TOPIX -24 @1,697
日経平均 -452円 @23,205円
米軍によるイラン革命防衛隊司令官殺害により米軍とイランの関係が急速に悪化した。報復合戦が懸念され、中東での地政学リスクが急速に高まり、株価は急落した。この危機感の高まりを背景に安全資産とされる円が買われ、円相場は1ドル=107円台後半まで上昇する場面があった。日経平均は500円を超す下げとなる場面もあった。ただ、後場は下げ渋った。米国とイランが直接的な武力衝突に至る可能性は低いとマーケットは見ており、下げは一時的なものとして見ているようである。しかし、米大統領選挙を11月に控えて弱腰と見られないようにするため、アメリカが譲歩する可能性は低く、中東の混乱は長引くと見ておくべきだろう。
日経平均の日足チャートを見ると、10日は勿論、25日移動平均線も大きく割り込んだ。さらに昨年8月26日を起点とした上昇トレンドラインも割り込んだ。フォーメーションに注目すると「2点天井」を形成している。テクニカル分析では明らかに反落モードに入った。もし、定石に近い動きをするとすれば、早晩、下げ過ぎからの自律反発で戻るが、12月27日の2番天井までは戻れずその手前で失速して再び下げるという展開が予想される。
33業種中、鉱業と石油・石炭を除く31業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、空運(2位)、水産・農林(3位)、食料品(4位)、その他製品(5位)となった。