優利加さんのブログ

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「パニック売り=セリングクライマックス」は近い?

先週金曜日の米国株式相場は続落した(DJIA -256.50 @25,864.78, NASDAQ -162.98 @8,575.62)。ドル円為替レートは102円台半ばの先週末比大幅な円高水準での動きだった。本日の日本株全般は大幅続落した。東証1部では、上昇銘柄数が22に対して、下落銘柄数は2,138となった。騰落レシオは56.76%。東証1部の売買代金は3兆4646億円。

TOPIX -82 @1,389
日経平均 -1,051円 @19,699円

新型コロナウイルスの感染が世界中で拡大している中、WTI原油先物相場が前週末比34%も急落し27ドルまで急落した。https://chartpark.com/wti.html
OPECとロシアなど非加盟産油国による協調減産の協議が決裂して、サウジアラビアが増産を検討すると報道されたことが背景にある。さらに、急激な円高(リスクオンになると円が買われる)が進行し、一時101円台まで円が買われた。石油関連株と金融株を中心に全面安の展開となり、日経平均は一時1,200円を超す大幅下落した後、終値ベースで節目の20,000円を割り込んだ。

原油安は一見、我々消費者には良いことのように思われるが、米欧エネルギー企業や新興国の収益を悪化させて信用リスクを高める。産油国の財政収支を均衡させるのに必要な原油価格は国ごとに異なるが、サウジの78ドル台からロシアの42ドル台までバラツキがある。しかし、27ドルという価格はどの産油国でも足られないほどの超安値である。また、過度な原油相場安はエネルギー企業の信用不安を高まめて、社債の再調達コストを上げ、その結果、エネルギー企業は元利の支払いができずデフォルトを起こす可能性が高まる。また、低金利環境下で債務を膨張させてきた新興国のデフォルトも懸念される。これを今日の株式相場は織り込みに行った。このようにエネルギー企業と新興国のデフォルトの懸念が高まると、ただでさえ新型コロナウイルスの感染拡大により世界の人と物の動きが停滞しているのに、これに加えて世界のお金の動きも鈍くなりかねない。まさに世界経済にとっては踏んだり蹴ったりの状態が迫ってきたのである。

相場が大底を打ったと確認できるのは、(1)騰落レシオが50%台まで低下した、(2)信用評価損率が20%以上に拡大した、(3)皆がパニック状態に陥りセリングクライマックスが来た、の3つが揃ったときである。(1)と(2)は満たしたが、(3)がまだである。信用買い残のほぼすべてに追証がかかり投げ売りが起こり、東証1部の売買代金が4兆円、5兆円まで急増する必要があるだろう。今現在、日本時間で今晩のNYダウは一時2,000ドルを超す急落となっている。正にパニック売りが起こっている。日本も近い。その前に、明日、テコ入れのために政府が何らかの政策発動を発表するか?

日経平均の日足チャートを見ると、大きくギャップダウンして始まった後さらに急落して長大陰線を引いて終えた。下値支持線として意識されていた節目の20,000円も割り込んだ。次の下値支持線は2018 
12月26日安値辺りの19,000円である。

33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、銀行(2位)、証券(3位)、鉄鋼(4位)、石油・石炭(5位)となった。

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