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イチネンホールディングスのニュース
*13:31JST イチネンHD Research Memo(1):2024年3月期の営業利益は前期比2.1%増と21期連続の増益を達成
■要約
イチネンホールディングス<9619>は自動車リース関連事業(自動車リース、自動車メンテナンス受託、燃料販売等)、ケミカル事業、パーキング事業、機械工具販売事業、合成樹脂事業、農業関連事業等の幅広い事業を手掛けている。自動車関連が中心だが、それ以外にも事業が分散されていることから業績は比較的安定しており、利益の急変動が少ない企業であると言える。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の業績は、売上高が138,253百万円(前期比8.2%増)、営業利益が9,045百万円(同2.1%増)、経常利益が9,460百万円(同3.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が12,253百万円(同106.9%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅増となったのは、新規連結子会社の負ののれん発生益(6,354百万円)を特別利益として計上したためである。セグメント別では、規模が大きくなった「農業関連」を今期から新たに組み分けた(前期の数値も遡及して組替え済み)。セグメント売上高は、自動車リース関連と機械工具販売以外は増収となった。一方でセグメント利益は、自動車リース関連、ケミカル、機械工具販売は減益となったが、それ以外は増益となった。特に農業関連が黒字化して全体の営業増益に寄与した。この結果、営業利益は21期連続で増益を達成したが、様々な分野に分散されている同社の事業モデルの良さが出た結果と言えるだろう。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高が160,000百万円(前期比15.7%増)、営業利益が9,200百万円(同1.7%増)、経常利益が9,000百万円(同4.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が5,700百万円(同53.5%減)の予想となっている。主力の自動車リース関連が、前期に燃料販売の販売単価が好調だったことによる反動減等により減収減益となる見込みであるが、機械工具販売の回復、パーキングや農業関連の続伸により全体では営業増益を見込んでいる。しかし、全体的に各事業の前提をかなり保守的に見ていると思われ、今後の状況によっては計画より上振れする可能性もありそうだ。
3. 中長期の成長戦略及び株主還元
ロシア・ウクライナや中東情勢など先行きは依然として不透明であるが、中長期的には今後も各事業分野を伸ばしていく方針で、M&Aも積極的に行う考えだ。同社は、社内に向けた長期経営数値目標(時期は明示していない)として、売上高2,000億円超、営業利益200億円超を掲げている。今後の外部環境(ロシア・ウクライナ情勢や原油価格の動向等)によっては計画の見直しもあり得るが、現時点ではこの目標は変えていない。株主還元においては、2023年3月期は年間配当50円、2024年3月期は同60円を行ったが、進行中の2025年3月期も同60円(予想配当性向25.3%)を予定している。一方で会社は、「配当性向30%を目指す」と述べていることから、利益が上振れるようであれば、増配の余地もありそうだ。
■Key Points
・自動車リース関連事業を主力に様々な事業を展開、安定した収益力が特色
・2024年3月期は21期連続で営業増益を達成。2025年3月期は1.7%の営業増益予想だが上振れの可能性も
・社内的な長期経営数値目標として、売上高2,000億円超、営業利益200億円超を掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<HN>
イチネンホールディングス<9619>は自動車リース関連事業(自動車リース、自動車メンテナンス受託、燃料販売等)、ケミカル事業、パーキング事業、機械工具販売事業、合成樹脂事業、農業関連事業等の幅広い事業を手掛けている。自動車関連が中心だが、それ以外にも事業が分散されていることから業績は比較的安定しており、利益の急変動が少ない企業であると言える。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の業績は、売上高が138,253百万円(前期比8.2%増)、営業利益が9,045百万円(同2.1%増)、経常利益が9,460百万円(同3.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が12,253百万円(同106.9%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅増となったのは、新規連結子会社の負ののれん発生益(6,354百万円)を特別利益として計上したためである。セグメント別では、規模が大きくなった「農業関連」を今期から新たに組み分けた(前期の数値も遡及して組替え済み)。セグメント売上高は、自動車リース関連と機械工具販売以外は増収となった。一方でセグメント利益は、自動車リース関連、ケミカル、機械工具販売は減益となったが、それ以外は増益となった。特に農業関連が黒字化して全体の営業増益に寄与した。この結果、営業利益は21期連続で増益を達成したが、様々な分野に分散されている同社の事業モデルの良さが出た結果と言えるだろう。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高が160,000百万円(前期比15.7%増)、営業利益が9,200百万円(同1.7%増)、経常利益が9,000百万円(同4.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が5,700百万円(同53.5%減)の予想となっている。主力の自動車リース関連が、前期に燃料販売の販売単価が好調だったことによる反動減等により減収減益となる見込みであるが、機械工具販売の回復、パーキングや農業関連の続伸により全体では営業増益を見込んでいる。しかし、全体的に各事業の前提をかなり保守的に見ていると思われ、今後の状況によっては計画より上振れする可能性もありそうだ。
3. 中長期の成長戦略及び株主還元
ロシア・ウクライナや中東情勢など先行きは依然として不透明であるが、中長期的には今後も各事業分野を伸ばしていく方針で、M&Aも積極的に行う考えだ。同社は、社内に向けた長期経営数値目標(時期は明示していない)として、売上高2,000億円超、営業利益200億円超を掲げている。今後の外部環境(ロシア・ウクライナ情勢や原油価格の動向等)によっては計画の見直しもあり得るが、現時点ではこの目標は変えていない。株主還元においては、2023年3月期は年間配当50円、2024年3月期は同60円を行ったが、進行中の2025年3月期も同60円(予想配当性向25.3%)を予定している。一方で会社は、「配当性向30%を目指す」と述べていることから、利益が上振れるようであれば、増配の余地もありそうだ。
■Key Points
・自動車リース関連事業を主力に様々な事業を展開、安定した収益力が特色
・2024年3月期は21期連続で営業増益を達成。2025年3月期は1.7%の営業増益予想だが上振れの可能性も
・社内的な長期経営数値目標として、売上高2,000億円超、営業利益200億円超を掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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