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自転車事故、迅速解決へ 都内に初の専門仲裁機関

 環境に優しい交通手段として自転車がブームとなる一方で事故が増加する中、訴訟より手続きが簡単な調停や仲裁で解決を目指す「自転車ADRセンター」が二十六日、東京都港区の日本自転車普及協会内に開設された。協会によると、自転車事故を専門にするADRセンターは全国で初めて。 

 自動車に乗る場合は自賠責保険に入らなければならないが、自転車は加入を義務づけられている保険がない。そのため自転車同士の事故や歩行者との事故でけがをした場合、賠償をどうするかといった問題が起きやすい。数十万円の高価な自転車もあり、壊れた場合に高額な賠償請求をされる可能性もある。調停は、訴訟より早く結論が出て費用も少なくすむ利点がある。

 自転車ADRセンターは、自転車と歩行者の事故、自転車同士の事故、自転車による器物損壊の三種類のトラブルを扱う。

 センターではまず相談を受けた後、事故やトラブルの当事者が調停を申し立て、相手の当事者が応じれば調停委員会が開かれる。センターでは弁護士一人を含む計三人の調停委員が当事者から話を聞き、和解をとりもったり仲裁したりする。

 自転車をめぐっては、信号無視や酒酔いなど悪質な乗り方による事故やトラブルがあり、歩行者との事故も増加傾向にある。警察庁の資料によると、自転車と歩行者の事故は二〇〇一年は千八百七件だったが、一一年は二千八百一件で一・五倍に増えた。警察庁が今月発表した道交法の改正試案には、自転車で悪質な違反を繰り返した場合、安全講習を義務づけることなどを盛り込んだ。

 日本自転車普及協会の担当者は「センターで調停の事例が増えれば、将来的には集まった事故の原因を分析し、道路の改善なども提言したい」と話す。

 自転車事故に関する相談や調停手続きは東京や神奈川、埼玉、愛知などの行政書士会のADRでも受けつけている。

 自転車ADRセンターの相談は毎週月、木曜の午前十時~午後四時。調停の申立手数料は五千二百五十円。和解が成立し損害賠償額が確定した場合、百万円以下は三万円、百万円を超えると二十万円ごとに三千円の手数料が必要。問い合わせは同センター=電03(3583)2633=へ。

 <ADR(裁判外紛争解決手続き)> 法的トラブルを解決するため、裁判を起こさずに当事者以外の第三者が関わる仕組み。調停委員会による調停のほか、あっせん、仲裁などがある。民事訴訟と比べて申し込みが簡単で費用が少なくすみ、時間がかからないといった特徴がある。裁判所で一般市民から選ばれた調停委員や裁判官による民事調停の手続きや、行政機関、法務相の認証を受けた民間機関による手続きなどがある。法務相が認証したADR機関は26日現在、弁護士会や司法書士会、公益社団法人など121団体。金融商品や消費者問題、労働紛争、スポーツなど幅広い分野の紛争解決に取り組んでいる。

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