ユリウスさんのブログ

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生活支援定額給付金の迷走

「生活支援定額給付金」という下らん政策には下らん議論が多い。多すぎる。本当に必要なシッカリした政策ならこんなに無様なことにならない。翔年は何事も根本から考える質なので、いつものごとく簡単に「そもそも論」からはじめます。


 そもそも、この政策は追加景気対策の柱として提案されたものだ。それが今はこんな形になっている。

1 名称: 追加景気対策の中の「生活支援定額給付金」
2 支給総額: 2兆円
3 支給対象: 子育て世帯や高齢者に傾斜配分(になりそう)

 今、支給対象と支給額について、公明党が主導で調整を行っているらしい。そして政策の細部について、どれだけ首相以下が迷走しているか、新聞記事からピックアップしてみた。実にくだらないですよ。

麻生首相:
10月30日 定額減税は給付金方式で全世帯に実施する。
→ 当初、翔年は減税だと理解していた。みなさんもそう認識されていたにちがいない。ところが
11月4日 生活に困っている人に給付する。(豊かな人に給付する必要はない)
→ 口当たりのよい表現で、本来の「減税」とは目的が変わった。
さらに
11月10日 所得制限すると手間ひまがかかる。高所得者は自発的に受け取り辞退してもらうのが簡単である。
→ おやおや、ますます変な方向に向かいはじめていますね。手続き論を総理大臣がしている。

 2兆円の配分方法について、与党の中で二つの意見がある。(実際は小者議員もあれこれいっているので、バリエーションは10ぐらいありますが、あまりにつまらないので挙げません)

中川財務・金融相: 迅速性・公平性の観点から、全所帯一律にやらざるをえない。
与謝野経済相: 高額所得者は辞退するというのは制度ではない。
→ 制度の正論派ですね。ただし手続き論です。

川村官房長官: 所得制限を設ける。
→ これは公明党や自民党の一部の議員を代弁していると見る。
早く決着させて、早く給付して、人気浮上させたいという思惑がみえみえ。
もともと選挙対策だったのだから、この意見は根強くある。

 麻生総理にいいたい。
1 ハッキリした目的をもって政策をお出しなさい。人気取りのための政策はしょせんフラフラしまっせ。

2 給付するという制度をつくって、高額所得者は自発的に辞退しなさいというような馬鹿げた制度は本来ありえません。もし、高額所得者だから辞退しなさいといわれて辞退する人がいたとしたら、それは「自発的」ではありません。「事なかれ」主義です。

3 首相が政策や制度の細かいところまで口をはさまないのがよろしい。そもそもあなたが判断すべきは「大所高所からの国の方向性に関する判断」ですよ。
 小泉元総理は大きな問題の方向性だけ示して「大臣以下の当事者」にまかせることが多かったため「丸投げ」批判を受けました。「丸投げ」できて、こそ総理の器です。メディアや小者の「丸投げする」という批判を恐れてはなりません。

 こんなくだらん議論ばかりしていたら、オバマと話などできませんよ。
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