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「大阪都構想の大嘘」と新潮45が特集


今の大阪市を廃止して、5つの特別区を設ける、いわゆる「大阪都構想」をめぐって、5月17日に大阪市民を対象に「住民投票」が実施される。

早くも、賛成派の大阪維新の会は、代表の橋下市長らが、週末も平日夜も、住民との対話集会を開いて、府と市の二重行政の解消など都構想実現のメリットを説明している。

これに対する反対派は、実現による市民サービスの低下を懸念する連合大阪が反対するシンポジウムを開いたほか、府市議会の野党や市民団体も相次いで集会を開いており、都構想を巡る双方の動きが大阪では、大いに盛り上がっている。

こうした中、4月18日発刊の「新潮45・5月号」に、「大阪都構想の大嘘」という特集が掲載された。特集項目は下記の通り。

・市民は「自治」を失い、大阪は破壊される
  藤井聡

・これぞ戦後最大の詐欺である      
  適菜収+本誌取材班

・寂しき「かまってちゃん」       
  大谷昭宏

・私が「橋下維新」を離れた理由     
  村上満由

月刊誌に「都構想の大嘘」という特集には賛同するところが多かった。筆者を含め反対市民の友人たちとの意向と全く一致したので、ここに2稿概略を記載する。

まず、藤井聡氏(京都大学大学院教授)の「市民は「自治」を失い、大阪は破壊される」からだ。

<「都構想」なるものは、実に論ずるに値しない「論外」の代物だ。デメリットばかりでメリットなんて何もない。「都構想」の中味をよく知る多くの学者が実に批判的だ。

「都構想」なるものがどれだけ「効果のないもの」なのか。それどころか、大阪をかえって疲弊させる論外中の論外な代物なのか、説明しよう。まず第一に、「都構想」が実現すれば、大阪市という一つに「自治の仕組み」が「廃止」となる。

大阪市を廃止する代わりに「5つの特別区」とい う新しい自治体がつくられる。つまり、「都構想」とは「大阪市の廃止、 5分割」の構想だということである。

さらに、大阪市が持っていた「権限」と「財源」の多くは、「特別区」に引き継がれるのは「全て」ではない。財源規模だと特別区に引き継がれるのが4分の3で、残りに4分の1、金額でいうと、おおよそ2200億円の財源と権限が「大阪府」に吸い上げられる。

ところで、投票で可決されても大阪府の名称は、大阪府のままなのである。「大阪都」という「ことばの響き」を大阪人は手にいれることはできない。「都」というのは、行政の仕組みの名称であって、大阪という自治体それ自身の名称にはならない。

これは、多くの人々の「素朴な期待」を裏切るであろう。ひょっとすると、そういう方々にしてみれば、「大阪都にはならない」という事実だけで、「都構想」など「論外」だと感ずるかも知れない。

大阪市長が持っていた権限の内、2200億円の権限が吸い上げられ、その残った部分をさらに5分割するのだから、特別区長(区議会議員)の権限は、極めて限定的となるのも当然だ。故に行政サービスレベルの劣化が生じる。

市民血税の2200億円の使い道を決めるのは市長・市議会よりも遥かに「遠い」知事・府議会になるからだ。大阪市民血税の使い道が今よりももっと「思い通りにならななくなる。大阪市民の行政サービスの劣化に直結する。

大阪市民にとって、何もメリットがなく、デメリットばかり。何故なら大阪市民は、「都構想」で「自治」をうしなうことだから当たり前のことなのだ。残念ながらこの点が、広く一般に知られていない。

「都構想」は論外だとも言えるが、更に強烈な理由が存在している。それは「都構想」が実現すると大阪の「都市計画の力」が失われ、大阪の中心が衰退し、コアをなくした大阪が「ダメ」になっていくということなので ある。キタ・ミナミの都市計画を進めて来た大阪市から都市計画の権限と財源を奪うのだから、そうなるのも当然だ。

しかも、大阪府には、都心の街づくりを進める経験もノウハウもない。大阪市の優秀な都市計画部隊も、市とともに解体され、府と5つの特別区という6組織にバラバラに分散してしまう。培ってきた都市計画が一気に毀損することは明白だ。

そうなれば、大阪の凋落は、西日本を疲弊させ、東京一極集中を激化させる。それは首都直下地震の被害を更に激甚化する。つまり「都構想」は、大阪をダメにするだけではなく、日本全体に深刻な被害をもたらすのである。

そもそも、大阪は地盤沈下しつつあるとはいえ、未だ関西、西日本の中心都市なのだ。日本の「宝」だ。朽ち果てていくのは、日本にとっても大きな損害だ。

だからこそ、大阪を衰弱させてはいけないのであり、そのためにも「都構想」の、「大阪」という街にたいする危険性を十二分に理解しておくことが求められているのである。> 以上

続いて2稿は、村上満由氏の「私が「橋下維新」を離れた理由」である。村上氏は、大阪市会議員(元大阪維新の会)。

<3月13日、大阪市会で行われた「大阪都構想」に向けての「特別区設定協定書」の採決で、私は起立せず、反対の意思を表示した。協定書の中味が、4年前の選挙で大阪維新の会が訴えてきた「都構想」とまるで違っていたからだ。これは「都構想」と呼んではいけないと思っている。

もともと維新が言っていた「One大阪」は、周辺10市を合わせて特別区を作り、そこに財源と権限を委縮するというものだった。その特別区は30万人程度の規模で、区長は公選で選び、「ニアイズベター」を実現するもので、これには私は今でも賛同している。

しかし、今の協定書は、大阪市が5つに分割されるだけの、かけ離れたものになっている。

あまりに拙速だ。この協定書は短期間の突貫工事で作ったものだ。協定書は、区割り以外はほぼ白紙委任、そんなリスキーなことができるはずが在り得ない。

維新がタウンミーティングで説明していることも、協定書に記載されていない理想論や誇大表現が多く、かっての「都構想」や「協定書」と随分違ったのだ。

合区してしまえば、人口が少ない中央区民は不利である。貧困や格差問題の是正の課題があり、選出された区長がそれだけを軸にして行政を進めたらどうなるのか、というのが中央区民の声だ。中央区のためには「反対」するのが当然と言えよう。

私は、昨年12月24日に、維新に対して離党届を出していた。同書には「パワーハラスメントとマタ二ティハラスメントが、許容できる範囲を超えたため」、と記した。

そもそも、維新は組織の体をなしていない。維新の中では、橋下市長を「社長」と呼ぶ。いろんな議案の話をしていても、「社長がやりたい、こう言っているから」、に終始。結局、維新の議員は起立要員でしかなかった。

2年ほど前、維新がタウンミーティングに使うパネル作り始めた。橋下代表が見て「あのグラフは詐欺でしょう。嘘ではないけれど」と言った。

政治家だったら、国民、府民、市民にたいしては「本当」のことを伝えて、どう思うか問うべきだろう。

何と、そのグラフはそのまま使われている。この時から、この組織は、自分とあまりにかけ離れていると、思い始めた。

維新の最大の問題は、誰も責任をとらないということだ。今も維新の人気が衰えないのは、不景気だからだろう。都構想で不景気がなんとかなるのではないかと思っている。

「大阪都構想」は、市民全員が被害者になる可能性がある。だから、私は賛成する訳にはいかなかった。>以上

ところで、上記は「新潮45 5月号・大阪都構想の大嘘」に掲載された4編中の2編である。しかし外部にあまり漏れない貴重な大阪維新の党内事情とこれに対する元党員の真意を初めて読んで、大いに参考になった。

橋下徹大阪市長(維新の党最高顧問)は、「大阪都構想」の可否を決める市民対象の住民投票で、反対が過半数となった場合、12月の市長任期を満了した上で「政治家を辞める」と市役所の記者団に語っつている。

理由 として「住民からノーを突きつけられたら僕の感覚が狂っていた、政治家 としての能力がなかったということだ」と述べた。<共同通信>
その意志は、今も変わっていないのだろうか。

今晩も各地で、維新・野党・主催の「都構想討論会」が開かれている。住民投票の告示は4月27日に迫って来た。熱気が段々盛り上がっていく。


    
2件のコメントがあります
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    アジアさん
    2015/4/20 12:16

    こんにちは

    議論が足らんとか?言われるが大阪府民も半分、半分反対する意味もわからんけど、一番まともな政治家が橋下氏だと思うけど

    都構想の名前は勘違いしやすいのか??

    大阪を借金まみれから少しまともにした実績!自分は大阪府と大阪市を一つにするしかないとずっーと以前から思っていたので

    大阪府民も馬鹿としがらみ連中も多いのかな?

    それとも変えたくないと言う日本人気質なのか??

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    jojuさん
    2015/4/21 00:30

    連合が反対するなら正しいのでしょう。


     二重行政解消で職員数は漸次減る。

     連合(幹部)の労組費収入も減る。

     その分、府民の負担が減る。

     府民的には良いことでしょう。

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