■産油国や新興国の安定化から、負の連鎖は消えつつある可能性

著者:平野朋之
投稿:2016/03/14 11:34

■大規模な追加策は出しにくい状況

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■ECBの追加緩和の影響で、欧米株式市場や原油市場を
強気にさせる材料になりました。

今年に入ってからの負の連鎖とは対照的な動きは、底入れ
を感じさせる動きにもみえるところですが、
今週の日銀とFRBの金融政策の動向を見極めたいところから
上値も限定する動きとなっています。



■原油価格は、IEAが発表した3月月報でも分かる様に
原油の生産量や主要国の原油生産据え置きから、世界の
1日当たりの生産量も減少傾向にあることから、原油価格は
底上げする可能性が出てきています。

ブレント原油価格も先週末、2%高の1バレル40ドルの
大台乗せとなり、NY原油の割安感も出ているだけに、
今後の原油価格下落での不安要素も時間と共に市場から
後退するとみています。



■原油価格が落ち着くことで、産油国や新興国の安定化が
見え出し、年初からの負の連鎖パターンはなくなることも
予想できます。

つまり、資源国・新興国通貨が買われ、反対にドルが
売られるパターンになりやすく、FRBとしては諸外国に
配慮した金融政策という点では現状の金融政策維持で、
今年上半期まで継続するとみています。



■ドル売り米株高のパターンになり、日経平均も追随
したいところですが、円高の影響で連れ高にはなりづらく、
現状の株価水準で取引される可能性が濃厚とみています。

そういった点では、日銀の追加での金融緩和はしづらく、
今夏の参院選近辺で、最後の大規模な金融緩和を出す
可能性があるとみています。



■本日は、日銀の金融政策決定会合があることから
取引を手控える動きから114円を挟んだ動きで
展開するとみています。



■テクニカル的には・・・、

日足ベースで上値ポイントとして一目均衡表の基準線(114.22円)、
ボリンジャーバンド+2σ(114.45円)とみています。

下値ポイントとしては、一目均衡表の転換線(113.35円)
とみています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想