G20までもう一段の上昇

著者:川島寛貴
投稿:2016/02/22 20:27

レジスタンスラインまでは上昇

金曜日の一段と売られたドル円でしたが、後場には米国株の戻しよりも強く反応して急反転。英国のEU離脱の是非を問う国民投票が行われるのか否かが週末までもつれ込むということもあり、ポジション解消の動きが加速したようです。

結果、6月23日に行われることとなりましたがさすがにドル円ややポンド円の売りに絡む売りが出ていたくらいで、ほぼ無風で週明けを迎えました。

暴落の一因となっていた原油に絡む問題が落ち着いてきており、春節を終えた中国もさほど世界同時株安の影響を受けておらず、ドイツ銀行の問題もとりあえず大丈夫だということで悪材料一巡。
米国の消費者物価指数が予想よりも良かったことで、市場の利上げ時期もやや戻ってきており、10年債利回りも落ち着きを見せています。

恐らく大きなことは出てこないであろうG20までは、買戻しが入るじり高のレンジ相場を形成するのではないでしょうか。

日本株の売買代金は今年最低水準まで落ち込んでいますが、閑散相場に売り無しという言葉通りに見た目はしっかりとしています。目先16,300‐16,400円を突破することができれば、16,000円後半まですんなりと上がりそうですが、勝負は金曜日までといったところ。

ドル円は朝方から4回抑えられた113円を突破してきていることから、先週前半サポートラインとなっていた113.60円くらいまですんなり上昇を見せるとみています。

ドル円は底を打ったのか

ドル円が底打ちしたかといわれれば、私の答えはNOとなります。
この相場はアベノミクス相場の逆流が起こったものでまだまだ下落の途中。最低でも109円は付けにいくとみていますが、今は踊り場を形成しているのでしょう。現段階でにわかショートを振り落としながら、いかにも底打ちのような動きを見せています。しかし、下がる時の方が勢いが良いことからトレンドはまだ下方向。ふとした時に悪材料が発生し全てをなぎ払っていくようなことが起きてしまうものです。

5.23ショックの時はそもそもバーナンキショックで新興国がダメージを受けていましたし、秋の下落相場の時はインバウンドの伸びが止まるということで、中国関連企業の株価がこれでもかと売り込まれてしまい、日経平均の足かせとなりました。

これらの相場はダブルボトム、トリプルボトムをつけてようやく反転上昇に向かいました。ドル円がダブルボトムをつけるには115円は回復しないといけないでしょう。

たとえ115円を回復しても、テクニカル的に2年間サポートラインとなっていた115円半ばを突破するのは何か材料がないと難しいでしょう。そう考えると、まだまだこの相場の先は長いと考えた方が事前に思えます。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想