欧の主要7カ国(G7)エネルギー相会合が1日、
北九州市で開幕しました。この目的は原油価格安定へ開発投資を
促進させる狙いがあるようです。その意味でもエネルギー市場は
上昇トレンドが加速する可能性もあるとみています。

また、ドルインデックスから見た場合でもドル売りが加速する
可能性も否めないのでその意味でもドル売りコモディティ買いに
繋がるとみています。


3.日本円の買い越し残高はすべて投げ売られる可能性大?

シカゴ日本円に関しては、先々週と比較して9,144枚減少し、
買い越し残高が67,685枚となっています。しかし、この買い越し
残高を見れば、日銀の金融債策や監視リストといった状況を考慮
すれば、この買い越し残高分を投売ってくる可能性も否めません。
その意味では円買い圧力も更に強まる可能性はあるとみています。
また、翌週の買い越し残高に注目したいです。


4.今後の日銀からの為替介入はほぼゼロでファンドのターゲットは
円買いに絞られる・・・

米財務省が、主要貿易相手国の為替政策を分析した半期為替報告を
公表しました。為替政策の「監視リスト」に日本を始めて指定し、
これまで続く円高局面に関して「秩序がある」として完全に
けん制体制に入っています。
この影響で日銀の為替介入に関しては実質なくなった
可能性がでてきています。

先日のG20での財務相会合でもけん制し、再度このような
「監視リスト」を作成するあたりをみると、日本を目の堅きにして
いるように感じられます。

今後の為替相場の中で介入がないことからも購買力平価をひとつの
目安に円高ドル安に傾くと見ています。
現在の購買力平価は「1ドル=100円」となっているのでターゲット
になりやすいとみています。


5.月間足ベースの移動平均線はデットクロスになり、売り優勢に。

中期的にみれば、1ドル=100円はほぼ視野に入り、むしろ100円割れ
現実的といえそうです。

というのも、月間足ベースで、「2月の大陰線⇒ 十字線⇒再度大陰線」と
なっています。

3月の十字線は気迷い線で次の足、つまり4月のロウソク足に注目が
集まっていたのです。そのロウソク足が大陰線で引けたことは、
中期的にみて売り圧力が更に強まることを示唆しています。

更に、移動平均線で5ヶ月線と25ヶ月線がデットクロスになり、
中期的に売りやすくなったとみています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想