ぎっしーさんのブログ
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あらためて 中日53年ぶり日本一
●「落合野球」の源流 情を排し甘え一掃 3度目の挑戦結実
(2日付中日新聞1面)
悲鳴に近いスタンドのどよめき。しかし、ベンチを出た落合監督には関係なかった。9回、顔色一つ変えることなく球審に投手岩瀬を告げた。山井の快挙は夢に終わり、日本一に中日が上り詰めた。
目を潤ませた落合監督が二度、三度と宙に舞う。半世紀の壁を乗越えて極めた頂点。「2人でパーフェクトをやった。それだけきょうの山井は完璧だった」感情を抑え、静かに言った。
リーグ戦は巨人に競り負けて2位に終わった。しかし、これが、日本一への始まりだった。「悔しさが根底にあると思う。1人2人じゃなく選手全員が思ってくれた」ただ、その悔しさだけで選手は変われるものじゃない。2004年に就任した落合監督が、下地をつくりあげたからこそできた日本一だった。
監督はかつて現役時代の自分を「ひと山いくらで買われたミカンと同じ」と話していた。そこから努力で這い上がってきた男は、選手たちに猛練習を課した。中日に根ざす甘えの体質の一掃も根底にあった。
その象徴は今季、打線の主軸として花開いた森野。最初のリーグ優勝を果たした04年、秋季キャンプ初日だった。受けたノックの本数を間違え、笑って訂正した森野に激怒した。「他の連中は終わっていい。森野だけ残れ」全選手、コーチが見守る中、立ち上がれなくなるほど容赦ないノックを浴びせた。
ノックの本数を間違えただけで-。たかが、であるが、されどでもある。リーグ優勝したことで緩んだ空気。チームに深く根ざした甘えた体質。もう一段上を目指す貪欲さの欠如。抜群の打撃センスを持ちながら、レギュラーになれず、瀬戸際で弱かった森野と、チームが重なり合った。日本シリーズでもろいチームとダブった。
「昔やっていた練習泥だらけになって。なぜこんなみっともない練習をいまさらしなくてはいけないのか。その意味をよく考えないといけない」と落合監督。うわべのうまさは役に立たない。しんからの強さを求め、こと森野には厳しかった。
グランドにはいったとき、バケツで水を浴びせたこともあった。妥協は一切ない。3年後。森野は見違えるほどたくましくなり、チームを窮地からたびたび救う存在となった。
日本一を逃した昨秋の納会で落合監督は「選手1人1人の心を鍛え、強い中日をつくっていきたい」と話した。毎年リーグ優勝を争うチームになり、力はついた。日本一へ残るハードルは、自らの野球人生から最も遠ざけていた精神論。選手らは強い体に見合った強靭な心を備えつつあった。それが、クライマックスシリーズ(CS)からの戦いだった。
CS第一ステージ、阪神との初戦。試合開始前、ベンチ前の円陣で立浪が檄を飛ばした。「短期決戦は先手必勝。初回からいこう、初回から」一丸となってチームは走りだした。
CS、日本シリーズと初回の攻撃はすさまじかった。荒木が出塁しそこに足が絡むと打線はたっぷりの集中打をみせつけた。越えられなかった最後の壁。悔しさに背を押され、あと一歩を踏み出した。そして監督は自分を貫いた。8回までパーフェクト投球の山井を岩瀬に代えた。自ら交代を申し出たというが、選手たちの甘さは徹底的に排除した。今度は自分の番だ。指揮官は、自らが信じる、最善の策を最後まで取り切った。
次の目標はリーグ優勝を成し遂げ、日本一連覇の達成。そのとき、落合監督はさらなる進化を遂げる。(桜井孝雄)
●〝完全〟目前交代妻は納得 「マメつぶした」山井投手交代(2日付中日新聞社会面)
スタンドがどよめきに包まれた9回表。それまで打者24人を完全に抑えていた山井大介投手から岩瀬仁紀投手へリレー。
試合後、落合博満監督は「マメをつぶした。自ら降板を伝えてきた」と真相を明かした。それでも試合は騒然。「ええ?」との声も上がった。
一塁側内野席で観戦していた山井投手の妻友佳子さんは「信頼できる岩瀬さんにバトンタッチしたのは納得できました。主人が信じられないほどいいピッチングで感激しました」
たとえ、マメがつぶれてなくても、交代は当然だったとの声もある。
ヤクルト、西武で3度の日本一に輝いた野球解説者の広岡達朗さんは「これは信念に突き動かされた采配だ」という。「中日を53年ぶりの日本一にさせるんだという落合監督の強烈な意志を誰も邪魔することはできない。日本シリーズで初の完全試合という個人記録ですら、入り込むすきがなかった」と話した。
●ノリ耐えてMVP 自由契約、腰痛… 流れる涙「想像できなかった」(2日付中日新聞スポーツ面)
帽子を深くかぶって、顔を隠した。「1月からいろんなことがあって。ドラゴンズに感謝しています」中村紀は、もう涙が止まらなかった。
1月オリックスを自由契約。学生アルバイトを相手に練習を続けながら、移籍先を探した。「なんとかしてユニホームを着たい」条件は度外視し、その思いだけだった。そこで手を差し伸べたのが中日だった。
春のキャンプでテスト入団し、育成選手から支配下選手に。開幕戦の先発をつかみ取ると、最後は日本シリーズの最高殊勲選手にまで上りつめた。「ゼロからのスタートがMVPにまで。ここにいること自体が、想像できなかったことなのに」泣きはらした目に思いが詰まっていた。
クライマックスシリーズから好調を維持。日本シリーズに入っても打率4割を超え、打点4。「今年、打撃も守備も日々成長している。日本シリーズが集大成だった」
この日も、唯一の得点につながる好機を演出した。2回、左前打のウッズに続き、右中間を破る2塁打で無死2、3塁。1死後、平田の犠飛を引き出した。
打っても、決まって口にする言葉は「気持ちだけだった」今季終盤から腰痛を抱え、痛み止めの薬を飲みながらのプレーだった。それでも、、この日を最後にしばらく解放される。「ほっとしています。当分、飲まなくていいかなあ」
苦難を越えた分、日本一の喜びもひとしおだった。「1度リストラされても、なんとかしようと必死にやれば、いつか結果が出る。自分が示して、そんな人の励みになればと思った」
中日への恩返しに加えて、世間を見返したいという反骨心。最後も中村紀らしかった。(加藤隆士)
●竜日本一の実感 この手に 百貨店、一斉にセール(2日付日経新聞夕刊)
「53年ぶりの日本一おめでとう」-。プロ野球の中日ドラゴンズが日本シリーズを制し日本一に輝いたことを受け、名古屋市内の百貨店などで2日、一斉に記念セールが始まった。松坂屋名古屋店には開店前から約4500人の買い物客が行列。店が開くと同時にお目当ての商品を目指して駆け出した。
松坂屋では衣類や食品、日用雑貨など幅広く〝お値打ち〟な値段で提供。落合博満監督の背番号「66」にちなんだ660円、6600円のなど商品も並べた。同社は中日が前回日本一になった1954年にはセールを開催しておらず、今回が初めての日本一セールとなる。
同市内の主婦(48)は「日本一は本当にうれしい。いつもより奮発してコートなどを買いたい」と笑顔。夫婦で訪れた三重県鈴鹿市の男性公務員(56)も「生活必需品の値上げが相次いでいるので、衣類などがお値打ちに買えるセールはありがたい」と話した。
記念セールは名鉄百貨店や丸栄、スーパーのユニーなどでも同日から開催。百貨店関係者は「日本一だと盛り上がりが違う。日本一を逃した昨年の『残念セール』よりも大幅に客足は増えるだろう」とそろばんをはじいていた。
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チョトがっかり・・・。
小生、正直言って落合選手が監督で大成するとは思っていませんでした。
落合選手は”天才”と思っていたので、精神論や練習などは重要視せず・・・。
また、並の選手(とは言ってもみなプロになったすごい選手ですが)の気持ちは分からないのでは?、と。
上記コメントを見て、やはり”一番”になる人はすごいですね。甘えがない。
※Gファンの言い訳・・・。
セリーグで一番になれないのに日本一になるのはおかしい。
ソフトバンクも何年も苦汁をなめました。
決めたルールですから、文句をいってもしょうがありませんが・・・。
スポーツをCSという金儲けにするのはいかがか?
”プロだから儲かればOK”
”客が喜ぶから、終盤に盛り上がるから”・・・。
だったら一試合、一試合、客が感動する試合をすればいいのではないか。
トーナメントのように。
ドラゴンズの日本一ですね。
思えば、94年10月8日、巨人と同率首位決戦を行った
ナゴヤ球場での試合をテレビ観戦、
当時の長島監督の胴上げを見ることに。
リーグ優勝しなかったチームが日本一になるのは初めて!
こんにちは!コメントありがとうございます。
深夜、自分のコメント入れようと思っていたら、横で、カミさんが「早く寝なさい!!」とうるさかったものですから、あわてて記事内容しか載せられませんでした。失礼しました。
私もGTーRさんのご指摘通り、落合監督の就任当初は、現役時代が凄い選手だったため、組織全体を束ねて常勝チームをつくるなんて思いもしませんでした。また、言葉も少なくメディアを通じても勘違いされやすいタイプの人間でもあるし。野球のスタイルも打撃重視の攻撃型を目指すとてっきり思っていたら失点を最小限に抑える投手王国を築きという感じでイメージと逆の方向へ。途中、様々な葛藤もあったと思いますが、今回は結果オーライ的な地元ファンのムードも確かです。ただし、落合監督ほど野球の表も裏も熟知している人物は、今の球界には少ないのではないかとも思います。
ジャイアンツには、もう一度、昔のように腹立つくらい強くなってほしいと願います。プロ野球界全体の発展のためにも。自分が小学生のころの「4番ファースト王」というアナウンスだけでワクワクドキドキしていた時のように...。
クライマックスシリーズは確かにルールだから仕方なしかもしれません。これにも賛否両論、当然ありますが、私個人としては、各リーグ1位通過チームのみが、日本シリーズを戦うのが理想です。どうしても、敗者復活のチャンスでシーズン展開をという意見を考慮すれば、昔のパ・リーグの前期・後期の1位どうしでプレーオフをするのが良いと思っています。
最近では、プロ野球の試合もかなり楽しめる(=選手のプレー)ものにもどりつつある気もします。今回は短期決戦の明暗が出た面もありますが、来年以降も更なるファンあってのプロ野球を期待したいです。
また、今回のシーズンでの最も激動の一年を過ごした中村選手。近鉄時代の豪快なスイング。彼のホームランは野球場でぜひ、見てみたい!というくらい素晴らしかった。しかし、球団との確執やら、ワガママな面がクローズアップをされていましたよね。結局、メジャーでもダメ、オリックスでもダメと。で、今年の育成選手からの復活。正直、驕りが彼にはあったでしょう。しかし、どん底から考え方を素直の改め「野球ができるありがたさ」に気づいたことは、真の強さに繋がったと思います。表情が悟りをひらいたお坊さんのように自然に喜怒哀楽がでてました。プロの世界ですので、来年の彼の活躍は、どうなるかまだわかりませんが、今回の優勝で、また一つ器のおおきな人間に成長したのではないでしょうか。頑張れ!ノリ!
と応援したいと思います。
セもクライマックスシリーズ導入により、パと同様に短期決戦の士気が高まったのかな?
…なんて邪推していましたが、もしかしたらそんなの関係ないのかもしれませんね。
優勝お祝いのコメントありがとうございました。
確かに、賛否両論あるかと思いますが、会社でも家庭でも、短期決戦が盛り上がっていたことは事実です。
来年のルールはどうなるかわかりませんが、ぜひ、来年はシーズンも一位通過で連覇を!と願いたいものです。