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*16:29JST FCE Research Memo(9):DX推進事業が想定以上に好調だった
■業績動向
1. 2023年9月期の業績動向
FCE Holdings<9564>の2023年9月期の業績は、売上高が4,174百万円(前期比11.2%増)、営業利益が581百万円(同28.1%増)、経常利益が575百万円(同26.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が318百万円(同6.6%増)とストック型収益が積み重なって2ケタの増収増益、期初の同社想定に対してやや強めの着地となった。なお、親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失で投資有価証券評価損が発生したため、前期比の伸び率が1ケタに留まり、期初想定に対してもややビハインドとなったようだ。
日本経済は、新型コロナウイルス感染症の感染法上の5類への分類引き下げが実施され、経済活動の正常化が進むものと期待される一方で、資源価格の高騰や金融資本市場の変動など、先行き不透明な状況が続いている。また、DX推進事業に関連する業界では、出社やリモートなど働き方を問わず自動化や生産性改善に対するニーズが続いており、市場環境は良好な状況が続いた。教育研修事業に関連する研修業界は、DXが急速に進む社会環境のなかDXに対応した人財育成の必要性が高まり、リスキリング関連を中心にeラーニング市場の拡大が続いた。教育業界では、文部科学省の掲げる「GIGAスクール構想」の下、学校におけるICT環境の整備・強化が継続的に進んでおり、加えて初等・中等教育向けのデジタル学習環境を整備する「学習eポータル」というコンセプトも広がってきた。こうした環境下で、同社は「チャレンジあふれる未来をつくる」というパーパスと「『人』×『Tech』で人的資本の最大化に貢献する」というミッションに基づき、事業の拡大と収益性の向上に取り組んだ。
この結果、売上高は、2022年1月に学習塾運営事業を売却した影響による減収はあったが、DX推進事業がけん引して2ケタ増収を達成することができた。特にDX推進事業が想定以上に好調となったことから、売上高は期初想定を上回ることとなった。利益面では、ストック型収益の伸びにより売上総利益率の向上が進み、事業拡大に伴って人件費は増加したものの販管費の伸びを売上高の伸び以下に抑えることができたため、学習塾を売却したことによる減益や期末にかけて投入した人財育成・営業強化のための戦略経費の影響を吸収、2ケタ増益を達成することができた。なお、学習塾運営事業の売却や上場費用の発生などの特殊要因を除くと、売上高が前期比13.1%増、経常利益が同34.2%増となるなど好調さが一層際立つ。
同社は提携やM&Aなどの事業戦略も積極的に展開した。2023年9月期第4四半期から足元にかけてだけでも、(株)ヤマダデンキが「Robo-Pat DX」の販売代理店となるパートナー契約の締結、プロンプトエンジニア育成サービスの提供、婚活関連サービスのIBJ<6071>との業務提携などを進めた。「7つの習慣」では、サイバーエージェント<4751>発のプロダンスチーム「CyberAgent Legit」及びFENNELが運営する学生ゲームコミュニティ「Univers」とスポンサー契約を締結、「7つの習慣セルフコーチング」研修やプロモーション活動の支援を展開する方針である。また、プロ野球のヤクルトスワローズやJリーグの川崎フロンターレなどに対して「7つの習慣セルフコーチングfor athlete」の研修を実施しているが、今後は学校への展開を進める考えである。
このなかで注目されるのが、AIプロンプトプラットフォーム「ChatFCE」である。競争はあるが市場が大きく広がると予測される有望なAI市場をターゲットにしたプロンプトエンジニア育成サービスで、月額定額のeラーニングでAIに精通した人財を育成することができる。同社としては、「Robo-Pat-DX」を導入した顧客をリードに2024年9月期中には正式に発売し、AI市場における一定のポジションを確保する方針である。また、IBJとの業務提携では、「7つの習慣セルフコーチング婚活編~まずは自分を好きになる~」の検定講座をIBJメンバーズ(IBJの提携先結婚相談所)に対して開講する予定である。セルフコーチングを通して会員一人ひとりの主体性を高め、結婚に対する価値観を明確にするとともにマッチングを支援、成婚率の向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<AS>
1. 2023年9月期の業績動向
FCE Holdings<9564>の2023年9月期の業績は、売上高が4,174百万円(前期比11.2%増)、営業利益が581百万円(同28.1%増)、経常利益が575百万円(同26.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が318百万円(同6.6%増)とストック型収益が積み重なって2ケタの増収増益、期初の同社想定に対してやや強めの着地となった。なお、親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失で投資有価証券評価損が発生したため、前期比の伸び率が1ケタに留まり、期初想定に対してもややビハインドとなったようだ。
日本経済は、新型コロナウイルス感染症の感染法上の5類への分類引き下げが実施され、経済活動の正常化が進むものと期待される一方で、資源価格の高騰や金融資本市場の変動など、先行き不透明な状況が続いている。また、DX推進事業に関連する業界では、出社やリモートなど働き方を問わず自動化や生産性改善に対するニーズが続いており、市場環境は良好な状況が続いた。教育研修事業に関連する研修業界は、DXが急速に進む社会環境のなかDXに対応した人財育成の必要性が高まり、リスキリング関連を中心にeラーニング市場の拡大が続いた。教育業界では、文部科学省の掲げる「GIGAスクール構想」の下、学校におけるICT環境の整備・強化が継続的に進んでおり、加えて初等・中等教育向けのデジタル学習環境を整備する「学習eポータル」というコンセプトも広がってきた。こうした環境下で、同社は「チャレンジあふれる未来をつくる」というパーパスと「『人』×『Tech』で人的資本の最大化に貢献する」というミッションに基づき、事業の拡大と収益性の向上に取り組んだ。
この結果、売上高は、2022年1月に学習塾運営事業を売却した影響による減収はあったが、DX推進事業がけん引して2ケタ増収を達成することができた。特にDX推進事業が想定以上に好調となったことから、売上高は期初想定を上回ることとなった。利益面では、ストック型収益の伸びにより売上総利益率の向上が進み、事業拡大に伴って人件費は増加したものの販管費の伸びを売上高の伸び以下に抑えることができたため、学習塾を売却したことによる減益や期末にかけて投入した人財育成・営業強化のための戦略経費の影響を吸収、2ケタ増益を達成することができた。なお、学習塾運営事業の売却や上場費用の発生などの特殊要因を除くと、売上高が前期比13.1%増、経常利益が同34.2%増となるなど好調さが一層際立つ。
同社は提携やM&Aなどの事業戦略も積極的に展開した。2023年9月期第4四半期から足元にかけてだけでも、(株)ヤマダデンキが「Robo-Pat DX」の販売代理店となるパートナー契約の締結、プロンプトエンジニア育成サービスの提供、婚活関連サービスのIBJ<6071>との業務提携などを進めた。「7つの習慣」では、サイバーエージェント<4751>発のプロダンスチーム「CyberAgent Legit」及びFENNELが運営する学生ゲームコミュニティ「Univers」とスポンサー契約を締結、「7つの習慣セルフコーチング」研修やプロモーション活動の支援を展開する方針である。また、プロ野球のヤクルトスワローズやJリーグの川崎フロンターレなどに対して「7つの習慣セルフコーチングfor athlete」の研修を実施しているが、今後は学校への展開を進める考えである。
このなかで注目されるのが、AIプロンプトプラットフォーム「ChatFCE」である。競争はあるが市場が大きく広がると予測される有望なAI市場をターゲットにしたプロンプトエンジニア育成サービスで、月額定額のeラーニングでAIに精通した人財を育成することができる。同社としては、「Robo-Pat-DX」を導入した顧客をリードに2024年9月期中には正式に発売し、AI市場における一定のポジションを確保する方針である。また、IBJとの業務提携では、「7つの習慣セルフコーチング婚活編~まずは自分を好きになる~」の検定講座をIBJメンバーズ(IBJの提携先結婚相談所)に対して開講する予定である。セルフコーチングを通して会員一人ひとりの主体性を高め、結婚に対する価値観を明確にするとともにマッチングを支援、成婚率の向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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