まはいさんのブログ

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ドイツ銀行ショック 直前まとめ

大手予備校の入試直前講座っぽく、ドイツ銀行ショックの直前まとめです。

銀行世界ランキング
5/31、スタンダード&プアーズが発表した2018年版資産ランキングです。
①中国工商銀行 中国
②中国建設銀行 中国
③中国農業銀行 中国
④中国銀行 中国
三菱UFJフィナンシャル・グループ 日本
⑥JPモルガン・チェース銀行 アメリカ
⑦香港上海銀行ホールディングス イギリス
⑧BNPパリバ フランス
⑨バンク・オブ・アメリカ アメリカ
⑩クレディ・アグリコル フランス
⑪ウェルズ・ファーゴ アメリカ
ゆうちょ銀行 日本
⑬シティグループ アメリカ
三井住友フィナンシャルグループ 日本
ドイツ銀行 ドイツ
⑯サンタンデール銀行 スペイン
みずほフィナンシャルグループ 日本
⑱バークレイズ イギリス
⑲ソシエテ・ジェネラル フランス
⑳BPCEグループ フランス

金融コンツェルン
ドイツ銀行を日本銀行と同じ中央銀行と勘違いする人が少なくないですが、それはドイツ連邦銀行です。ドイツ銀行は民間のメガバンクです。
かつてドイツには金融コンツェルンが存在しました。
金融コンツェルンとは、日本の旧財閥がお手本にした銀行を頂点とする企業連合でした。
戦後、日本の財閥解体と同じくドイツの金融コンツェルンも解体されました。
日本は旧財閥系の銀行が復活しましたが、ドイツはフランスの銀行に席巻されました。日本と同じ敗戦国でも、フランスが進駐したドイツは金融面では不幸でした。
上記の銀行世界ランキングの通り、ドイツは第4位の経済大国でありながら、金融大国の地位はフランスに奪われています。

ユーロ統合
EUがユーロ統合すると、EU内では製造のドイツと金融のフランスが2トップとなる棲み分けが定着しました。
ドイツ国内では首位でも、EU内では中堅に過ぎないドイツ銀行の金融支配力はユーロ統合で著しく低下しました。
ユーロ統合の頃から、ドイツ銀行は投資銀行とプライベートバンクに傾斜した異質な銀行に急変しました。
また、EU内で中位のドイツ銀行を何故か中国資本が集中的に買占めたため、現在では株式の過半を中国資本が保有するという点でも異質となりました。

スイスフランショック
2015年1月、スイスフランが大暴落しました。
スイスフランショック自体はドイツ銀行と取り立てて大きな関係は有りません。
ところが、戦後の金融コンツェルン解体の際にスイスに逃避した民族資本が多かったらしく、それがドイツに戻ってくる受け皿がドイツ銀行でした。
その資金移動の際に、ドイツ銀行はキナ臭い資金まで受け入れてしまったようです。

パナマ文書
2015年8月、南ドイツ新聞がパナマの法律事務所から入手した金融スキャンダル文書です。
南ドイツ新聞は、南ドイツと国境を接するスイスからドイツ銀行へ流入するグレーな資金を追っていました。
そのため、パナマ文書は世界規模の金融スキャンダルであると同時にドイツ銀行に関連する金融スキャンダルです。
パナマ文書が蒸し返されるたびにドイツ銀行が叩かれるのですが、パナマ文書の闇は深く、まだまだ終わりが見えません。

債券カルテル司法取引
12/19、ドイツ銀行は債券カルテルを自供する司法取引に打って出ました。
パナマ文書とは関係ないスキャンダルを自ら自供するとは異例のことです。
ドイツ銀行が良心に目覚めた」と評価してあげるのが人として正しいと思うのですが、「司法取引で罰金を逃れなければ破綻するところまで追い込まれている」と見えてしまいます。

FOMC
12/20、米国FOMCは予定調和の声明を発表しました。
金利引き上げのペースダウンは事前の予想通りでしたが、ドイツ銀行には一縷の望みの利上げ継続が無くなったことを意味します。
利上げで得をするのは利鞘を稼げる金融機関だけです。
コア純益を死活的に必要としていたドイツ銀行には無慈悲でした。
もっとも、アメリカにドイツ銀行を助ける義理は無いし、ロシア疑惑まで絡んでいればトランプ大統領はドイツ銀行に消えて欲しいでしょう。
ドイツ銀行は、直前に債券カルテルの自供までして誠意を示したのに残念でした。

まとめ
ドイツ銀行について、サルでも解るレベルで荒っぽく纏めます。
①フランスが支配するユーロ金融圏では戦前の遺物
②中国資本に支配された異質な銀行
③パナマ文書の張本人
④司法取引の自供にまで追い込まれた

個人的見通し
個人的にはドイツ銀行に同情するところが大きいです。
しかし、パナマ文書を揉み消したい人達には、ドイツ銀行ごと揉み消すしか方法が無いです。
ドイツ連邦政府が国有化を検討していますが、中国市場からの締出しを恐れて中国資本排除に及び腰です。
はっきり言って、私のような凡人には見通しすら立てられません。
よって、ドイツ銀行ショックの前に逃げの一手です。


杞憂に終われば、それが何よりです。

しかし、心穏やかに年の瀬を迎えるには逃げるが勝ちです。

みなさん良いお年を。

2件のコメントがあります
  • イメージ
    雪風改さん
    2018/12/23 16:34
    こんばんは。

    いつもドイツ銀行の件、とても参考になります。

    大株主である習近平閥系の海航集団の存在が気になりますね。

    想像の限りではFOMCの伏線には対中工作みたいなモノも絡んでるかもですね。

    陰謀論好きとしては興味深い話しなので…。

    私も用心して考えてます。
  • イメージ
    まはいさん
    2018/12/23 16:52

    雪風改 さん コメントありがとうございます。


    7/12、ドイツ銀行の筆頭株主である王健が、フランスのプロバンスで事故死しました。
    王健は、王岐山国家副主席の親族で、海南航空集団を率いる共産党の経済尖兵の重鎮でした。
    王健は、教会の壁をよじ登ろうとして転落死したそうですが、一度転落して深手を負ったにもかかわらず、また登ろうとして、二度目の転落で死んだそうです。フランス警察は、その日のうちに事件性も自殺の可能性も無い事故死と断定しました。

    この事件の後に、いったんドイツ銀行の危機は遠のいて株価も反発したのですが長続きしなかったです。


    パナマ文書がロシア疑惑に繋がって、トランプ大統領はドイツ銀行にお怒りでしょう。


    情報が足りないところに、適当に中国とかユダヤとか妄想で補ったら、面白い陰謀小説が書けそうです。

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