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暴落について

★暴落とは
暴落は投資家の強欲が極まり、本来の価値以上に株価が暴騰した時に起こります。
高すぎて株の買い手がいなくなり、ホルダーが「今が天井だ」と感じて「投げる」ことが前提なので、直前に株価が暴騰します。
たとえば「株価が過去最高を更新(23.6)」「円安の急激な進行(23.10)」「米国金利の暴騰(23.10)」「逆イールドの解消(23)」「安易な企業買収の多発(22)」「新規銘柄の急騰(21)」は危険なサインです。
2023-24年にかけてこれらがほぼ出揃って、あとは「最後に動く日銀が利上げ」や「利上げしていた米国が耐えられずに利下げ」で暴落準備が完成する気がしていました。
ついに24年の7月末、このときが訪れました。
米国の9月利下げが織り込まれ、日銀による0.25%の利上げが前後して発表されたのです。
日経は利上げ発表当日に値を上げた後に、一気に3000円も下げる暴落となりました。
同年8月4日現在もこの状況が続いていて、暴落の渦中でどのように振る舞うかを慎重に検討しています。

★暴落の経過
10-20%程度の調整は毎年、暴落は7ー10年に一度くらい発生しています。
バーゲンのように値を下げる様を見ると押し目を狙いたくなりますが、落ちるナイフを掴んで大怪我するのは避けたいものです。
フリーフォールを思わせる暴落にも、下げていく段階があります。
最初の下げは「資金繰りが悪化した投資ファンド」が売って株価が下落し、追証が払えなくなった「信用買いの個人投資家」が続き、株価回復を諦めた長期ホルダーが投げると恐怖による投げ売りとなります。
これらは大体数日ごとに起こるため、段階的に株価は下がっていきます。
経済指標は最悪になり、マスコミはこの世の終わりのような論調を声高かに語ります。
しかしこの時こそが大底で、リバウンド前夜です。
調整以外の要因で予想外の事態、911や震災などの事件が起こって、パニック的な暴落になることがありますが、多くは短期間で回復します。

★暴落が回復するまで
下落からの回復期間ですが、急落の場合は3週間、 暴落は3ヶ月、 大暴落も一年ほどで値を戻します。
16年のトランプ大統領就任時の急落などは一時的な下落の後はすぐに株価が回復しました。

★下落幅はどれくらいか?
実際に暴落になると下落幅はどれくらいでしょうか?
2020年のコロナショックでは、30%ほど下げました。
今回は7月のピーク時に42000円をつけた後、8月2日に36000円まで減少、6000円、約15%の暴落です。
過去の指標は、騰落レシオ25が70、信用評価損が-20、日経PBR1.0(リーマンで0.8)、VIX指数が60くらいでした。
現状だと、PBR1が25000円くらいになりそうです。
  • 参考1:日経平均VI:Volatility Indexの略で株価の振れ幅の割合を数値化したものです。株価の振れ幅が大きいほど動揺を誘うので、「恐怖指数」と呼ばれています。通常は10~20の範囲内で推移し、20を超えるとファンドは新規購入が難しくなり、先物は足を早めて銘柄の整理を始めます。30以上になると警戒、40以上が暴落です。

  • 参考2:恐怖と強欲指標:Fear&Greed Indexは、アメリカメディアCNNが提供している株式市場の市場心理を示す指標です。投資家の市場心理が強気・弱気のどちらに偏っているのかを把握するために用いられ、100近くだと過熱、0近くだと底入れといった判断ができます。

★暴落にどう立ち向かうか
まず暴落前は「常在戦場」のつもりで「備え」ます。
購入は吟味したバリューな割安株のみにしておくと、下落のダメージは少ないはずです。
キャッシュと暴落への抵抗力があるゴールドを、資産の10-30%くらいは持ちます。
暴落中は「PFを整えつつ買い向かい」ます。
株価が直近の最高値から10%下落したなら、少しずつ買い始めます。
大底は日経だとPBR0.8〜1.0あたりを想定し、5回以上に分けて投入する準備をします。
最初に狙うのは優良小型株、遅れて狙うのは大型株でボラの大きい金融・リース・建機・通信です。
個別株がむつかしいなら、指数を扱ったETFを買います。

★過去の暴落
暴落の予測は困難ですが、過去の状況を検証して最悪のシナリオを想定し、パニックにならないように備えたいところです。

2005年
米国2年物と5年物の国債で逆イールドが発生し、2007年まで継続した。
3年後の2008年にリーマンショック。

2006年
1月 ライブドア・ショック:日経15,341、PER21、PBR2.5
7月 日銀ゼロ金利の終了:日経14,437、PER18、PBR1.9
この後から引き締めに転換した。

2007年
2月 上海ショック:日経17,292、PER20、PBR2.1
8月 サブプライムローン:日経15,273、PER16、PBR1.8
株価上昇期の余韻が残り、引き締め後も株高傾向。

2008年
9月 リーマン・ショック
日経 7,162、PER13、PBR1.3、騰落38、下落▼61%、2年
サブプライムローンが不良債権化して、リーマン・ブラザーズが倒産。
投資家がパニックとなり、他資産に波及して全世界に拡大した。
全ての銘柄が全面安。但し業務用スーパーやゴールドはダメージ少ない
2010年まで2年も下落相場が続いた。

2011年
3月 東日本大震災
日経8,605、PER14、PBR1.1、下落▼15%、2日
リーマンからの回復過程でこのダメージ。
損保や銀行が大幅に下げたが、それ以外の生活用品、商社、建機などは無風。
2日で回復。

2013年
1月 アベノミクス開始
日経10,700、騰落143
4月 日経平均の暴騰
日経13,750、PER22、PBR1.4、騰落117、信損+1.3
カネが余り始めて、全銘柄やゴールドなどの実物資産が全て上昇。

2016年
2月 チャイナショック
日経16,347、PER14、PBR1.1、騰落 59、信損-19、下落▼29%、8ヶ月
金融・商社などグローバル企業はダメージあるも、通信や不動産、スーパーなどの内需系は無風。
8ヶ月続いた。

2020年
2月:新型コロナ
日経18,974、PER11、PBR0.9、騰落 44、信損-26、下落▼31%、3ヶ月
経済活動が停滞気味となり、全業種で全面安。
引きこもり需要が旺盛で、ネット通販や格安スーパーはダメージ少。
3ヶ月しか続かなかった。

2022年
2月:ウクライナ侵攻
日経28,782、PER13、PBR1.2、騰落 86、信損-11
スイス銀行のトラブルが伝えられ、市場が不安定に。
暴落の噂もあったが、リーマンショック前の日経PBR(2倍以上)より過少。
PBRは1.1程度で、割高感や過熱感は少なく、動揺もわずか。

★覇権交代
近年の米国を見ていると、その弱体化が顕著になっている気がしています。
現在のウクライナや中東への関与はうまくいっておらず、国内は内戦の様相を呈しています。
次期大統領はトランプで織り込みつつあり、この調子で進むと利上げ失敗、再度の緩和に挫折、中央銀行の破綻、中国・ロシア・インドなど多極化へ。という流れが来そうに思っています。
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