★将来性のある超低位株★ オーミケンシ(3111) 繊維から食品事業への事業展開

著者:本村健
投稿:2016/01/06 08:34

新たな収入源の確保で「業績拡大」の期待十分

■今回の注目銘柄■

オーミケンシ(3111)

 創業100年を来年にも迎え、大変貌を遂げつつある「超低位株」のオーミケンシ(3111)に注目したい。

同社は材料株としてPM2.5やインフルエンザといった話題で上昇をすることもあり、その点も注目すべきではあるが、更にスケールの大きい新事業が今回注目する理由だ。

同社はレーヨン技術に強みを持ち、様々な抗菌性や耐火性など様々な機能性レーヨンを手掛けている。

レーヨンは戦前に一世を風靡した繊維。東レ(3402)の旧社名は東洋レーヨン、クラレ(3405)の旧社名は倉敷レーヨンといった様に、今でも祖業の名残がある企業は多い。

しかしながら東レ・クラレはレーヨンの衰退後に新たな事業が花開き、大企業へと出世したものの、オーミケンシは今でもレーヨン生産を続け、完全に水をあけられた状態だ。

 それを打破すべく、新たな事業として今年から注目を集めるのが食品事業であろう。

先述の通り、同社はレーヨン技術に強みを持つ。このレーヨンの製造技術を活かして木材パルプから繊維を取り出して「食材にする技術」を新たに開発した。

この食材は

① 低カロリー(100gあたり6キロカロリー)
② 糖質・脂質・蛋白質・コレステロール・塩分がゼロ
③ 食物繊維が豊富
④ 無味無臭で味付けが容易
⑤ 長期保存が可能

といった特徴を持つ。そのため、粒状に加工すれば米の代替に、麺状に加工すればラーメンやパスタなど、フィルム状に加工すれば餃子の代替も可能とする。

つまり、炭水化物の接種を抑えるための「ダイエット食」としての利用が今後見込まれよう。

これまでコンニャクによる代替品などはあったが、コンニャク特有の臭いを抑えることは難しかったが、同食材の開発によりこの問題点も解決が可能としている。

100gあたり数百円の販売を想定、10億円の設備投資を今年中に行い、年産400トン規模にまで高めるとしており、需要に応じて3倍にまで生産規模を拡大させるとのことだ。

現状、各食品メーカーからの引き合いも活発とのことで、今後採用された際などのニュースなども株価を押し上げる材料として十分期待されよう。

 そして何よりも重要なポイントは、「世界中にありふれる木材パルプから食品を生み出した」という点である。

つまりは超低コストで原材料を調達し、それに付加価値をつけた健康食品として販売するという点で、利益率も大いに期待できることになる。

年間の連結売上高が150億円という企業であるため、食材の量産化に至った際に加算される売上高は、「数十億円規模」と、同社の業績に与えるインパクトも大いに期待できよう。

 株価は12月の急騰後から調整入りとなり80円を割り込んだ後、明確な切り返しが始まったばかりのタイミング。中長期スタンスでみても値幅妙味は大きいと言えるのではないだろうか。

健康志向が高まる昨今、健康食品市場はここ20年間で倍増し2013年には「1兆2000億円」を突破した。

1兆2000億円という巨大なマーケットに舵を切った同社の船出と今後の動向に注目したい。

本村
本村健
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想

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