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米国債格下げの理由

米国債格下げ:政府の財政再建取り組みが不十分との判断

 【ワシントン斉藤信宏】米格付け大手S&Pが米国債の長期信用格付けを「トリプルA」から「ダブルAプラス」に引き下げたのは、膨大な赤字を抱える米政府の財政再建に対する取り組みが不十分と判断したためだ。

 米政府債務上限引き上げ法は2日、成立したが、与野党の対立で米財務省の設定した引き上げ期限ぎりぎりまで混迷が続いた。今後10年間で9000億ドル(約70兆円)超の歳出を削減して財政赤字を減らすことを決めたほか、超党派の「特別委員会」が11月下旬までに最大1.5兆ドルの財政赤字削減策を提案する。

 しかし、S&Pは元々「4兆ドル規模の抜本的な財政赤字削減策で合意しない限り、90日以内に格下げする可能性は少なくても50%」との見解を公表し、米政府に財政再建への積極的な取り組みを促してきた。オバマ米大統領も当初は、富裕層を対象にした増税策を盛り込み「4兆ドル規模の財政赤字削減」を目指したものの、与野党折衝の中で、こうした大胆な赤字削減策は削除され、赤字削減規模は2.4兆ドルにとどまった。S&Pによる格下げ判断の背景には、米議会の与野党対立の激化が今後も財政赤字削減の妨げになるとの観測もあるものと見られる。

 米国債の格下げに伴い、週明けの市場で米長期金利が急上昇(国債価格は急落)する恐れがある。米金融大手JPモルガン・チェースの債券部門責任者は「格下げに伴い米国債の利回りは最大で0.7%上昇し、米政府の資金調達コストは1000億ドル超も増加する」と予想する。

 先進7カ国(G7)のうち国債の格付けがトリプルAから引き下げられたのは、イタリア(Aプラス)、日本(AAマイナス)に続いて3カ国目だが、両国に比べて影響は極めて大きい。

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