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■日本システムウエア<9739>の会社概要
1. 会社概要
同社グループは、システム構築から運用・保守までをワンストップで提供するITソリューションと、組込みシステム開発やLSI設計を手掛けるプロダクトソリューションを事業内容とする。「優れたシステムを創造、提供し、社会を豊かにしたい」という思いを込めた企業理念「Humanware By Systemware」のもと、「収益性の高い企業体質の実現」を経営の基本方針として掲げている。2016年4月からの中期経営計画では「Drive Innovation」をスローガンに、グループの総合力と融合によって「IoT分野の事業拡大」や「コア事業の顧客基盤強化と高付加価値化」に取り組んでいる。
同社グループは、同社のほかに、100%の連結子会社4社で構成されている。システム開発やインフラ構築事業などを展開するNSWテクノサービス(株)、中国において組込みソフトウェア開発事業などを展開する京石刻恩信息技術(北京)有限公司のほか、一般事務に関する業務代行や支援サービスを行う障害者雇用特例子会社のNSWウィズ(株)を傘下に持つ。また、2018年1月にシステムインテグレーション事業などを展開する日本ソフトウェアエンジニアリング(株)を子会社化した。
事業拠点は東京以西に置いているが、取引先は全国にわたり、官公庁・公共団体の他、製造業や流通業を始めとして多くの大手企業を抱える。設立当初は、日本電気(NEC<6701>)グループとの取引が圧倒的に多かったが、近年はその他取引先の拡大に伴い売上高の2割近くに低下し、年々取引の裾野は拡大している。中国子会社は、主に現地に進出している日系企業をカバーしている。また、2018年4月には台湾オフィス(代表者事務所)を開設し、世界的な半導体の製造・組立・テスト拠点である台湾市場で顧客開拓・現地調査を行う予定だ。
2018年3月末のグループ従業員数は2,089人、うち技術者が9割近くを占めるエンジニア集団である。2013年4月より多田尚二(ただしょうじ)氏が代表取締役執行役員社長を務める。
2. 沿革
同社グループは、独立系ソフトハウスとして1966年にソフトウェア開発事業及び受託計算事業からスタートした。その後、1968年に運用管理サービス事業、1978年に現在のプロダクトソリューション事業につながるファームウェア及び論理回路に関する開発事業を開始。IT技術の進化に伴い、1990年にシステムインテグレーション事業、1998年にデータセンター事業、2009年クラウドサービス事業、2013年にIoT/M2M事業を開始し、事業領域を拡大してきた。
その間に、1982年に現社名の日本システムウエア株式会社に商号変更。1996年に株式を店頭公開し、市場から得た資金で山梨ITセンターを開設。1999年に東証2部へ株式上場、2000年に東証1部指定を経て、2016年3月期には創業50年を迎えている。
■事業概要
1. 事業内容
日本システムウエア<9739>の属する情報サービス産業(情報・通信業の小分類)は、(社)情報サービス産業協会の2014年調査では、企業数29,000社、売上高21.3兆円、従業者数100万人を超える、群雄割拠の業界である。その中で、同社グループは、同社及び子会社4社で構成されているが、ITソリューション事業、プロダクトソリューション事業を展開し、ソフトウェアとハードウェア、両方の技術ノウハウを兼ね備えている点が大きな強みである。
2018年3月期のセグメント別売上高・営業利益を見ると、ITソリューション事業が売上高の58.7%、営業利益の38.3%を、プロダクトソリューション事業が売上高の41.3%、営業利益の61.7%を占める。プロダクトソリューション事業の利益率が相対的に高いのは、技術的な参入障壁が高く、独立系の同社規模で同事業を手掛ける企業が少ないためと考えられる。一方、ITソリューション事業の利益率が相対的に低いのは、景気の影響を最小限に抑えるため、特定の業種・業務への依存度を低くし、多業種・業務にわたり事業を手掛けていることが影響しているようだ。
2. ITソリューション事業及びサービスソリューション事業
当セグメントでは、コンサルティングからシステム設計、開発、保守・運用に至るまで一貫したシステムインテグレーションサービスを通して、顧客の経営課題を解決するトータルソリューションを提供している。具体的には、ソリューション事業では、製造業や流通業を始めとした各業種向けソリューションやネットワークの構築・保守などを展開している。また、システム運用事業では、顧客の情報システムの運用設計から構築、管理まで総合的なマネジメントサービスを提供する。さらに、データセンター事業では、自社データセンターによるハウジングサービス(同社が顧客からサーバー、すなわちサービスを提供するコンピュータを預かるサービス)やホスティングサービス(同社が用意したサーバーを顧客に貸し出すサービス)のほか、クラウドサービス(データやソフトウェアを、ネットワーク経由で利用者に提供するサービス)を提供している。
なお、2018年4月より組織改正を行い、これまでのITソリューション事業を、ITソリューション事業とサービスソリューション事業に区分し、ソリューション事業とサービス事業の各々の成長・拡大を図る体制に変更した。
3. プロダクトソリューション事業
当セグメントでは、組込みソフトウェア開発事業として、オートモーティブ(自動車)向け、産業機器向け機器などに搭載されるアプリケーション(使用者の業務に応じて作成したソフトウェア)やミドルウェア(コンピュータの基本的な制御を行うオペレーティングシステムと、各業務処理を行うアプリケーションソフトウェアとの中間に入るソフトウェア)、ドライバ(プリンタ、USB機器などのパソコンに接続する周辺機器を作動させるのに必要なソフトウェア)開発を行っている。また、デバイス開発事業として、画像処理や通信関連などのLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路。多数のトランジスタやダイオード、抵抗、コンデンサなどの電子部品を1つの半導体チップに組み込んだ集積回路)設計やボード設計(電子回路基板の設計)を行っている。LSI、ミドルウェア、アプリケーションの各開発領域を横断的に組み合わせたトータルソリューションを提供している。
4. IoT&AIソリューション事業
前述の既存事業のノウハウ融合によって、新たな収益の柱への期待が大きいのがIoT事業である。2013年からスタートした新しい分野で、まだ独立したセグメントとして収益を計上するには至っておらず、現状は、既存事業の収益に含まれている。
具体的には、IoTサービスに必要なセンサーやゲートウェイを始めとするデバイス開発からクラウドサービス(インターネット上の複数サーバーを利用して、ソフトウェア、データベースなどの膨大な資料を活用するサービス)までトータル・コーディネートできる同社グループの強みを生かし、データを収集・蓄積し見える化を実現するための基盤ソフトであるIoTクラウドプラットフォーム「Toami(トアミ)」をベースに、データの蓄積から分析活用まで、顧客の新たなビジネス価値の創出をサポートする。また、エッジデバイスソリューションでは、自社で組込みアプリからLSIまで対応できる豊富な設計・開発力と、各種センサー・デバイスベンダーとのアライアンスにより、コストを抑えたスモールスタートで顧客に最適なIoT環境を提案している。
<TN>
1. 会社概要
同社グループは、システム構築から運用・保守までをワンストップで提供するITソリューションと、組込みシステム開発やLSI設計を手掛けるプロダクトソリューションを事業内容とする。「優れたシステムを創造、提供し、社会を豊かにしたい」という思いを込めた企業理念「Humanware By Systemware」のもと、「収益性の高い企業体質の実現」を経営の基本方針として掲げている。2016年4月からの中期経営計画では「Drive Innovation」をスローガンに、グループの総合力と融合によって「IoT分野の事業拡大」や「コア事業の顧客基盤強化と高付加価値化」に取り組んでいる。
同社グループは、同社のほかに、100%の連結子会社4社で構成されている。システム開発やインフラ構築事業などを展開するNSWテクノサービス(株)、中国において組込みソフトウェア開発事業などを展開する京石刻恩信息技術(北京)有限公司のほか、一般事務に関する業務代行や支援サービスを行う障害者雇用特例子会社のNSWウィズ(株)を傘下に持つ。また、2018年1月にシステムインテグレーション事業などを展開する日本ソフトウェアエンジニアリング(株)を子会社化した。
事業拠点は東京以西に置いているが、取引先は全国にわたり、官公庁・公共団体の他、製造業や流通業を始めとして多くの大手企業を抱える。設立当初は、日本電気(NEC<6701>)グループとの取引が圧倒的に多かったが、近年はその他取引先の拡大に伴い売上高の2割近くに低下し、年々取引の裾野は拡大している。中国子会社は、主に現地に進出している日系企業をカバーしている。また、2018年4月には台湾オフィス(代表者事務所)を開設し、世界的な半導体の製造・組立・テスト拠点である台湾市場で顧客開拓・現地調査を行う予定だ。
2018年3月末のグループ従業員数は2,089人、うち技術者が9割近くを占めるエンジニア集団である。2013年4月より多田尚二(ただしょうじ)氏が代表取締役執行役員社長を務める。
2. 沿革
同社グループは、独立系ソフトハウスとして1966年にソフトウェア開発事業及び受託計算事業からスタートした。その後、1968年に運用管理サービス事業、1978年に現在のプロダクトソリューション事業につながるファームウェア及び論理回路に関する開発事業を開始。IT技術の進化に伴い、1990年にシステムインテグレーション事業、1998年にデータセンター事業、2009年クラウドサービス事業、2013年にIoT/M2M事業を開始し、事業領域を拡大してきた。
その間に、1982年に現社名の日本システムウエア株式会社に商号変更。1996年に株式を店頭公開し、市場から得た資金で山梨ITセンターを開設。1999年に東証2部へ株式上場、2000年に東証1部指定を経て、2016年3月期には創業50年を迎えている。
■事業概要
1. 事業内容
日本システムウエア<9739>の属する情報サービス産業(情報・通信業の小分類)は、(社)情報サービス産業協会の2014年調査では、企業数29,000社、売上高21.3兆円、従業者数100万人を超える、群雄割拠の業界である。その中で、同社グループは、同社及び子会社4社で構成されているが、ITソリューション事業、プロダクトソリューション事業を展開し、ソフトウェアとハードウェア、両方の技術ノウハウを兼ね備えている点が大きな強みである。
2018年3月期のセグメント別売上高・営業利益を見ると、ITソリューション事業が売上高の58.7%、営業利益の38.3%を、プロダクトソリューション事業が売上高の41.3%、営業利益の61.7%を占める。プロダクトソリューション事業の利益率が相対的に高いのは、技術的な参入障壁が高く、独立系の同社規模で同事業を手掛ける企業が少ないためと考えられる。一方、ITソリューション事業の利益率が相対的に低いのは、景気の影響を最小限に抑えるため、特定の業種・業務への依存度を低くし、多業種・業務にわたり事業を手掛けていることが影響しているようだ。
2. ITソリューション事業及びサービスソリューション事業
当セグメントでは、コンサルティングからシステム設計、開発、保守・運用に至るまで一貫したシステムインテグレーションサービスを通して、顧客の経営課題を解決するトータルソリューションを提供している。具体的には、ソリューション事業では、製造業や流通業を始めとした各業種向けソリューションやネットワークの構築・保守などを展開している。また、システム運用事業では、顧客の情報システムの運用設計から構築、管理まで総合的なマネジメントサービスを提供する。さらに、データセンター事業では、自社データセンターによるハウジングサービス(同社が顧客からサーバー、すなわちサービスを提供するコンピュータを預かるサービス)やホスティングサービス(同社が用意したサーバーを顧客に貸し出すサービス)のほか、クラウドサービス(データやソフトウェアを、ネットワーク経由で利用者に提供するサービス)を提供している。
なお、2018年4月より組織改正を行い、これまでのITソリューション事業を、ITソリューション事業とサービスソリューション事業に区分し、ソリューション事業とサービス事業の各々の成長・拡大を図る体制に変更した。
3. プロダクトソリューション事業
当セグメントでは、組込みソフトウェア開発事業として、オートモーティブ(自動車)向け、産業機器向け機器などに搭載されるアプリケーション(使用者の業務に応じて作成したソフトウェア)やミドルウェア(コンピュータの基本的な制御を行うオペレーティングシステムと、各業務処理を行うアプリケーションソフトウェアとの中間に入るソフトウェア)、ドライバ(プリンタ、USB機器などのパソコンに接続する周辺機器を作動させるのに必要なソフトウェア)開発を行っている。また、デバイス開発事業として、画像処理や通信関連などのLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路。多数のトランジスタやダイオード、抵抗、コンデンサなどの電子部品を1つの半導体チップに組み込んだ集積回路)設計やボード設計(電子回路基板の設計)を行っている。LSI、ミドルウェア、アプリケーションの各開発領域を横断的に組み合わせたトータルソリューションを提供している。
4. IoT&AIソリューション事業
前述の既存事業のノウハウ融合によって、新たな収益の柱への期待が大きいのがIoT事業である。2013年からスタートした新しい分野で、まだ独立したセグメントとして収益を計上するには至っておらず、現状は、既存事業の収益に含まれている。
具体的には、IoTサービスに必要なセンサーやゲートウェイを始めとするデバイス開発からクラウドサービス(インターネット上の複数サーバーを利用して、ソフトウェア、データベースなどの膨大な資料を活用するサービス)までトータル・コーディネートできる同社グループの強みを生かし、データを収集・蓄積し見える化を実現するための基盤ソフトであるIoTクラウドプラットフォーム「Toami(トアミ)」をベースに、データの蓄積から分析活用まで、顧客の新たなビジネス価値の創出をサポートする。また、エッジデバイスソリューションでは、自社で組込みアプリからLSIまで対応できる豊富な設計・開発力と、各種センサー・デバイスベンダーとのアライアンスにより、コストを抑えたスモールスタートで顧客に最適なIoT環境を提案している。
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