SiGe夫さんのブログ
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80点はいいことだ
仕事のはなし。
2週間ほど前から、短期ヘルプという形で担当製品が変更になりました。
新しく担当になった製品は問題が起きているけど不良解析の進捗が悪くて、お客さんと約束してきた納期が守れるかどうかの瀬戸際、崖っぷち。
チームの人たちは3ヶ月間、不良解析に毎日遅くまで奮闘していたるのですが、見ていてどうにも手際が悪い、というか、せっかく測ったデータの見方や、実験を行う目的、結果などの見通しの悪さが目立ちます。
簡潔に言うと、「データが泣いているぜ」ってとこでしょうか。
エンジニアの難しいところは、あらかじめ正解が用意されていない問題への挑戦であり、それはすなわち、自分が出した答えが正解かどうかがわからないことにあります。
ならばどうしなければならないかというと、自分で出した答えを「正解にする」こと、自分で出した答えに自身を持つこと、そして「腹をくくる」こと、これだと思います。
自分が信じて腹をくくったことを結果的に「正解」にすることができ、お客さんに喜んで使ってもらえてお金も入る、それがエンジニアにとって、給料に見合わない激務をやる中での心の支えであり、楽しみであります。
ヘタうったときについて回ってくる責任云々とかメンドクセーことは、給料を沢山もらっている人達にとってもらえばいいだけさ~。
さて、ここからが本題なのですが、周囲にいる若手のエンジニアは、「腹をくくる」ことができない人が多いと感じています。
ここ2週間、チームの仕事をしていてそれを感じました。
チームのメンバーは、業務の進め方を自分たちで決められないが為に、現場に立っていない有識者のお年寄りたちにデータを見せて考えることを委ねてしまっています。
その末路が、言われるがままに動く測定マシーンになってしまい、自分がやっていることの目的がわからないまま生気のない目をして仕事をしている後輩たちの姿でした。
この問題は、別のチームを見ていてもその雰囲気が伝わってきます。
ただ今回の問題、指導、教育を受ける機会や、経験が十分でない若手達が、「年寄り」たちにおんぶに抱っこな状態に仕向けてしまった会社に責任があると思います。
(少なくとも、後輩達に非があるなんてこと絶対に思えないし、そんなことを言う人がいたら許せない)
で、仕事のほうに話を戻しますが、「話は俺がなんとかうまくやるから、全員、自信をもって腹をくくろうぜ」とチームの皆と話をしてレビューに望みました。
結果、どうにか「有識者のお年寄りたち」を言いくるめることができ、昨日は久方ぶりの早帰り、打ち上げで3時まで飲んでました(笑)。
さて、タイトルの「80点」の意味ですが、私が行ったレビューの内容、自己採点は「80点」です。
それが意味するところは、データをちょっとだけサバ読んだり、不良のモデリングに脚色をした内容になっているから「減点20」、だから得点は「80点」となります。
但し、スタートとゴール(結論)に嘘偽りは一切ありません。
言うならば、こっそり近道をした、ってとこでしょうかね。
80点というのは便利な点数で、大学の評価なら最上位の「優」がつきますし、60点を80点にあげるのは、経験上、手間隙はそれほど大変ではありません。
但し、同じ20点アップでも80点を100点にするのは相当な困難、というか、運次第になってしまい到達できないケースがほとんどです。
私は今回のレビューで減点分の「20点」をどうでもいい部分に回しました(不良の原因の根本から外れた部分や、数値不確かな要素が多くその範囲内でサバを読んだ等)。
そして、絶対に減点してはいけない部分に80点を分配しました。
その結果、自己採点は80点、でも「年寄り」たちの採点では80点以上がついたと思っています。
これはお客さんとのやり取りでも同じで、80点の商品は、どこかしらに他社の製品よりも優れたものがある、だからそれを上手に扱えば、お客さんにとって100点の製品にもなりうるし、一歩間違えると0点の商品にもなってしまいます。
さて、こんなことを書いたのは、開発現場の現状を憂いている上司から相談を受けたからです。
その回答として、これまで書いたようなことを話した上で、「80点と-20点の割り振り方がわからない人や、100点を合格点にしている人が多いように周りを見ていて思う」と言って話を〆ました。
私は、いかなる場合でも「100点」と自己採点してはいけないと思っています。
だって100点取ったらそれより上が無くなってしまいオシマイになってしまうから。
80点っていうのは、自分に対して「優」がつけられて、周囲に対して100点とアピールすることも可能であり、次の目標を作ることができるとっても便利で都合のいい点数です。
更に言うと、20点は減点されても大丈夫、と思うことで自分自信が楽になります(減点0が必須の100点というのは物凄いプレッシャー)。
私はこれからも目標80点で仕事をしつつ、でも心の片隅では100点を目指して生きていこうと思っています。
ちなみに、こっちの世界で稼いでいる人は、腹をくくることは慣れているでしょうから、物作りの世界でも十分やっていけると思いますよ(笑)。
今回は完全に単なる日記になってしまいました。
ではでは~。
どれが本物かわかりませんが、多重人格であるという共通認識が、みん株内では定着しているようです。
確かに、クレームへの第一報は24時間以内ってのがよく言われてますね。
クレームを入れた側としては、(メールの自動応答ではなくオペレーターから)「確かに承りました」の一言でもすぐに返事をもらえるだけでも、かなり安心するものです。
弊社内のルールで「凶報は3時間以内に報告」ってのがありますがこれも同じことですね。
勉強になります。
それにしても、ご自身の日記を書いている九尾猫さんと、私の日記にコメントしている九尾猫さんは本当に同一人物ですか(笑)。
って、言いたいとこですが、本当に仕事のできる人は、余裕をもって行動しているように見えたり、ユーモアや笑顔を常にもっている方が多いですね。
これからもよろしくお願いします。
ではでは~。
>NineTailedCatさんにとっての「100点」とは「自分のできるベスト」、という意味なんですね。
はい、概ね、その通りです。
目標は高くと言うのが一般的です。
ただ、一概に高ければ良いというものでもありません。物事には多面性があるので、使い分けが必要になります。よって、100点をどのように設定するかも、変わります。要は、状況しだいだとも言えます。
よく、成果物を出すのに、QCD(Q:品質、C:コスト、D:納期)を目標設定に使いますが、それらが全て達成できることを100点にしないケースもあります。重みづけが場合場合によって変わる事があるのです。
たとえば、クレームや商品の不具合の一次回答については、何よりも、素早い回答が求められます。多少の要因解析が甘くてもよいから、回答納期を最優先します。納期が守れなければ、どれだけ要因解析をコスト内で、確実な回答ができたとしても、0点にされてしまったりします。この場合、内容は60点でよい。もしかすると40点でよいかもしれませんが、回答時期が、相手の期限よりも、どれだけ早く回答できるかで100点が120点になったりするかもしれません。
ところが二次回答では、内容が重視されます。この時に不十分な要因解析結果を出すと、一次回答で100点だったのが、いきなり50点を付けられてしまう可能性があります。
状況に応じて、100点(つまり自分の目標)は何なのかを考える事も大事だと思います。
結構、物事の多面性を理解して考えなければならないので、経験や訓練も必要です。なので、目標の設定方法を考える事も含めて、がんばって自分を磨いてください。
はじめまして。おはようございます。
コメント&アドバイスありがとうございます。
>この認識はいけません。貪欲に100点を狙いましょう。最初から80点を狙うと、65点しか取れません。合格点すれすれを狙うと、不合格になります。
>100点をねらって、結果、80点しか取れないというのが相場であり、社会です。(後20点は狙ったところで、取れない可能性が高いだけです)
なるほど。NineTailedCatさんにとっての「100点」とは「自分のできるベスト」、という意味なんですね。
言い換えれば、常に100点を目指して、仮に「100点が取れた」と思っても、「80点だった」と常に自分に言い聞かせる or 反省すべき点を考えることが大事、といったとこでしょうか。
勉強になりました。ありがとうございます~。
よろしければフレンズおねがいします。
ではでは~。
>そういえば、株の売り時買い時も、80点狙いが基本ですよね。
この認識はいけません。貪欲に100点を狙いましょう。最初から80点を狙うと、65点しか取れません。合格点すれすれを狙うと、不合格になります。
100点をねらって、結果、80点しか取れないというのが相場であり、社会です。(後20点は狙ったところで、取れない可能性が高いだけです)
100点を目指す気持ちが一番大切なんですよ。取れる取れないじゃないんです。
まあ、そう思って、がんばってください。
>エンジニアの世界に限らず、能力を求められる世界では、
>まず、問題意識と目的意識をもって、
>達成までのストーリーを思い描くことから始まると思います。
おっしゃるとおりでございます。
私が仕事をする上で常に心がけていることは、スタートとゴールを明確にすること。
ゴールの姿をあらかじめ予想しておくことです。
そうすれば、ストーリーの変更が入っても対処できますからね。
手を動かすよりも、頭を動かすほうに時間を裂くのが理想とする仕事のスタイルです。
そういえば、株の売り時買い時も、80点狙いが基本ですよね。
ではでは~。
コメントありがとうございます。
何かと悪く言われがちな「最近の若い衆」、頑張っています(ってか私もまだ30歳なんですが(笑))。
先行きの見えず、年金もあてにできず、景気が良くなる期待もできず、不安をあおるようなニュースばかり流れる社会の中、老後の不安を感じながら日々節制して、会社の業績が悪くならないように、会社に切られないように必死で仕事している若い衆に、退職金も年金も貰えることが約束されている年寄りが「もっと覇気を出せ」とか偉そうなことを言われる。
理不尽極まりないことだと思います。
>可哀想なのは、今のそう言う若い部下達で何にも教育されて来なかった事だと思います。
私もそう思います。
ものづくりにおける現場において、年寄りたちの世代が新入社員だったころと時代と、今とでは、ありとあらゆるものが違うはずだと思います。
例えば、大学での教育と、企業が持つ技術とのギャップは、昔と比べて遥かに大きいと思います。
そして、手探り、暗中模索でもどうにかできて、顧客の要求も厳しくなく、景気がいいからバンバン物が売れていた時代を過ごしてきた年寄りたちに、可哀想な今の若い衆は頭ごなしに叱られてます。
「お前らが俺たちと同じ年、同じ時代に生まれてこの場にいたら、お前らは今言っている言葉通りにできるんだろうな?」
そう思うこと、何度もあります。
あと、退職一時金(退職金の年払い制度)も良くないですね。
あれは、若い社員を会社から離れやすくするだけでなく、年長者のブレーキを外します。
具体的に言うと、制度改正のときに勤続年数相当分の退職金を清算してしまうので、貰える予定だった額のほとんどを前払いで受け取ってしまった年長者は仕事に対するスタンスが変わります。
特に目立つのは、「趣味」で「仕事」をしていた人が、「仕事」を「趣味」にしてしまうこと。
趣味はお金がかかるもの、仕事はお金を稼ぐもの、仕事を趣味にしたら商売になるわけありません。
でも、年長者の人たちは別にそれでもよくなっちゃうんですよね。
会社がコケたり、自分がチョンボやったことで退職金に傷がつく、という一番恐れていた心配事がなくなるから。
そういった人間に、権限持たせてちゃダメだって。
で、神さま仏さまさんがおっしゃっているように、若手を教育する機会がないことは上司も理解しているようで、あろうことか、若手社員の教育係に任命されてしまいました。
ボスからの注文はたった一つ
「お前がこれまでやってきたことを整理して、仕事のやり方を教えてやってくれ。」
そこまで言われたらやらないわけにはいかないでしょう、と密かに燃えております。
よろしかったらお友達になってください。
ではでは、失礼します~。
ここで言う腹をくくれないというのは、
元から問題意識と目的意識が欠如しているのが原因ではないでしょうか?
エンジニアの世界に限らず、能力を求められる世界では、
まず、問題意識と目的意識をもって、
達成までのストーリーを思い描くことから始まると思います。
学校のテストと違って、実社会は「正解が無い」世界ですから。
わたしも80点タイプですね(笑)。
とにかく目標を達成して、取り残したところは
後から他の人に拾ってもらっています。
(・o・)ノ
今の若い社員は、アレが出来ないコレが出来ないと偉いさん達は言うけれど
可哀想なのは、今のそう言う若い部下達で何にも教育されて来なかった事だと思います。
仕事の進め方なんて教科書に載ってないですから。
(^_^;)
這い上がって行ける人は、教えてもらわなくても、上手にテクニックを盗み、上手く仕事が進められるんですけどね
(^_^;)
みんながみんな、そんな器用じゃないです。(笑)