mino777minoさんのブログ

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1995→2010世界大恐慌 資本主義は爆発的に崩壊する

ソビエト社会主義共和国連邦がまだスーパーパワーとして世界の一極をなしていた1978年に,2000年までに共産主義は崩壊すると予測し,的中させ,一躍脚光を浴びたラビ・バトラ教授.その他にも,イラン革命などいくつかの大胆な予測は既に現実となっている.ラビ・バトラ氏が共産主義崩壊を予測したとき,同時にもう1つの予測を行っている.それが2010年までに資本主義は崩壊するというものだ.
本書は1994年に書かれたものであるが,資本主義崩壊の予測について,その必然性を示すとともに,資本主義崩壊後の社会システムの在り方を提案している.1995年以降に世界は恐慌に陥り,2010年までに資本主義は崩壊するというのが予測の骨子だが,この予測の背景には「社会循環の法則」がある.この法則は,ラビ・バトラ氏が師と仰ぐサーカー氏が提唱したもので,いかなる社会においても政治的な力の源泉は,武力,知識,富の三つしかありえず,まさにこの順で支配が変遷するという法則だ.
どんな文明においても,最初に政治的な権力を握るのは武人,つまり軍人です.この軍人による支配が数百年にわたって続くと,次に知識を持った人間,知識人による支配がこれにとって代わります.そして,知識人による支配が数百年続くと,次にやってくるのは富裕者による支配です.この支配の順序が,「社会循環の法則」の核心なのです.軍人から知識人へ,そして富裕者の時代へと,社会の支配層は変遷していきます.最後の富裕者の時代には,その支配の根本的性格からいって,貪欲と腐敗が社会に蔓延するのがつねですから,この時代は社会革命を招かざるをえなくなります.社会革命は武力なくしては起こりませんから,当然ながら,その後の社会は再び軍人の時代へと戻っていきます.
現在の欧米諸国が「富裕者の時代」の末期に位置していることは改めて指摘するまでもないだろう.ちなみに,日本は,少し遅れて「富裕者の時代」に入ったとされる.著者は,資本主義腐敗の象徴として,デリバティブによってカジノ化した金融システムを挙げている.そして,富の集中が社会的諸悪の根源であると指摘する.
富が幸せをもたらしてくれると信じる人間は,無限の富を欲し,アルコールが幸せをもたらしてくれると信じると,無制限にアルコールを欲します.無限のアルコールに幸せを求める人を,現代医学はアルコール依存症患者と名づけ,病人であると認定しています.しかし,無限の富が無限の幸せをもたらすと信じている人々を,現代では病気とはみなしません.それどころか,この種の人々が世界を支配しているのが,現代という世界の実態です.
恐慌が起こる理由について,本書には次のように書かれている.
人間社会が貧しい者を救えないときに,自然が社会に代わって,彼らを救おうとします.腐敗した体制を,自然の摂理が打倒しようとするのです.それが恐慌となって現れます.余りにも集中しすぎた富める者の富を,恐慌という形で奪い,貧困者に還元しようとするのです.
この表現からわかる通り,著者は経済学者でありながら,その考え方は実に精神的・霊的な側面が強い.これはサーカー氏の影響によるもので,著者は以下のような教えを受けたと書いている.
「瞑想だけに全生活を捧げるべきではない.瞑想とともに,日々,どんなに小さなことでもよいから人助けをせよ.」
「神はすべてを所有しており,そして,偉大な父なのだから,何も頼まなくともあなたのことは考えていてくれる.」
「神に何かを頼み,そしてもし神がその願いをかなえてくれたとするなら,その結果はかえって悪となる.なぜなら,神は自ら創造した世界のバランスを維持していかなければならず,もしあなただけの願いをかなえれば,他の人の願いを損なうことになる.」
「あなたがほんとうに神を愛し,父と思うことができるならば,神は必ずあなたの必要を満たしてくれます.だから,何も神に望んではいけない.」
そのサーカー氏の思想をもとに,資本主義崩壊後の社会システムの在り方を示すのが「プラウト(Progressive Utilization Theory)」だ.プラウト理論は,富の集中が社会的諸悪の根源であり,それをいかに合理的に防ぐかが大事であるという考えを基礎としている.そこで,医療と教育については社会が個人に無料で保障すること,熟練していない肉体労働者が最低限の生活を送れるだけの最低賃金を保障すること,最高賃金は最低賃金の十倍(究極的には二倍)を上限とすることなどを提唱している.この他にも様々な提言があるのだが,特筆すべきことは,プラウトが精神性を非常に重要視していることだ.この点について,本書には以下のように書かれている.
共産主義と「プラウト」との違いは,富の分配方法にあります.共産主義では分配の権利は,一つの政党あるいは制度がこれを独占しています.共産主義は崇高な理念を述べてはいますが,実際のところは共産党が人民を搾取していたのです.一方,「プラウト」は,伝統的な価値観を無視してはならないと言い続けてきました.この伝統的な価値観とは,精神性です.精神性がなければ誰も伝統的な価値を守ろうとはしません.たとえば,若者に対して人に対する思いやりややさしさを押し付ければ,なぜそうしなければならないのか,という質問が飛び出すかもしれません.なぜ思いやりは必要なのか,やさしいということのゴールとは何なのか,を語ることが必要です.やさしく,思いやり深く,慈悲深ければ,あなたは幸せになれる,というべきなのです.
正直なところ,恐慌ぐらいはイメージできても,資本主義の崩壊が何を意味するのかは,私の理解を超えている.しかし,それでも,現在の世界の延長線上に人類の幸福があるとは思えない.幸福どころか,あるとすれば滅亡だろう.そのような状況の中で,プラウトという考え方には興味を覚えた.
実は,ある人の強い勧めで本書を読むことになったのだが,偶然にもその前に,中矢伸一氏の「日月神示 ミロクの世の到来」(徳間書店,2007)を読んでいた.その中で「プラウト」が紹介されており,ちょうど興味を持っているところだった.これもシンクロニシティだと言うのだろうか.
9件のコメントがあります
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    mino777minoさん
    2010/7/1 23:37
    富裕層と低所得者の格差が招く将来の日本、いや世界の資本主義崩壊への序曲が始まりました。軍人が支配する社会主義へのサイクルがまた訪れるのでしょうか?いやこれは必然的であるのかもしれません。
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    ミノ様 おばんです


    長っ!
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    mino777minoさん
    2010/7/2 00:55
    トンズラさん、こんばんは。

    あはは(笑)たすかに長いですた(爆)
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    権左衛門さん
    2010/7/2 05:33
    mino777minoさん

    おはようございます。。。。

    =正直なところ,恐慌ぐらいはイメージできても,資本主義の崩壊が何を意味するのかは,私の理解を超えている.しかし,それでも,現在の世界の延長線上に人類の幸福があるとは思えない.幸福どころか,あるとすれば滅亡だろう.=
    確かにそんな感じです。。。

    私の感じでは、【いかなる社会においても政治的な力の源泉は,武力,知識,富の三つしかありえず,まさにこの順で支配が変遷するという法則だ.】と気がしますが、

    この資本主義の次の、次の政治的な力の源泉は、【武力】だという事は、無いと思います。
    一時的に=資本主義の崩壊=を止めるために、その様な形態をとっても、
    長続きは、しないでしょう。。。

    その一番良い例が、【中国】のような気がしています。。。。

    あそこは、世界的にも【利己主義】の最たる国で、
    その風潮に【富が力の源泉】と言う事が顕著になり
    =ますます、個人主義・利己主義に走っているような。。。=

    このような社会は、自分国以外を侵略して
    さらに【富を積み上げる事】だけしか頭にないような感じを受けます。。。

    そのような事に対しこうして、ほかの国も同じような事をしたならば
    やがては、終局的な戦争に突入するのでしょうが。。。

    だからと言って私は、【「プラウト」は,伝統的な価値観を無視してはならないと言い続けてきました.この伝統的な価値観とは,精神性です】と言うような
    社会でも無いと思います。。。

    そもそも、世界に否応なく通用する【精神性】と言う物が、存在するのかと言う事自体が、疑わしい。。。と言う気が。。。

    幾ら【富をかき集めても】それで却って、
    多くの人たちとの【垣根】をこしらえてしまって
    結局は、=虚しさや絶望感、そして、人生を生きづけていく意味が見いだせなくなっていく。。。=という現象は、ますます、深くなっていくでしょうが。。。

    それを解決するのに、【精神性】と言う物に求めると
    またぞろ、堂々巡りになっていくような。。。

    之を解決するためには、その様な時代だという
    【限りない危機感】を持つどれだけの人が持つ事が出るかに関わっているのではないかと。。。

    【人生・社会に対する虚無感・絶望感】が漂っう事によって
    初めて=人類は、進化できるのではないかと。。。=
    それが、できなければ、遅かれはやかれ【誰も信じられられない、嫌、自分さえ信じられない。。。】という時代が遣ってくるのかもしれません。。。?

    しかし、昔の人たちのなかには
    【自分さえ信じられない・どう生きたらいいのか判らない。。。】と体の芯から
    感じた時に、初めて、【現実】とは、違う世界を感じたという話があるのですが。。。

    そんなものは、誰もが【眉つば物】で、しかし、それが、常識とならなければ
    世界は終わりに限りなく近づいてゆくような気がします。。。
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    リモネンさん
    2010/7/5 00:19
    mino777minoさん  こんばんは~ 。
        
    > あはは(笑) たすかに 長いですた (爆)
        
    帯に短し “ タスカ ? (襷) ” に長し~   ですねぇ~     ( ^ ^ゞ
       
    > 最高賃金は最低賃金の十倍(究極的には二倍)を上限とすることなどを提唱している
         
    ということは ・ ・ ・   私は その 1/50 でも、 いいです けれどねぇ~  (^o^)ノシ
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100623-00000536-san-bus_all
         
    > と 体の芯から 感じた時に、初めて、【現実】とは ・ ・ ・
         
     ですかぁ~ ・ ・ ・ ?     (^o^)ノシ

    よいこは  “ 体の芯 ” “ 感じた時 ” “ 初めて ”  は、 けんさくしては いけませ~ん 
        
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    mino777minoさん
    2010/7/5 00:46
    権左衞門さん、こんばんは。

    すいません、コメント遅くなりました。

    【いま】を否定するのは難しいんですよね。何年後、いや何十年後になってようやく【いま】の出来事を理解して否定が出来るのかもしれません。

    ただ言えるのは【いま】の延長線上に幸福など訪れないでしょう。未来ではまったく違った思想が資本主義に代わり世界中の人々に愛されていると私は思うのです。

    その前に何らかの犠牲は避けられませんがね。
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    mino777minoさん
    2010/7/5 00:50
    リモネンさん、こんばんは。

    久しぶりの検索ワードありがとうございます(笑)検索する前から想像できちゃいますが。それにしても暑いですね(汗)

    いろんな意味で汗ばむ夜が続きそうです・・・orz
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    黒鮪殿下さん
    2010/7/5 00:50
    ミノさん こんばんは

    確かに日産会長は金食い虫だと思います。
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    mino777minoさん
    2010/7/5 00:56
    殿下、こんばんは。

    そういう人達は放置しときましょう。お金は使い方を間違えれば命を落とします。

    よってお金持ちはそれだけリスクが高いのです。僕は【正しい】使い方をして頂ければ何も文句は言いません。
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