2016年の市場展望(外国人投資家と業績動向をマーク!)

著者:谷山 歩
投稿:2015/12/30 20:36

2015年振り返りも絡めて

2015年はスカイマークや第一中央汽船の破綻、日経平均株価20000円の回復、市場をパニックに陥れたチャイナショック、郵政3社の上場、米国の金利レンジの上昇など市場を賑わせるニュースが目白押しでした。方向感を欠く動きながらも日経平均株価は年初からの上昇率は9.1%の上昇で大納会を終えました。4年連続の陽線ということもあり、これなら来年も期待できそうだと思えそうですが、懸念事項があることも事実です。

まずは、外国人投資家の動向。

特に2015年の後半では外国人投資家の売りが目立ったことです。国内企業の業績の動向や海外の動向(株式や原油市場の動向)などにはこれから一層気を配る必要がありそうです。特に米国市場はPERがリーマンショック前の水準を回復してから20倍を上回った状態が続いています。外国人投資家の売りが今後も続くようであれば日本市場も簡単には上がらないでしょう。

次の懸念事項は、日本国内の企業業績の鈍化の懸念です。

最近ニュースになった外国人による爆買いの鈍りやアベノミクス効果による一時的な利益を使った高級品買いなどが1段落するのも今後抱える問題だと言えそうです。最近四季報が発売されましたが、それによると、業績トレンドの見出しランキングに変化が見られました。15年2集から15年4集までのランキングには、10位以内に悪いイメージを持たせる見出しがほとんどありませんでした(あっても1つくらい)が、最新号16年1集によると10位以内に悪いイメージを持たせる言葉が3つ入っていました(一転減益、下振れ、反落)

これまでと同じような期待により企業側が大きな在庫を抱えたまま、もし爆買いなどの買いが入らないときには企業の一転下方修正なども増えて行くかもしれません。

現在は企業業績の良さ(PERの低さ)に支えられている日経平均ではありますが、業績が悪化すれば市場全体も割高になるということです。そうなると見切り売りも増加していくとおもわれます。
これだけだと今の相場は危険で終わってしまいますが、実際には来年もこれまでと同じように好業績が続く銘柄の押し目を狙ったり、企業の業績進捗動向を把握しながら投資を行っていくことで十分ベンチマークを超えるパフォーマンスが出せるはず。

2016年も皆様にとって良い年となるように切に願います。それでは良いお年を。
谷山歩
インカムライフ.com代表
配信元: 達人の予想