木下 晃伸さんのブログ
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【投資脳*海外株】IMF、救済策の正式承認見送り
■みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。
■昨日の米株安を受け、アジア各国の株式市場は日本株を含め、
続落となりました。
13日の香港株式市場でハンセン指数は大幅に3日続落。
終値は前日比717.74ポイント(5.14%)安の1万3221.35でした。
朝方には一時指数の下げ幅が1000ポイントに迫り、取引時間中では10月29日以来
約2週間ぶりに節目の1万3000を下回る場面がありました。
■一方、13日の中国株式市場で上海株式相場は大幅に続伸。
上海総合指数の終値は前日比68.503ポイント(3.68%)高の
1927.613と節目の1900を上回り、10月21日以来約3週間ぶりの高値を付けています。
先日発表した、内需拡大策が引き続き好感されているということでしょう。
当メールマガジンでお伝えしてきたように、
中国が世界恐慌を防ぐ防波堤になる可能性が現実味を帯びてきています。
ただし、NNAニュースからは気になる記事も飛び出しています。
本日も、お伝えしていければと考えています。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
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●【アイスランド】IMF、救済策の正式承認見送り[金融]
●【中国】Q3のインターネット広告、約20%の急成長[媒体]
●【シンガポール】消費者は景気楽観視、米カード調べ[経済]
※ニュース提供/NNA(http://www.nna.jp/)
著者により一部文章が削除、変更されるケースがございます。
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●【アイスランド】IMF、救済策の正式承認見送り[金融]
アイスランドがピンチに立たされている。12日付フィナンシャルタイムズによると、
国際通貨基金(IMF)は総額60億ドルの救済策の正式承認を見送った。
理由は明らかにされていないが、
預金保護をめぐる英国などとの対立が背景にあるとの見方もある。
同国は10月、IMFから約21億ドルの緊急融資を受けることで基本合意。
もともとは4日に承認が下りるはずだったが、IMFは数度にわたって延期。
新たな目標期日は設定されていない。
アイスランドに対してはスウェーデンやデンマーク、ノルウェーが
救済に前向きな姿勢を見せているものの、IMFの支援決定を前提とする。
このためアイスランドは他国から調達する計画だった資金のうち、
現時点で5億ドルほどが確保できていない状態だ。
同国は不足分を米国か日本、ロシア、中国からの融資で賄いたい考え。
だが政府関係者によると、色よい返事はもらっていない。
【木下コメント】
ロイターなどでも「情報源は不明」としているが同様の報道がなされている。
しかし、日本ではアイスランドが融資を断られたという記事は
速報ニュース等を探しても見当たらない。
どちらが正しいのか判別がつきかねるが、
仮にIMFが融資を断るような事態を想定するとなると、
それはかなり深刻な問題となる。
前回の安値を再び割り込むことを予想するのは容易なことだ。
現時点では、債券相場はアイスランドへの融資が断られたことを
前提とはしていないようだ。
それは、新興国の国債に投資を行う米ETF「EMB」の価格で確認できる。
※iShares JPMorgan USD Emerg Markets Bond (EMB)
http://finance.yahoo.com/q?s=EMB
情報が錯綜していることからも、恐慌がパニック的になっていることを表している。
こういう場面では“決定事実”を元に
投資戦略を構築していかなければならない好例だ。
●【中国】Q3のインターネット広告、約20%の急成長[媒体]
マーケティングリサーチ会社、易観国際によると、
今年第3四半期のインターネット広告市場規模が
33億4,400万元(約479億2,000万円)と、前四半期比19.1%増加した。
上位3社は百度、新浪、グーグルだった。
ネット広告のうち、「キーワード広告」は前四半期比19.3%増の14億6,400万元で、
全体の43.8%だった。一般広告は前四半期比18.9%増の16億9,600万元で、
全体の50.7%を占めた。
中でも7~8月は、主に4大ポータルサイトと
五輪中継の放送権を持つメディアに広告が集中した。
現在は、自動車、不動産、金融業界への広告が高い伸び率を維持している。<全国>
【木下コメント】
成長性が高い市場に投資を行うというのは、海外市場でも同じだ。
特に、内需拡大が著しい中国ネット業界は注目できる。
今年第3四半期のインターネット広告市場規模が
33億4,400万元(約479億2,000万円)。単純計算すれば、1年間で2000億円規模。
これは日本のネット広告市場の3分の1だ。
一方で、中国のインターネット利用者は
第3四半期(7~9月)末時点で2億7,500万人。日本のざっと3倍以上だ。
実際の利用者規模とネット広告市場規模とのかい離はいずれ埋まっていく。
中国におけるネット業界への投資は、ソフトバンク孫正義氏も力を入れている部分。
投資家としても企業家の発想を持ちたいところだ。
●【シンガポール】消費者は景気楽観視、米カード調べ[経済]
シンガポールの消費者は、アジア太平洋の各国・地域に比べ
景気の先行きを楽観視していることが、マスターカード・ワールドワイドが
12日に発表した景気動向に関する意識調査で分かった。
「雇用」「経済」「収入」「株式市場」「生活の質」について、
消費者が来年1~6月期(上期)の景況をどうみているかを調べ、
消費者信頼度指数として示した。
数値が高いほど楽観視していることを示している。
9月に合計6,019人を対象に調査した。
シンガポールは62.3。アジア太平洋の平均である47.4を大幅に上回り、
先行き判断の境目となる50も超えている。
50超えは、調査対象の14カ国・地域でシンガポール、ベトナム、中国、インドの
4カ国にとどまっている。
ただ、今年7~12月期を対象にした前回調査と比べると、
シンガポールは25.0ポイント落ち込んでおり、
消費者の間で景気の先行きを不安視する姿勢が大幅に強まっている。
来年上期の景況感に最も悲観的な見方を示しているのは日本で17.2。
前回より11.8ポイント下落し唯一の20%割れとなり、最下位だった韓国を下回った。
【木下コメント】
日本では消費者態度指数が過去最低を記録しているにも関わらず
ずいぶん景気が良い話がシンガポールからは聞こえてくるようだ。
ただし、シンガポールの自動車販売業者協会(MTA)は、
主要高級車メーカー6社の10月の新車登録台数が773台となり、
前月比21.9%減少したと発表した。スウェーデンのボルボで48%縮小。
BMWは40%、レクサスは28.8%それぞれ減少している。
唯一1カ月前を上回ったのは独メルセデス・ベンツで8.9%増加。
こういう事例も見られるが決して好調ではない。
また、住宅開発庁(HDB)は11日、
エグゼクティブ・コンドミニアム(EC)土地入札に対する応募が
ゼロだったと発表している。ECは民間マンション並みの設備がある公営住宅。
世界的に消費は減退している。
シンガポールは“今は楽観的”であるかもしれないが、
いずれ景気後退の波にのまれるのではないか。
だとすると、まだ景気後退の波は初期、という見方もできる。
楽観論には注意を払いたいタイミングだ。
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編集後記
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今日の東京は快晴に恵まれました。
天候に恵まれると気分が晴れやかになるのは私だけでしょうか。
外を歩いているとき、ふっと空を見上げると頭がスッキリします。
悩ましい市場環境が続きますが、そんなときほど外を歩き回り気分をスッキ
リさせながら、いま起きていることを分析、調査したいと思います。
今週は、大事な1週間だと思います。
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