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グローセルのニュース
■要約
グローセル<9995>は半導体を中心とした技術系電子部品商社で、旧株式会社ルネサスイーストンから2019年7月1日付で商号変更した。ルネサスエレクトロニクス<6723>(以下、ルネサス)の有力特約店という立場にあり、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっているが、国内外において新規商材の発掘にも余念がない。注目すべきは、2018年4月から開始した半導体ひずみセンサー(製品名「STREAL(ストリアル)」)ビジネス。前例のない高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目が集まっている。利益率が高いことに加え、工業用途だけでなく文化的な目的(伝統的技能の継承等、後述)にも使える可能性が広がっており、今後の同社の業績を様変わりさせる可能性が高まってきた。
1. 2021年3月期連結業績(実績)
2021年3月期の連結業績は、売上高が59,861百万円(前期比12.8%減)、営業損失が493百万円(前期は61百万円の損失)、経常損失が261百万円(同5百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が367百万円(同65百万円の利益)となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で、主な向け先である自動車や産業機器の生産が停滞し需要が特に第1四半期に急減したことが減収の主な要因である。一方で、高採算品の比率が高まったことで粗利率は改善した。さらに、出張旅費や交際費等の減少により販管費も前期比で減少したが、減収による売上総利益の減少を補えず営業損失となった。第1四半期をボトムに第2四半期以降は回復し、下半期だけを見れば営業利益を確保した。注力商品である「STREAL」の売上高は前期比で約3.0倍となった。
2. 2022年3月期の連結業績:増収増益を予想
進行中の2022年3月期については、売上高68,000百万円(前期比13.6%増)、営業利益580百万円(前期は493百万円の損失)、経常利益540百万円(同261百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益400百万円(同367百万円の損失)が予想されている。引き続きコロナ禍の影響が不透明であるが、主力の自動車向けが前下半期から回復傾向にあることから増収増益を予想している。特に4月の出足が好調だったようで、4月末の受注残は過去最高を記録したとのこと。また自社開発品として期待される「STREAL」は順調に拡大しつつあり、用途が広がりつつあることから2022年3月期も倍増(30億円以上)を目指している。年間配当12円は維持する方針である。
3. 自動車の電子化、各種自動化は追い風、自社開発品の拡大で成長を目指す
同社は単なる商社機能だけでなく、多くのエンジニアを要し、提案力・開発力を生かして企業付加価値を高めている。足元の業績はコロナ禍の影響もあり低迷しているが、中長期的には主要向け先である自動車の自動化、電動化の進化、さらには製造現場や建設現場のIoT化の恩恵を受ける可能性は高い。加えて自社開発品の拡販にも注力しており、特に比類のない性能を有している半導体ひずみセンサー「STREAL」の成長性は高く、中長期の展望として来期以降はこれら自社開発品の寄与もあり、再び成長路線に戻る可能性は高い。中期経営計画「SSG 2021」については、コロナ禍の影響もあり当初計画期間での目標達成は難しいが、1年遅れて2024年3月期に売上高800億円、営業利益率2.3%を目指している。成長ドライバーとして期待されている「STREAL」も順調に伸びていることもあり、今後の動向は要注目だ。
■Key Points
・自動車及び産業分野向けを主力とする半導体商社。ADASやIoT関連にも展開
・2022年3月期は営業黒字予想。「STREAL」も倍増見込む
・中期経営計画は1年遅れたが、2024年3月期に売上高800億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
グローセル<9995>は半導体を中心とした技術系電子部品商社で、旧株式会社ルネサスイーストンから2019年7月1日付で商号変更した。ルネサスエレクトロニクス<6723>(以下、ルネサス)の有力特約店という立場にあり、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっているが、国内外において新規商材の発掘にも余念がない。注目すべきは、2018年4月から開始した半導体ひずみセンサー(製品名「STREAL(ストリアル)」)ビジネス。前例のない高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目が集まっている。利益率が高いことに加え、工業用途だけでなく文化的な目的(伝統的技能の継承等、後述)にも使える可能性が広がっており、今後の同社の業績を様変わりさせる可能性が高まってきた。
1. 2021年3月期連結業績(実績)
2021年3月期の連結業績は、売上高が59,861百万円(前期比12.8%減)、営業損失が493百万円(前期は61百万円の損失)、経常損失が261百万円(同5百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が367百万円(同65百万円の利益)となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で、主な向け先である自動車や産業機器の生産が停滞し需要が特に第1四半期に急減したことが減収の主な要因である。一方で、高採算品の比率が高まったことで粗利率は改善した。さらに、出張旅費や交際費等の減少により販管費も前期比で減少したが、減収による売上総利益の減少を補えず営業損失となった。第1四半期をボトムに第2四半期以降は回復し、下半期だけを見れば営業利益を確保した。注力商品である「STREAL」の売上高は前期比で約3.0倍となった。
2. 2022年3月期の連結業績:増収増益を予想
進行中の2022年3月期については、売上高68,000百万円(前期比13.6%増)、営業利益580百万円(前期は493百万円の損失)、経常利益540百万円(同261百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益400百万円(同367百万円の損失)が予想されている。引き続きコロナ禍の影響が不透明であるが、主力の自動車向けが前下半期から回復傾向にあることから増収増益を予想している。特に4月の出足が好調だったようで、4月末の受注残は過去最高を記録したとのこと。また自社開発品として期待される「STREAL」は順調に拡大しつつあり、用途が広がりつつあることから2022年3月期も倍増(30億円以上)を目指している。年間配当12円は維持する方針である。
3. 自動車の電子化、各種自動化は追い風、自社開発品の拡大で成長を目指す
同社は単なる商社機能だけでなく、多くのエンジニアを要し、提案力・開発力を生かして企業付加価値を高めている。足元の業績はコロナ禍の影響もあり低迷しているが、中長期的には主要向け先である自動車の自動化、電動化の進化、さらには製造現場や建設現場のIoT化の恩恵を受ける可能性は高い。加えて自社開発品の拡販にも注力しており、特に比類のない性能を有している半導体ひずみセンサー「STREAL」の成長性は高く、中長期の展望として来期以降はこれら自社開発品の寄与もあり、再び成長路線に戻る可能性は高い。中期経営計画「SSG 2021」については、コロナ禍の影響もあり当初計画期間での目標達成は難しいが、1年遅れて2024年3月期に売上高800億円、営業利益率2.3%を目指している。成長ドライバーとして期待されている「STREAL」も順調に伸びていることもあり、今後の動向は要注目だ。
■Key Points
・自動車及び産業分野向けを主力とする半導体商社。ADASやIoT関連にも展開
・2022年3月期は営業黒字予想。「STREAL」も倍増見込む
・中期経営計画は1年遅れたが、2024年3月期に売上高800億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
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