「後場切り返す、日銀緩和への期待高まる」

著者:黒岩泰
投稿:2016/04/22 23:23

「余計なことを考えずに、無心で買い」

 本日の日経平均は208.87円高の17572.49円で取引を終了した。朝方は軟調なスタートとなったものの、売り一巡後は徐々に押し目買いが優勢。後場中ごろからは一気に切り返す動きとなった。一部報道で「日銀から金融機関への貸し出しに対してもマイナス金利の導入を検討」と伝えられ、銀行収益の改善への期待が高まり、金融株を中心に急伸。為替市場でも円安が進行し、1ドル=110円台まで下落。輸出関連株にも積極的な買いが入った。日経平均は結局、高値引け。先高観の強いチャート形状となっている。

 日経平均の日足チャートでは、大陽線が出現。下方の窓(17099.36円-17144.53円)埋めを拒否しており、非常に強いチャート形状となっている。そして大引けでは目標としていた上方の窓(17515.68円-17684.66円)に一部到達。ここで達成感が出るかが焦点となる。

 日経平均は上方の窓に到達した。「窓理論」では法則2の売りサインが出ており、今度は下方の窓(17099.36円-17144.53円)を目指す順番となる。短期的には570円程度の下落余地があり、買い方は注意をしなければならない。

 ただ、窓上限(17684.66円)まで110円程度の値幅を残していることで、多少の上昇余地はある。同時に「軸が上向き」の場合は、この窓をスルー(通過)することも十分にありうる。このまま素直に反落するのか、それとも突き抜けて上伸するのかは「軸の傾き次第」ということであり、その値動きに注目することになる。

 ちなみに「軸上向き」のときに一番弱いのは、このまま下方の窓(17099.36円-17144.53円)を埋めてしまうパターンである。次に弱いのは、窓上限(17684.66円)に到達したあとに失速するパターン。もっとも強いのは窓上限(17684.66円)を無視して、どんどん上昇するパターンである。ある意味、この窓との攻防が「窓・壁・軸理論」における「リトマス試験紙」みたいなものになっており、その値動きによって理論株価(目指すべき株価)の水準を推定することになる。どれくらいの上値余地があるかを推測できるということだ。

 しかし、投資スタンスには原則、「買い」と「売り」の2つしかない。投資金額、株数(枚数)によるサジ加減は出来るものの、基本的には「買い」「売り」の2つのポジションしか選べないのだ。なので、今は「強気形状」であることから、必然的に「買い」を選択することになる。「どれくらい上昇するのか」、それとも「下落してしまうのか」ということは、あくまでも結果であり、後からついてくるもの。あまり余計なことを考えずに、「買いポジション」を維持することにしたい。邪念がないことで、相場の神様は利益をもたらしてくれる。
黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想