衣雲さんのブログ
オーストラリアの大富豪が中国に発注した「タイタニック」は??
日本海事新聞 2012年2月12日(火)
オーストラリアの大富豪が悲運の船「タイタニック」を模したクルーズ客船「タイタニックII」を中国の造船所に仮発注し、2016年にも就航させる-というニュースが昨年4月に報じられ、一時は業界をにぎわせたことがある。その後、「デザインコンセプトができた」「運航船社の立ち上げ準備が始まった」などの続報が流れた。今度は、今月16日夜にマカオのリゾートホテルで「タイタニックII」の構想を説明するディナーパーティーが計画されているといった情報が入ってきた。(中略)
しかし、その後の関係者の調査によって、新船を仮受注したとされる中国・江蘇省の長航重工金陵造船所には「同船のような豪華な客船を建造する技術も能力もない」ことが判明。厳しい経営環境下にある中国造船の受注競争を浮き彫りにした形となった。(以下略)
オーストラリアの富豪が悪趣味なのはおいといて、中国の造船所側について日本は笑ってばかりもいられません。日本の産業界だって昔は「やったことのない仕事」を請け負って、それをちゃんとこなして成長してきたのですから。韓国の産業界も、作れもしないビルや橋を受注して今にいたってます。韓国の場合は未だにちゃんとこなすことができず世界中に多大な迷惑をかけてますが・・・。「できるかどうかわからない仕事」を請け負うというのは成長期の国や企業につきもので、こうした仕事を通して信頼を獲得していくものです。ソニーだって京セラだってそうやって大きくなったのでした。
中外運長航重工金陵船廠はRORO船、タンカー、コンテナ船、ばら積み船などで実績がある造船所で、パナマックス級のばら積み船を建造することのできる技術と能力は十分にあります。全長269.1m、総トン数46,328トンのタイタニックに匹敵する大きさの船体を建造することはおそらく可能なはず。・・・とはいえ、貨物船と豪華客船とでは建造の難しさ、建造コスト、造船所の請け負うリスクと何一つとっても全く別物です。ましてや巨大豪華客船のレプリカを建造するとなれば、更に特殊な技術が必要となるのではないでしょうか。個人的な意見としては、普通のクルーズ船すら一度も作ったことのない状態での受注は無謀だった様に感じられます。でも、もしかしたら・・・と、少しだけ思わないでもありません。
大型クルーズ船は受注額が1隻あたり10億ドル超にもなりますが、三菱重工のダイヤモンドプリンセス号建造のときのように一度火災を出せば数億ドルにも及ぶ損失を出すことになり、よほど体力のある造船所でもない限りそのまま建造自体が頓挫することになるでしょう。工程が複雑な分、そうした事故の可能性も格段に上がり、それ相応の管理体制が問われます。金陵船廠は本気でタイタニックIIの建造を進めるならば、中小規模のクルーズ船を並行して受注することで技術的な蓄積を図らなければなりません。逆に、地道な努力を積み重ねて本気で建造を進めていくならば、中国の豪華客船建造への参入は韓国(というかSTXが買収した欧州の造船所)や日本、ドイツなどにとって脅威になるでしょう。
とか、調べてしまうセセコマシイ性格の自分が恨めしい(笑)
なるほど、そうかもしれませんね
お客さんがムチャぶりしても日本の企業は「できる」といったらちゃんと形にします。これなら安心して発注が出せますよね〜。
中国の企業の中にもわりと頑張ってる企業はありますが、日本みたいにお客さんを大事にはしてないかもしれませんね。
中外運といったら中国を
代表する物流企業なので、ぜひ頑張って欲しいのですが
IHIいいですね〜
IHIの造船部門から独立したIHIマリンユナイテッドは、最近
ユニバーサル造船(JFE+日立造船)と経営統合してジャパンマリンユナイテッド(JMU)になりましたが、
どうなるんでしょうね〜。半分JFEで、その半分が旧日本鋼管だから、
歴史的に見たら佐世保重工の大失敗をどうしても思い出してしまいますが(笑)
で、JFEの残り半分の川鉄だから、JFEの船は川重とJMUのどっちに作らせるんだろう?とか・・・
あとNSユナイテッド海運
が新日鐵系列でジャパンマリンユナイテッドがJFE系列とか、
すごく紛らわしい・・・そういうネタはどうでもよいですね、はい
三菱重工と三井造船は鉄板ですね
私は川重が好きなので(株は買ってませんが)、川重に頑張って欲しいです
私が20歳台前半の時、ちょうどバブルでした。
デートで、東京湾クルーズというのが流行っていて、
当時の彼氏とその船に乗ってみたことがあります。
船で食事をした気がしましたが、
今思えば、、、
ちょっと「おばか」っぽいデートですよね~(o´д`o)=3
もの作りに対する基本的な思想と言えば大げさですが、大本が違うんでしょうね。
中国人はこのような大きな商談でなくともまず「出来る」から入ります。
つまり日本で言えば、良い製品を客先に提供するといういわゆる「おもてなし」の精神が根底にあってのもの作りと拝金主義との違いではないかと思います。
そこで、ユーザーが製造能力をどう査定するのかというところでの今回の中国の失注は根底の精神にはおそらく関係ないでしょうが、もしかしたら何か胡散臭さを感じたのかも知れません。
やはり日本は最先端省エネ船に力を入れるべきだと思います。
三菱重工
IHI
日立造船
三菱造船
銘柄としては
IHIを狙っています。