八歩さんのブログ

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最後の居場所

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老人ホーム入居者の本当の居場所はどこだろう?そういうことを三年位前に、真剣に悩みました。私が責任者となっていた 8つの有料老人ホームを、本当に自分の家、自分の部屋のように思ってもらえたら、、、、という気持ちでありましたが、現実には、家族承知の上の軟禁になっていることへの葛藤がありました。 利用者が自分の家、自分の部屋と思ってくれるためには何が必要だろうか、ということです。言葉を選ばずに、言っちゃえば・・・・・入居者が自分をだますための道具立てです。でもね、本当は、そんなものでは癒されない渇きがあって、その渇きが一瞬でも満たされていると思うのは・・・・・・・孫が遊びに来たときや、ヘルパーが子供をつれてきたとき、誰かが子犬をつれてきたとき、あるいは、自分よりももっと体の不自由な人のために、車椅子を押してあげるとき・・・・人間って、感謝や敬意を払ってもらうことが、生きる張り合いなんだな、と思います。でも、そういう心の問題はさておいて、自分の部屋をどうしたら、自分のへやらしくなるか、ということも考えてみました。入院したときの体験から考えると・・・・・病院の部屋はいかに個室でも、自分の部屋という感覚はありませんでした。真っ白な壁、自分のものが全くない部屋。唯一、ハンガーにかけた自分の服のあたりだけが、マイホーム感を漂わせておりました。不自由な体で、寒々とした部屋。では、壁にデコデコとなにやら貼ればいいのかというと、そうでもないというきがしています。私がもし、有料老人ホームに入るとしたら。そこを自分の住処として考えるのだったら、持ち込むと思われるもの。花の図鑑海の動物の図鑑自分の投稿作品が掲載された昔懐かしいカメラ雑誌小さい仏壇気に入った写真を週刊誌くらいの大きさに引き伸ばしたパネルなどなど。あなただったら、何を持ち込みますか?そういうものを、入居者に持ち込んでもらったら、もっと、自分の住居だという気持ちになるのではないかな、、、、と思いました。 アルバムとか、位牌とか、表彰状とか、、、、、そうそう、表彰状とか、感謝状を掲示しなきゃ駄目というのを、ルールにしてもいいかな・・・・・なんて思いました。実行しないままに、介護の仕事を離れてしまいましたが・・・・・・僕自身が生きていけないから・・・・・・人それぞれに歴史があり、大切にしている記憶があり、それを思い起こさせる記念の品があります。知人の78歳の女性は、とても豊かな胴回りをしているのですが、若い頃は、モデルのように細かったといって、その頃着ていた(53年前、半世紀前!)のスカートを「証拠のスカート」と呼んで、大切にしています。私にも捨てられないものがありまして、それは、貧乏な大学生だったときに、10回月賦で買った一眼レフのカメラ! あの時は、フィルム代にも事欠いたけど、一枚一枚丁寧に撮影したなあ、、、、、という思いでが、詰まっています。 今ではシャッターが故障して使えませんが、捨てられません。 老人ホームに入るとき、これだけは持ち込むような気がします。そうだな・・・・ この壊れたカメラのあるところが、私の居場所かもしれません。入居者の方が、「ここが私の居場所」と決めたときに持ち込むものは、なんなのでしょうね。クリックお願いします。すっごく下のほうにいるので、少しもちあげてください、よろしくお願いします。
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