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船井総研ホールディングスのニュース

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船井総研 Research Memo(1):2019年12月期は中期経営計画最終年度の目標達成に向けて進捗順調、視界良好

配信元:フィスコ
投稿:2019/12/12 16:11
■要約

船井総研ホールディングス<9757>は、中小・中堅企業向け経営コンサルティング業界の草分けで大手の一角である。1988年にコンサルティング業界で初めて株式の上場を果たし、2010年に就任した4代目の高嶋栄(たかしまさかえ)代表取締役社長の体制下では、「グレートカンパニーを創る」というミッションのもと、経営者の会員組織化などが奏功し順調に業績を伸ばし、経営コンサルティング事業の強化、周辺領域への事業領域の拡大、グループ経営体制の強化が行われている。傘下にロジスティクスやダイレクトリクルーティング、IT、コンタクトセンターコンサルティングなどの連結子会社8社を有する。中小・中堅企業向け経営コンサルティング業界において、市場シェア及びコンサルティング実績で圧倒的な存在である。

1. 事業概要
同社のコンサルティングサービスは、顧客が集い、相互の切磋琢磨の中で信頼関係が深まり、契約が積み上がっていく、経営コンサルティング業界では独自性の高いストック型ビジネスモデルである。その特長としては、業種・テーマ別経営研究会(特化したテーマで実践力を高める180以上の研究会)、ズバリソリューション(いま実践すれば、飛躍的な業績向上を狙える、その業界における旬のビジネスモデル)、業種・テーマ別組織・早期人材育成体制(業種やテーマに特化して場数を踏むことにより平均4年2ヶ月でチームリーダーを育成)などがある。

2. 業績動向
2019年12月期第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比19.7%増の18,607百万円、営業利益が同19.1%増の4,109百万円、経常利益が同17.8%増の4,127百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同7.6%増の2,730百万円と大幅な増収増益となった。売上高に関しては、経営コンサルティング事業が引き続き順調に伸び、またダイレクトリクルーティング事業においても順調に新規顧客数を伸ばし大きく増収した。主力の経営コンサルティング事業では定期的にコンサルタントがクライアントを訪問し、コンサルティングを行う「月次支援」や顧客企業のWeb集客を支援する「リスティング」業務が高い伸びを示した。業種別では、強い顧客基盤を持つ「住宅・不動産」、「医療・介護・福祉」分野において前期比2ケタの伸び、「人材サービス」、「環境・エネルギー関連」分野についても成長率が高かった。ダイレクトリクルーティング事業についても、新規顧客数の増加に伴い2倍近い成長を達成した。営業利益に関しては、経営コンサルティング事業とロジスティクス事業が確実に収益を確保した。特に経営コンサルティング事業では、増収効果に加え、営業業務の効率化による出張旅費等の経費削減効果により、大幅な増益を達成した。同事業の営業利益率は28.2%と圧倒的な収益力は変わらない。ロジスティクス事業も物流コンサルティング業務が伸び収益力が向上している。

2019年12月期通期の連結業績は、売上高が前期比8.3%増の23,500百万円、営業利益が同9.2%増の5,400百万円、経常利益が同7.8%増の5,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.2%増の3,700百万円と8期連続増収増益、過去最高益の更新を予想する。売上高の第3四半期進捗率で79.2%、営業利益の第3四半期進捗率で76.1%と売上・利益ともに目安となる75%を超えており、中期経営計画の最終年度の目標達成に向けて視界は良好である。経営コンサルティング事業の第4四半期(単独)は、例年、売上高がその年の最高の業績を残す四半期となる。ロジスティクス事業では、物流コンサルティング業務の比率が高くなっており収益性の高さを維持して着地できる予想。ダイレクトリクルーティング事業は典型的なサブスクリプションモデルであり、解約率が低く維持されているため、第4四半期は更に増収に貢献しそうだ。弊社では、売上高は第3四半期進捗率も高く余裕を持って計画達成、各利益に関しては年末に賞与の負担があるものの増収効果が補い、計画値を上回る着地になると予想する。

3. 社会貢献(CSR)
同社は「グレートカンパニーを創る」というミッションのもと、本業を通じた企業支援を行っているが、社会貢献活動も積極的に行っている。その1つが故舩井幸雄氏の遺志を継ぐ船井財団を通じて10年前から行われている「グレートカンパニーアワード」の開催である。グレートカンパニーとは社会的価値の高い「理念」のもと、その「企業らしさ」を感じさせる独特のビジネスモデルを磨き上げ、その結果、持続的成長を続け、社員も顧客も誇りを持つような独特のカルチャーが形成されている企業と定義される。毎年8月に行われる経営研究会全国大会の場でその年の受賞企業が発表され盛大な授賞式が行われる。2019年8月は婚活支援サービス・ライフデザイン事業を行う(株)IBJが「グレートカンパニー大賞」を受賞。それ以外にも6社が各賞(10周年財団特別賞、顧客感動賞、働く社員が誇りを感じる会社賞、ユニークビジネスモデル賞、社会貢献賞、業績アップ賞)を受賞し、表彰された。アワード受賞企業(グレートカンパニー)は過去10年で65社に上る。アワード受賞企業に限らず、社会性の高い企業を多数輩出することにより、同社らしい社会貢献が続けられている。

4. 株主還元策
同社は、株主への適切な利益還元を経営の最重要テーマとしており、業績を考慮しながら、「配当による還元」と「自己株式取得による還元」の双方を軸に実施していくとしており、「総還元性向」を重視している。配当総額も持続的に上げつつ、総還元性向(配当+自己株式取得)で50%以上を目安とする。2019年12月期の1株当たり配当金は上期17円、下期は23円(創業50周年記念配当3円を含む)、年間で40円、総還元性向94.7%(配当性向54.6%)を予想する。総還元性向が極めて高くなる予想の背景には、自社株買いがある。筆頭株主である(株)船井本社の申し出により検討が開始され、2019年11月6日−12月3日までの買付期間で公開買付けが決議されている。上限696,200株、約1,500百万円相当である。2年連続で非常に高い総還元性向となる見込みであり、同社がいかに株主還元を重視しているかが鮮明である。

5. ベンチマーク
同社は、経営コンサルティング業界の中でも高い業績を誇るが、株主還元の指標でもトップクラスにある。2018年12月期通期決算の株主資本配当率(DOE)は8.2%であり、業界10社中2位に当たる。自己株式の取得を加味した総還元性向では78.1%であり、抜きんでた存在である。同社の2019年12月期のDOE予想は9.0%で、さらに株主還元を向上させる予想だ。配当性向でも、50%以上でありトップグループに位置する。配当性向及び総還元性向においても、2019年12月期はさらに高まる予想であり、配当性向で54.6%、総還元性向で94.7%とさらに上位をうかがう。

■Key Points
・中小・中堅企業向けコンサルティング分野で圧倒的な強みを持つ草分け。「グレートカンパニーを創る」というミッションのもと、支援領域を拡大中。ダイレクトリクルーティング事業を新たにセグメント情報開示
・業種・テーマ別経営研究会を基盤に、成功するソリューションを共創・指導する独自のコンサルテーションが強み。ダイレクトリクルーティング事業が急成長
・2019年12月期計画に対する進捗率は売上高で79.2%、営業利益で76.1%と順調。中期経営計画最終年度の目標達成に向けて視界良好
・10年計画の仕上げの年。社会貢献活動として60社以上の「グレートカンパニー」を表彰
・経営コンサルティング業界の中においても株主還元の指標でもトップクラス

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

<SF>
配信元: フィスコ
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