これと同じことが大人の社会でも起こることはみなさんもよくご存じでしょう。独善的な上司に部下たちはただ従うだけ。いかに上司に取り入るかばかりを考え、新鮮な意見を言う人間もいない。ひとたび反対勢力が生まれると、密かに不満を抱えていた人間が自然と集まり気が付けば派閥が生まれ--という状況は決して珍しくありません。
実力がある、みんなに一目置かれる存在である、ということはそれだけでリーダーの資質は十分にあります。ただ、そういう「実力者」の場合はリーダーに「育てる」という過程が必要なのです。
子どもの「実力者」には、親や先生が、その子に対して「リーダー」としての教育をします。「この遊びはクラスのみんなが楽しめると思う?」などと声を掛けるのです。ポイントはその子に対し、「あなたをリーダーだと認めた上で話している」という態度を見せること。プライドを刺激された実力者は、真のリーダーへと育っていきます。
会社においても、「実力者」をリーダーに据えるのであれば、その上に立つ人間には「リーダーとして育てる」姿勢と覚悟が必要です。実力者に最初からすべてを任せてしまうことは得策ではありません。
