「ダメ投資家には緊張感が足りない」
本日の日経平均は211.57円安の16724.81円で取引を終了した。円高を受けてやや軟調スタートとなったあとは、さらに下値を試す動き。一時1ドル=110円台まで上昇した円高が嫌気されたほか、三連休前ということでポジション整理に動きが強まった。ただ、売り一巡後は押し目を拾う動きも。日銀のETF買いや財政出動などへの期待もあり、株価は下げ渋った。
日経平均の日足チャートでは、下影陰線が出現。押し目買い意欲の強さを示唆しているものの、これで4日連続の陰線出現。執拗な売りが出ている。すでに17300円付近にファンダメンタルズの壁が確認されていることで、「軸下向き」が鮮明。目先は下方の窓(16099.42円-16388.92円)に吸い込まれる可能性が高い。あと620円ほどの下落余地があるということだ。
日経平均が弱気チャートになったとき、積極的に個別銘柄を物色するのはナンセンスだ。確かに全体相場が弱いからこそ、値が飛びやすい銘柄というのは存在する。短期資金が集中しやすくなるからだ。
だが、ほとんど銘柄は全体相場に流され、株価は下落しやすくなってしまう。つまり、せっかくの銘柄選択も上昇相場のそれとは違い、的中率が格段に下がるのだ。だから、弱気局面においては、わたしは売り銘柄を選択するようにしている。それの方が流れに乗りやすいのである。
私が証券会社の時代から、個人投資家はよく失敗してきた。彼らはすごく頑張ってしまうのだ。
たとえば、Aという銘柄があったとしよう。この株を1000円で1000株買ったとする。思惑と反して株価は下落し、900円でさらに1000株ナンピン買い。これで平均コストは950円に下がった。しかし、株価はさらに800円に下落し、ここでもう1000株、追加で買い足し。これで平均コストは900円となった。持ち株は3000株に増えている。そして株価はさらに下落して700円となった。当初の予算が300万円なので、事実上これで打ち止め。そうやって、塩漬け株が増えていったのである。なぜ、株価が下落したときに、さっさと損切りしなかったのだろうか。
売り方も同じだ。1000円で1000株、売ったものの、その後、株価は1200円に急騰。そこでもう1000株売り乗せしたものの、1500円まで上昇したときには、我慢できずにそこで全株買い戻してしまった。総額80万円の損失である。もちろん、その後、株価は一転して急落。500円まで下がった。結局、一番高いところで買い戻してしまったのだ。――このような失敗を個人投資家は頻繁に繰り返している。だから損をするのである。
ここで欠如しているのは、何を隠そう”戦略“である。なぜこの銘柄を買うのか、なぜこの銘柄を損切りするのか、という明確なルールがないのである。「行き当たりばったり」で勝負しているのだ。これでは儲かるわけがない。相場に振り回されるだけである。
日経平均のチャートが弱気に転じている以上、投資家は原則として売りポジションを持たなければならない。なぜならば、この相場がどこまで下がるか分からないからだ。「どうせ下がっても16000円くらいだろう」とナメてかかっていると、トンでもない目に遭う。もしかしたら、直近の下落は「大暴落の前兆」かもしれず、投資家生命を賭けた戦いになるかもしれないのだ。ここで突然、大地震が起こったり、大規模テロが発生するかもしれない。そういったリスクを考えた上で、現在のポジションを保有しなければならないのだ。前出のダメ投資家はそういった緊張感が足りなかったのだ。
「この銘柄は相性が悪いから買いたくない」とか、「業績や材料を見極めてから判断する」といったゆる~い感じの投資家は、スピード重視の現代にはあまり向いていない。「材料はちょっと分からないけど、チャートが買いになったから素直に買ってみよう」とか、「あらかじめ決められた損切りラインに達したので、すぐに売ろう」などと、ルールを遵守し、即決できる人が向いている。「含み損を実現損にしたくないから、もうちょっと待っていよう」などという甘さは禁物ということになる。
全体相場は再び「陰の局面」を迎えている。直近上昇した材料株も値を崩しやくなっており、ここから先はポジション管理により神経質にならなければならない。安易な買いはきわめて危険ということになる。
日経平均の日足チャートでは、下影陰線が出現。押し目買い意欲の強さを示唆しているものの、これで4日連続の陰線出現。執拗な売りが出ている。すでに17300円付近にファンダメンタルズの壁が確認されていることで、「軸下向き」が鮮明。目先は下方の窓(16099.42円-16388.92円)に吸い込まれる可能性が高い。あと620円ほどの下落余地があるということだ。
日経平均が弱気チャートになったとき、積極的に個別銘柄を物色するのはナンセンスだ。確かに全体相場が弱いからこそ、値が飛びやすい銘柄というのは存在する。短期資金が集中しやすくなるからだ。
だが、ほとんど銘柄は全体相場に流され、株価は下落しやすくなってしまう。つまり、せっかくの銘柄選択も上昇相場のそれとは違い、的中率が格段に下がるのだ。だから、弱気局面においては、わたしは売り銘柄を選択するようにしている。それの方が流れに乗りやすいのである。
私が証券会社の時代から、個人投資家はよく失敗してきた。彼らはすごく頑張ってしまうのだ。
たとえば、Aという銘柄があったとしよう。この株を1000円で1000株買ったとする。思惑と反して株価は下落し、900円でさらに1000株ナンピン買い。これで平均コストは950円に下がった。しかし、株価はさらに800円に下落し、ここでもう1000株、追加で買い足し。これで平均コストは900円となった。持ち株は3000株に増えている。そして株価はさらに下落して700円となった。当初の予算が300万円なので、事実上これで打ち止め。そうやって、塩漬け株が増えていったのである。なぜ、株価が下落したときに、さっさと損切りしなかったのだろうか。
売り方も同じだ。1000円で1000株、売ったものの、その後、株価は1200円に急騰。そこでもう1000株売り乗せしたものの、1500円まで上昇したときには、我慢できずにそこで全株買い戻してしまった。総額80万円の損失である。もちろん、その後、株価は一転して急落。500円まで下がった。結局、一番高いところで買い戻してしまったのだ。――このような失敗を個人投資家は頻繁に繰り返している。だから損をするのである。
ここで欠如しているのは、何を隠そう”戦略“である。なぜこの銘柄を買うのか、なぜこの銘柄を損切りするのか、という明確なルールがないのである。「行き当たりばったり」で勝負しているのだ。これでは儲かるわけがない。相場に振り回されるだけである。
日経平均のチャートが弱気に転じている以上、投資家は原則として売りポジションを持たなければならない。なぜならば、この相場がどこまで下がるか分からないからだ。「どうせ下がっても16000円くらいだろう」とナメてかかっていると、トンでもない目に遭う。もしかしたら、直近の下落は「大暴落の前兆」かもしれず、投資家生命を賭けた戦いになるかもしれないのだ。ここで突然、大地震が起こったり、大規模テロが発生するかもしれない。そういったリスクを考えた上で、現在のポジションを保有しなければならないのだ。前出のダメ投資家はそういった緊張感が足りなかったのだ。
「この銘柄は相性が悪いから買いたくない」とか、「業績や材料を見極めてから判断する」といったゆる~い感じの投資家は、スピード重視の現代にはあまり向いていない。「材料はちょっと分からないけど、チャートが買いになったから素直に買ってみよう」とか、「あらかじめ決められた損切りラインに達したので、すぐに売ろう」などと、ルールを遵守し、即決できる人が向いている。「含み損を実現損にしたくないから、もうちょっと待っていよう」などという甘さは禁物ということになる。
全体相場は再び「陰の局面」を迎えている。直近上昇した材料株も値を崩しやくなっており、ここから先はポジション管理により神経質にならなければならない。安易な買いはきわめて危険ということになる。