仁戸名のはんじさんのブログ

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気になる記事から!

 14日の日経新聞に、富士フィルム、エボラ熱「治療薬」で注目 と最近の詳しい状況が載っていた。

 富士フィルムHDが手掛ける医療品事業に世界の視線が集まっている。西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱に、同社のインフルエンザ治療薬が効く可能性が高まったためだ。医療品事業に参入して6年。後発の同社が世界の「注目株」に化けた背景には、製薬大手が手掛けない独自分野に狙いを定めた戦略がある。

 「追加の出荷体制を急ぎ整えよう」。富士フィルム傘下の医薬品会社、富山化学工業の富山事業所(富山市)で、インフルエンザ治療薬「アビガン(一般名ファビビラビル)」の増産準備が急ピッチで進む。2万人分の在庫に加え、30万人分の原料を使い今月内にも追加生産に踏み切る。

 アビガンはエボラ熱では「未承認薬」だが、欧州で投与された4人のエボラ患者のうち、最初に投与されたフランス人看護師は先月退院し、スペインの女性も回復した。ギニア政府は今月内にも、アビガンを実際の患者に投与する臨床試験を始める。その結果を待たずに増産するのは、それだけ効果に自信があるためだ。小森重隆会長兼最高経営責任者は「非常事態を救えるのはうちの薬しかない」と語る。

 3代分野に絞る。

 後発の富士フィルムが医薬品で存在感を示す理由を探ると、参入の経緯に行き着く。デジカメ普及で縮むフィルム事業に代わる柱に医療品を掲げたが、大手と同じことをしても勝てない。出した答えが新規性。「癌」「認知症」「感染症」の三大分野に絞り、他にはない仕組みで治療する医薬品開発を狙った。買収対象に浮上したのが富山化学だ。「これは面白い」。戸田雄三取締役は驚いた。富山化学が当時開発中の「T-705(現アビガン)」は、他のインフル薬と同様にウィルスの増殖を止める効果があるが、方法が全く違ったのだ。

 タミフルなどがウィルスを細胞内に閉じ込めて増殖を防ぐのに対し、アビガンは細胞内でウィルスが遺伝子を複製すること自体を阻止する。仕組みが違えば、新型インフルなど既存薬がきかない場合でも効果が期待できる。原理的にエボラ熱等に効くこともわかった。開発中のアルツハイマー型認知症治療薬も神経細胞が死滅するのを防ぐもので、やはり既存薬と仕組みが異なった。

 さらに驚いたのは、治験入りから製品開発に至る確率だ。富山化学は薬43%と製薬業界の3倍以上だった。「ぜひ傘下に収めましょう」。戸田氏が進言すると、小森社長(当時)は買収を決断。富山化学に出資していた大正製薬を口説き、赤字の会社に1300億円を投じて08年に買収した。買収後は富士フィルムの持つ技術を注入し、「生産効率を3割上げた」(小森会長)。強い分野をひたすら追求する研究色の強い富山化学に資金や人材を重点投入し、開発スピードを速めた。

 課題は収益貢献

 富山化学だけではない。富士フィルムは放射性薬品などの会社も相次ぎ買収した。再生医療では国内で唯一再生医療製品の認定を受けたジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J・TEC)に出資。年内に子会社化する。

 新分野を狙う効果は大きい。「世界中から共同研究の申し出がある」(石川隆利取締役)。アルツハイマー病治療薬では京都大学の中山伸弥教授が率いる京大IPS細胞研究所と研究を開始。アビガンもドイツの研究者が動物実験でエボラ熱に効果があると発表し、注目されるきっかけとなった。富士フィルムの独自戦略が奏功した格好だ。

 とはいえ、同社の医療品事業は緒に就いたばかり。富山化学は黒字化したとはいえ、売上高は350億円程度。医療機器を含めた富士フィルムの医療事業の売上高も3800億円と、1兆7000億円の武田薬品工業などに比べて小粒だ。「医療分野を18年までに1兆円事業に育てたい」(小森会長)。富士フィルムの株価は14日終値で4019・5円と、アビガン注目前の8月初めから37%上がった。「エボラフィーバー」の話題先行でなく、市場が冷静に評価するには抗がん剤などの新薬を早期に開発し、主駅貢献という結果を出す必要がある。

 


 以上。

いろいろな意味で、気になる記事だ。エボラがアビガンにより、終結するようになれば、ノーベル賞もの。会社の姿勢いいね。週末に50円高の4069・5円。

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