バラの会さんのブログ

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仕掛けられた『ジャパン・ラッシュ』の真実

仕掛けられた『ジャパン・ラッシュ』の真実(上) 「デフレ縮小化」で日本が世界の中心となる
 
 
 「これは大変なことになりそうですね・・・」
  

私の研究所は、マーケットとそれを取り巻く国内外情勢を分析するにあたって、わが国屈指のデータ分析プログラムを開発した「パートナー氏」とコラボレーションしている。パートナー氏はこの「人工知能(AI)」にありとあらゆるマーケットのデータを入力し、実に精緻な数値分析を行う。対する私は、インターネット上の公開情報を分析する。そして、これらの二つの分析結果をパートナー氏と突き合わせるのだ。


■ゴールド・ラッシュのように、日本に殺到する外国人
 
そうした作業を日々淡々と重ねていく中で11月中旬頃からパートナー氏が語り始めた言葉。それが冒頭に書いた言葉だった。
 
何が一体“大変”なのか。――要するに「外国人」たちが日本マーケットに文字どおり“殺到”しており、その様子が尋常ではないというのだ。その様子は例えて言うならばかつて米国のカリフォルニアで起きた「ゴールド・ラッシュ(gold
rush)」のようなものなのだという。

 
6日に上梓したばかりの小著最新刊『ジャパン・ラッシュ――「デフレ縮小化」で日本が世界の中心となる』(小社刊)は、その名のとおり「なぜこれからわが国のマーケットに世界中からマネーと人々が殺到するのか」について記したものである。そこにも詳しく書いたとおり、私は遅くとも今年(2013年)12月には外国人たちが日本マーケットに殺到する「ジャパン・ラッシュ」とでもいうべき事態が生じると、前々から考えていた。一方、この本の草稿を書いたのは10月後半。その後、半月ほどして、目の前でそれが現実になり始めたということになる。
 
なぜ今、起き始めていることが“大変”なのか。その理由を簡単にいうとこうなる:
  
  
●11月12日から日本株マーケットでまず仕掛けはじめたのは、欧州系年金基金ファンドであった。この時、平均株価で見ると明らかに強気なラインで彼らは買い始めた。これが全てのストーリーの始まりたった
  
 ●これに慌てふためいたのがそれまで「日本売り」を仕掛けてきていた米系ヘッジファンドたちだ。ロスカットのラインを超えて悠然と買いを入れていく欧州系年金基金ファンドたちを見て、仰天する。そして慌てて売りポジションを畳み、今度は猛然と買い戻し始めたというわけなのである


 
●こうした「日本マーケットで異変」というサインを次に巧みに嗅ぎ取ったのが米欧のグローバル・マクロ系ヘッジファンドたちだ。1000億円を越えるマネーを瞬間移動させ、わが国マーケットへと投げ込み始めた。日本株は一気に息を吹き返したように動き出し、瞬く間に平均株価は1万5000円を越えた


●ちなみに2013年初夏頃より、日本株マーケットでは一つの暗黙のルールがあった。機関投資家たちが行うことの出来る取引の一つに「裁定取引」がある。それによって現物買が積もり重なり、いわゆる「裁定残」が25億株を超えると今度は現物売り・先物買いが始まるというパターンが繰り返されていたのである。ところが11月中旬からは「裁定残」の膨れ上がり方はとどまることを知らず、瞬く間に25億株を超えた。もう間もなく30億株になるといった勢いを早々から見せ始めたのである

 こうした動きをマーケットで創り出したのは私たち日本人ではない。そのことはマーケットで示される様々なデータから明らかだ。端的に言うと「外国人が殺到、日本人は半信半疑でむしろ売り続ける」という流れが顕著だったのである。つまり「ゴールド・ラッシュ」ならぬ「ジャパン・ラッシュ」を創り上げ、そこで日々利益を上げてきたのは我が国に住む日本人ではなく、外国人たちであったというわけなのだ。
 
だが今や「25億株」という「矩」を越え、未体験ゾーンへと押し出された日本株マーケットなのである。そこに加えてドイツでは大連立政権樹立に向けた合意が成立となり、ユーロ価が上昇。反射的効果として日本円は下がり、一気に「円安」へとなり始めた。そう、またしても欧州が先行して動いたというわけなのである。「ジャパン・ラッシュ」を確信的に演出しようとする確固たる意思が、はっきりと見え始めているのだ。
  

「インターネット上で無数に流されている公開情報をまずは拾い、そこから正しい意味を読み解く。それだけではなく、その『意味』を未来に向けて照射することによって自分自身のロードマップ(予測分析シナリオ)を創っていく」―――これが私の研究所がかねてから研究・開発し、教育・研修してきている“情報リテラシー(information
literacy)”である。しかしこれに対して、残念ながらこうコメントしてくる方がいまだに後を絶たない。

 
 
  「原田さんは要するに、投資顧問になりたかったのですね。金融マーケットに関心が向いたので外務省を辞めたのでしょう?」


■欧米によって、押しつぶされてしまうという危機感
 
せっかくの機会なのでこの場ではっきり申し上げておく。私が古巣である外務省を自らの意思で飛び出し、わが国でたった一つの独立系シンクタンクを創ったのは自ら金融マーケットの参加者になろうとしたからでは断じてない。そうではなくて、12年間ではあったけれども、皇室外交から北朝鮮、そしてホワイトハウスから総理官邸まで、わが国と世界の現場で外交官としての経験を重ねれば重ねるほど、強く想ったことが一つあったからなのだ。
 
 それは「このままいくと、わが国は米欧によって押しつぶされてしまう」という強烈な危惧だった。そして何よりも「そのこと」について私たち日本人が余りにも無自覚であることについて強烈な焦りを覚えた。


「何をきっかけにそう思うようになったのか」
  
私はしばしばこう聞かれることがある。その度に「対北朝鮮外交を担当し、実際に平壌に乗り込む中で米国の真意を知ったことから全てが始まったのです」と答えることにしている。
 
外務省でキャリアの外交官であった私には、当時、実に様々な人物たちが寄ってきたものだ。その中でもとりわけ目を引いたのが、アメリカの「本当の権力」へと連なっている人脈に属する人々だった。そして私はアメリカ人でありながら完璧な日本語を操り、下手をすると、日本人である私以上に、日本のことに詳しい彼・彼女らを見て気づいたのである。
  
 
「外交や安全保障は、そのものとして存在しているわけではない。全ては金融資本主義を動かすための、道具立てに過ぎない」


 「米欧を本当に統治している集団は、互いにつながっている。そして彼・彼女らにとって大事なのは“血統”であり、他方でこの集団はインテリジェンス機関、そして金融マーケットを縦横矛盾に動き回る“越境する投資主体”と切っても切れない関係にある」
 
「インテリジェンス機関による非公然活動(covertaction)で公然とマスメディアを操作しているのも彼・彼女らである。その触手は今やインターネットにまで及んでおり、全ての個人情報にアクセスすることが出来る」


 来年(2014年)1月に行う恒例の年頭記念講演会でも詳しくお話ししたいと思っているが、実はもう一つ、当時(2003年頃)の私がはっきりと気づいたことがある。いやもっと正確にいうと、彼・彼女らにこう言われたのである。
 
「これから2015年までの間に起きる一連の出来事によって、日本が世界の中心になる可能性が高い。だが同時に、それらの出来事によって、真っ先に潰されるのが日本となる可能性も同じくらい高い。いずれにせよ、決着は2020年までにはつくはずだ」
 
これを聞いて、当時の私は一体何が何だかわからなかった。しかしこの言葉を聞いてからというもの、私は自分を押し出す風のようなものを、日々感じるようになった。そして2005年3月末、「なぜわざわざキャリアの外交官という立場を自分の意思で捨てるのか」と多くの人々に言われる中、私は外務省を去った。そうしないといけない、もっと自由な立場にならなければこの謎のメッセージに対して、日本人である自分なりの答えが出せないと強く想ったからだ。
 
あれから実に8年以上の月日が経った。そしてようやく今、つかむことの出来た「答え」を広く知らしめるために書いた本。それが小著『ジャパン・ラッシュ』というわけなのである。

 

2件のコメントがあります
  • イメージ
    権左衛門さん
    2013/12/7 18:11
    今晩は。。。

    まあ、この手の話は、相場をしている人は対外知っていることで。。。
    別に、目新しいことではないのですが。。。

    一応、本になると特別な事の様な感じに受け取る人もいるのでしょう。。。

    なんでも、=満れば欠けてくる。。。=と言うのは
    今更、言われても。。。という感じがしますが

    何が、欠けてくるのか。。。
    それを知りたいところではあります。
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    バラの会さん
    2013/12/8 07:36

    権左衛門さん

     

    欧米に勢いがない以上

    何処かが牽引しないと・・・

    と云う感じでしょうか。?

     

    先進国と新興国の境目がなくなった。

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