木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳のつくり方】国際通貨基金へ日本拠出の準備あり

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■12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に3日続落。
前日比411ドル30セント安の8282ドル66セントで終えています。

これを受け、シカゴ日経平均先物は大幅続落。
12月物は前日比390円安の8165円で取引を終了し、
前夜の大証終値比575円安でした。本日も苦しい展開が予想されます。

■しかし、今回の下落は、当メールマガジンで何度かお伝えしてきた
”北米消費減退懸念”が引き起こしているもの。
当メールマガジンでは、世界的な株価上昇気運の11月4日付で
以下のコメントを掲載しました。

*****************

持ち直しの兆しが見える世界の株式市場。なかでも日本株を考える上で、
連動性が高くなっている米国株の行方を見ることは非常に重要だ。
その行方を予測するために見ておきたいキーワードは“消費”だろう。
いよいよ消費にとってかきいれ時の”クリスマス商戦”が始まる。
しかし、厳しい事態を想定すべきだろう。(中略)
消費減退は、年末から年始にかけての株価下落の要因になりえる。
関連業種への投資を抑えるとともに、状況をつぶさに観察することが求められる。

*****************

■短期で乱高下する市場環境が続きます。
ニュースも株価材料としてネガティブなものも多い。

でも、ここで思考停止に陥ることが最もネガティブなことです。
本日は、そもそもポジティブなニュースに加え、
ネガティブな中にもポジティブな発想で捉えるべきニュース、
さらに、ポジティブかネガティブか考えるべきニュースと
3つに分けてお伝えしたいと思います。

本日もよろしくお願いいたします。


※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。

┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

1.国際通貨基金(IMF)へ日本拠出の準備あり
2.消費者心理、最低に
3.家庭用ミシンJUKI、米中心に拡販

http://www.terunobu-kinoshita.com/20081113-toushinou.pdf

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1.国際通貨基金(IMF)へ日本拠出の準備あり

(出所)2008年11月13日付日本経済新聞朝刊1面より

 ●信用リスク後退を防ぐ役割を担う国際通貨基金(IMF)
 ●日本がIMFに拠出することで、存在感発揮
 ●14日、15日に開催される金融サミットが焦点

世界恐慌を引き起こした原因として注目しなければならない点は、
新興国に対するコンフィデンス・クライシス(信認の危機)が起きたことだ。
その結果、成長著しいと考えられていた新興国から、
サブプライム問題をキッカケとしたマネー収縮のあおりを受け、
アイスランドやアルゼンチンなど世界規模で支援が必要な国々が出てきてしまった。

そのため、短期的な問題としては、とにかく新興国に対して
投資家が疑義の目を持ってしまった現状を変える必要がある。
それは、最後の貸し手と称される、国際通貨基金(IMF)の登場が不可欠だった。

しかし、問題は財源。つまり、IMFは20兆円の資金しか持たず、
支援が必要な国、特にビッグカンパニーが同様のケースに陥った場合、
財源が足りるのか、という議論がなされている。

その中で、日本はまずは資金拠出という観点で存在感を発揮しようとしている。
日本政府は主要国と新興国が14日から米ワシントンで金融危機対策を協議する
首脳会議(金融サミット)で、IMF向けに日本の外貨準備の一部、
最大10兆円規模の資金拠出を打ち出す方針だ。

IMFが資金不足に陥った場合、緊急融資などの原資を円滑に調達できるよう、
日本の9800億ドル(約98兆円)に上る外貨準備から一部を
IMFに貸し付ける考えを示す。
すでに、日本と同様に潤沢な外貨準備を抱える中国(約195兆円)も
拠出へ前向きな発言をしている。11月第1週に見られた株価上昇から一転、
再び暗雲が立ち込めている世界の株式市場。
今週松開催予定の金融サミット後に注目が益々集まっている。


2.消費者心理、最低に

(出所)2008年11月13日付日本経済新聞朝刊3面等より

 ●過去最低の消費者心理
 ●未曾有の金融恐慌が財布のひもを締める
 ●目の前の数値から、過去と将来を分析する

内閣府が12日発表した10月の消費者態度指数(一般世帯、原数値)は29.4と
前月に比べ2.0ポイント低下した。2カ月ぶりに過去最低を更新し、
1982年の調査開始以来初めて指数が20台に落ち込んだ。
物価上昇への懸念は薄らぎつつあるが、
米欧発の金融危機に伴う経済情勢の悪化が消費者心理を一段と冷え込ませている。

態度指数は米国の金融危機が深刻になり原油高が進んだ昨年末以降に急速に低下、
1―9月は30台に落ち込んだ。
指数の公表が四半期ごとだった04年以前にはバブル崩壊後の1993年や、
山一証券の破綻などで金融不安に見舞われた1998年前後など、
指数が連続して30台に下がった時期もあったが、20台に落ち込むことはなかった。

この数字を見ると落ち込む。しかし、昨日の当コラムでは、
消費に関する日経予測指数に対し以下の意見を記載した。

●よくよくこの指数を見ると、“金融不安をボトムに予測指数は改善傾向にある”
というもう一つの切り口にも気づく。つまり、金融不安によって
たしかに消費マインドは低下するかもしれないが、
金融不安が銀行破綻などにまで行き着くと、逆に“大底”となっているのだ。

株式市場は、目先の数値で動くことはよくある。
しかし、下がったものは上がる、といこともまた真実。
たった数年前にりそなホールディングスが国有化されたときの恐怖を、
もう忘れてしまっている。ほんの10年前には山一証券や日本長期信用銀行が
破たんしたときの国家の転覆の危機を思い出せない。
消費者心理も同じだ。のど元過ぎれば熱さを忘れる。
消費人口が増大するあと7年、消費は大底を打ち、消費マインドは改善すると見る。


3.家庭用ミシンJUKI、米中心に拡販

(出所)2008年11月13日付日経産業新聞14面より

 ●家庭用ミシン大手JUKIが北米に軸足へ
 ●これから景気後退が予想される北米でなぜ?
 ●疑問点は取材して解決するだけ

工業用ミシン大手のJUKIは不振の家庭用ミシン事業の販売体制を見直す。
収益性が高く今後成長の見込める米市場で販売代理店数を増やし、
売上高全体に占める同ミシン事業の比率を2007年度実績の約3%から
10年度に約20%に引き上げる。07年度で約18億円だった営業赤字を、
10年度には黒字に転換させる方針だ。

北米消費が減退する中で北米に力を入れる、
というのは最近ニュースであまり類を見ないものだ。
株式投資は、悪い言い方をすれば、“天の邪鬼”的な発想も求められる。
買いと売りという2つの真逆の行動しか取り得ないのであれば、
買いのニュースと見ても、売りと考えられるニュースはないか、また、
売りと思っても、買いに思えるニュースはないか、と考えることが求められる。

そこで、北米主体は私はネガティブに捉えているわけだが、
今回のニュースをどう捉えるか考えてみたい。

JUKIの08年度の売上高は、08年11月時点で約900億円の見込みで、
工業用ミシンの世界市場ではシェア約3割とトップ。
一方で家庭用ミシンは特定商取引法違反による国内の訪問販売撤退などで、
売上高は全体の約3%にとどまる。08年3月期には約18億円の営業赤字だった。
また、2009年3月期の連結最終損益が
40億円の赤字(前期は41億円の黒字)になると発表している。
最終赤字は6期ぶり。従来予想は20億円の黒字。
中国で工業用ミシンの販売が低迷し、家庭用ミシン事業の特別損失も響く。

仮にJUKIの戦略が正しく収益が上がるのであれば、
投資妙味があるかもしれない。また、北米に関し、
新たな発想に触れることもできる。
少しでも可能性を感じたら、取材を行い確認するだけだ。


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■編集後記
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今日の東京は快晴。雲ひとつない天気です。

朝、新聞を取りに玄関を開け、快晴だと気分も晴れ晴れとするものです。
もっとも、その前に必ずチェックする米国株が上昇していれば、
さらに気分も良いのですが・・・

ニュースを見て、株価を見て、毎日あーでもない、こーでもない、と考える。

そうしたことを繰り返していくと、あるとき、
パッと目につく情報が大きなヒントだったり、
小さな記事で重要な記事に目がいくようになります。

今は地味な作業の繰り返しですが、こうした地味な作業を行い続けることが、
いずれパフォーマンスの改善につながると考えています。


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